CFM「空中分解」 #0851の修正
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その後、二人でバスルームに入る。寒さに震えながら、お湯に入って、ほっと ため息。 ようやく人心地がついた。 そういえば、昨日から何回お湯に入ってんだろ? なんか服を着替えるたびに 入ってるような気がする。ま、どうでもいいことだけどね。 バスルームから出て体と頭を完全に乾かし、服を着終ったところで、健司達を 「あれ、一美ちゃんもドレス脱いじゃったのか。折角似合ってたのに残念だな。」 康司が、口惜しそうに言う。 と、ノックの音がして、セレナ姫が入ってきた。 「本当に、申し訳ございません。ティアの女神様に悪魔からお救い頂けただけで も有難いことですのに、その上プレアナまでもお救い頂いて本当にお礼の言葉も ございません。お濡れになってさぞやお冷えになられたでしょう。今、温かいも のを用意いたしましたので、どうぞ、お召し上がりになって下さいませ。」 「すいません。その前に、このドレスをなんとかしたいんですけど。」 そして、水がしたたり落ちるドレスを持ち上げて見せる。 「あ、それは、そこに置いといて下さい。洗濯致しますので。さ、食堂の方へど うぞ。」 セレナ姫が食堂に案内してくれる。 食堂で、熱いスープを御馳走になり(猫舌なので飲むのに時間がかかった。)、 一息ついたところでプラネット公以下、家族全員が集まってきて、とても丁寧に お礼を言われてしまった。 「そんなに、丁寧にお礼を言われる程のことなんてしてないんですから、かしこ まったりしないで下さい。なんか恥しくて。」 「いえ、とんでもございません。恐れ多くもティアの女神様に二度もお救いいた だいて、本当にお礼の言葉がいくらあっても足りるものではございません。」 「でも、池に落ちた人を助けるのは当り前でしょう。」 「残念ながら、我々は泳ぐことができないのです。博美様がいらっしゃらなけれ ばプレアナは今頃死んでおったことでしょう。本当に感謝しております。」 「そんなに感謝される程のことじゃ……わわっ! 何だあ?」 突然、目の前で異様なことが起こった。 部屋の一部に黒い点が現れたと思ったら、それがだんだん大きくなっていき、 中に悪魔とおぼしきものが立っていて、すぐそばにいたセレナ姫に近付くと、そ のまま姫を抱えて黒い空間に戻り、そのまま消えてしまったんだ。 あまりに突然のことだったし、しかもあっというまに消えてしまったため、誰 も身動きを取ることができず、あっけなく姫をさらわれてしまった。 「あ、セレナ。セレナっ!」 プラネット公が我に返って叫ぶ。まあ、親なら当り前だわな。 「セレナがっ! おい、誰か! ああ、そうだ、占いのばば様のお力を借りよう。」 早速、占い師が呼ばれた。どうやら、この城の専属の占い師らしい。 しかも、かなりの予知能力と透視能力があるらしく、プラネット公が、今朝、 王の居城に行ったのも、女神がそこにいるということを告げられたからで、それ まではどこに行ったらいいのか全然判らなかったそうだ。 で、この占い師にいろいろと聞いてみたところ、セレナ姫をさらったのは残り の三人の悪魔のうちの一人で、その悪魔はもう一人の悪魔と共に、隣の地方の領 主であるマース侯の城に住んでいることが判った。 そして、その悪魔を倒せばセレナ姫は元に戻れるということだった。 ついでに僕達四人が元の世界に帰るための方法も聞いてみたところ、すべての 悪魔を倒しながら、あとに残った玉を集めていけば、最後には元に戻れると言っ ていた。 ただ、肝心の悪魔の居場所なんだけど、三人のうち二人はマース侯の城にいる ってことが判ったけど最後の一人の居場所はどうしても突き止められなかった。 ただ、マース侯の城にいる二人の悪魔を倒せば、最後の一人はすぐに出てくるだ ろうということだった。 とにかく、姫をさらった悪魔を含め、すべての悪魔を倒せれば、そのときには 元の世界に戻れるように力を貸すと言ってくれた。 「これで、なんとか目的がしっかりしてきたな。」 「そうね。まず、マース侯の城に行って、そこの悪魔二人を倒せばいいのよね。」 「そう、そうすればセレナ姫は救われる。そしてその時、もう一回この城に戻っ てきて、あの占い師に聞けば、最後の悪魔の居場所も判るだろうしね。」 康司が後を引きとって言う。 「とにかく、三人の悪魔を倒せば、僕達が元の世界に戻れるってことも判ったし ね。」 「じゃ、善は急げだ。マース侯の城に向けて出発するか。」 健司は、かなり乗り気になっている。 早速、プラネット公にマース侯の城への道順を聞く。以外と簡単そうだ。それ に、距離もそれ程離れてはいない。ゆっくり歩いて五時間位だそうだ。 「本当に申し訳ございませんが、博美様、一美様、よろしくお願い申し上げます。」 「ええ、僕達としても悪魔を倒す必要がありますから、何とか頑張ってみます。」 「では、お気を付けて。セレナのこと、よろしくお願いします。」 「はい。それじゃ、行ってきます。」 僕達四人は、マース侯のお城に向かって出発した。 −−−− 4章 終わり −−−−
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