CFM「空中分解」 #0819の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「さぁ!!リーナス様、騎甲神の石柱です。」 リーナスは石柱にもたれかかる。そして、静かに、ハッキリとしゃべった。 「これから俺のすることに口出しは無用。そして、これから言うことを静かに聴い ててくれ。いいな?ラーラ。」 「は、はい。」 彼は一つ大きく深呼吸をした。 「俺はもうダメだ。残念だがラーラ、あなたの魔法を持ってしても助からない。」 リーナスは微笑みながら語りかけた。その笑顔がラーラにはとてもツライものであっ た。今にも彼女は泣き出しそうになっていた。必死に彼のセリフ一つ一つ聴き逃さな いように耳を傾けていた。涙をこらえても、白い頬を真珠のように伝っていく。死に 逝く者を傷の手当もせずに、だまっていることが、はたしてこれを読んでいる諸君に できるであろうか?そのような残虐なことをリーナスは、17才の少女に強要してい るのだ。 「死の間際で俺は、聖剣ガミシスより、騎甲神を目覚めさせるための術を授かった。 それは‥‥。う‥‥」 リーナスの顔が苦痛に歪む。ラーラは思わず目線をずらし、口に手をあてて忍び泣 きをするのであった。 <ラーラ、泣いているのか?すまない。君にこんな辛いことをさせてしまって。> 「その術は、この聖剣と、『アースラント』。すなわち、我等リミルガの最強剣士 の命が必要なのだ。死の淵をさまよったとき、ガミシスが守護神である『レミタ ー』を呼んだのだ。風の女神。彼女は俺を最高剣士として認めてくれた。」 「で、では‥‥‥。」 「聖剣がこのときの為に存在していたのだよ。誇りに思うぞ。俺は聖剣と神に認め られ『伝説超神』を、この、ちっぽけな命と引き換えに目覚めさせることが、で きるのだからな。」 「ジェナール様は!!どうするのですかっ?それでは、あんまりです!!」 「愛している。‥‥‥ジェナ、ごめんな。幸せにすることができなかったね。でも、 俺は、いつの日か、きっと君を探しだして‥今度こそ幸せにしてみせるよ。」 リーナスの頬に一筋の涙がキラリと光る。それでも満足そうな笑顔が‥‥。 「今こそ甦れ!!その正義の力で、邪悪を‥邪悪を討ち滅ぼし給えっ!!」 ドスッ!! リーナスは聖剣を石柱に突き刺した!! ビシッ! 亀裂が走るっっ!!!そのヒビから光りが洩れる。 「め、目覚めよ!!騎甲神っ!!!」 「リーナス様!!」 ガラガラと卵のカラがむけるように石皮がこぼれ、そして光がそれを弾き飛ばす! 透明の巨大な試験官のなかに黄金と白銀のプロテクターに身を包んだ人物がいた。 それは上腕とうちもも意外は全てプロテクターに覆われ、上腕部は鎖かたびらのよ うなものでガードされている。さらに強い光りを発して試験官のガラスを吹き飛ばす。 「‥‥す、素晴らしい。これで‥‥いいんだ。」 「リーナス様っ!」 ラーラの目は涙で曇っていた。リーナスの姿が歪んでよくみえない。まして、強い閃 光があたりを照らし、石柱のガレキが飛んでいる。リーナスは笑顔のまま、‥‥‥‥ ‥‥絶命した。 最強の戦士の最期であった。思えばサントスはこのことを心のどこかで知っていた のかもしれない。いや、既にあのとき、知っていたのだ。 光りが飛び散るその中でラーラは、リーナスの消え逝く意識を抱きとめた。 ―ラーラ!騎甲神と共に世界を平和へ導くのだ。― 「リーナス様ぁっ!!」 ヴ‥ン‥‥‥ 騎甲神のアイカメラが赤く光った。全身からライト・グリーンの“気”を発してい る。ラーラはとっさにそのオーラを読みとった。 「こ、れは。修羅の波動?」 ラーラは、神殿を勢い良く飛び出していく騎甲神を見た。 「な‥なんだあれはっ!?新手か?」 「あれは超剣士殿かっ?」 「ち、違う、なにかが違う。ま、まさかアレが‥‥。」 リミルガの勇者達は傷つきながらも、ラキュナーガの飛甲兵と戦っていた。そして、 小数に減ってはいたが、ズマーサ軍の機人兵等も、今はリミルガの味方となってラキ ュナーガと戦っていた。 「ナンダアレハ?DATAニ入ッテナイゾ。」 誰もが口々に叫んだ!だがそれは神々しい光りを放ちラキュナーガの飛甲兵を、こ とごとく蹴散らした。 「奴ノ侵攻ヲ食イ止メロ!!」 そんな叫びも空しく、踊り掛かった飛甲兵は首をはねられた!オイルが白銀のボデ ィを染める!騎甲神の目がするどく光る!! 「ナンダコレハ?」 「ヒッ!シュ、修羅ダッ!!」 飛甲兵の一人が逃げだす。どうやら彼はサイボーグ化されたときのマインド・コン トロールが失敗していたようだ。既にリミルガの石畳は両軍とリミルガの勇者達の死 体で埋めつくされていた。 「ヒルムナ!奴ハ素手ダ!袋ダタキニシロッ!!」 ヴ‥ン!!目が光る。騎甲神は群がる敵をものともせず、手刀をあびせた。飛甲兵 は、かろうじてハン゛シールドで手刀を受けるがシールドは木っ端微塵に吹き飛ぶ! 「『プロテクト』ガ?バ、馬鹿ナ!?」 騎甲神の手刀が飛甲兵の胸板を貫く! バチッバババッ! 電気回路の一部がショートし放電現象を起こしている。異様な光景だ。だが、彼等 は仮にも飛甲兵である。空から銀の槍を雨のように投げつける!!騎甲神はスッと左 右に『見切り』のように一重でかわす。地面に突き刺さった槍を一本抜くと、空の飛 甲兵へ投げかえした。それは飛甲兵の頭を貫き、さらにもう一人の飛甲兵の胴をぶち 貫く!!目玉と脳しょう、奇妙な機械部品とオイルを巻き散らしながら落下してくる。 「あ、あれが騎甲神なのか?リーナス。」 サントスは飛甲兵のバラバラになった死体達の中で、活躍する騎甲神を遠巻きに見 ていた。その騎甲神は、既に死んでいるズマーサの機人兵の『超音波振動剣』を2本 持って、最大出力で振り回した。次々と落ちてくる飛甲兵。それは、蝿たたきによっ て、蝿が落とされているような滑稽な催しであった。いつの間にか飛甲兵は全滅して いた。たった一人の騎甲神に500人の飛甲兵が全滅させられてしまったのだ。 「あ、あれで、マスターがいない状態なのか?ならば、マスターが現れたなら、き、 騎甲神はいったいどんなパワーを出すのた?」 リミルガの勇者とズマーサの兵士は手を取り合って勝利を祝っていた。そして、ズ マーサの兵士は30名という人数ながらも祖国『ズマーサ帝国』へ引き上げていった のである。‥‥平和の為の正義の闘神。それが騎甲神なのだっ!! 【第一部・完】 By.ふぉろんくん
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