CFM「空中分解」 #0811の修正
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暑苦しい6畳の部屋で布団がモソモゾと動いていた。もちろん布団が生命を吹き込ま れた訳ではなく動いた原動力は人間の寝返りである。その彼は布団の中からひょいと顔 を出した。不精ヒゲはここ数ヶ月剃っていなぞと誇るようにのびている。 大学合格記念に親戚からもらったデジタル時計はAM11:43と表示していた。 ここ数か月、彼はあれほど頑張って入った大学へと足を向けていない。おそらく大学 にはあと一年余計に行く事になるであろう。ま、その点に関して彼は気にも止めていな い。長い人生一年や二年なんてたいした事ではないとでも考えているらしい。 彼は布団から名残おしそうに出てくると今では旧型にになりつつあるTVゲームを持 ってきてTVにつなげるとまた布団にもぐった。今度は半身だけだしてこれまた古いア クションゲームをピコピコと始めた。別に楽しんでいる風でもなくただする事がないか ら・・・という感じであった。 TVゲームに飽きてくるとやっと布団から出て着替え始めた。近くのラーメン屋さん で早い夕食をとり、そのまま夜の街へと姿を消した。 そして6時頃にはラジオをつけたまま布団に入って目を閉じた。 ラジオではニュースを報じていた。 「「「「***原発では激しい反対運動のために怪我人まで・・・」 「アフリカでは今もなお子供達が飢えのために・・・」 「N国の発表によりますと今日N国はK国の石油基地の爆撃に成功したと発表していま す。これにより和平交渉はまた難行の気配を・・・」 「N県にまたもや集中豪雨が発生しております。現在の状況は死者4人重軽傷・・・」 彼はニュースをBGMのように聞き流しそしてこうつぶやいた。 「あぁ、今日もなにもない一日だったなぁ」 1988/ 2/14 By 友岸 誠
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