CFM「空中分解」 #0770の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
とりあえず、【第一部】だけは終わらせないとね。 お待たせいたしました。リテークした作品です。 この作品のファンがいたらいいなぁ。なぁんて思っている今日この頃。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− すっかり雨はあがって東の空も白んできた。明けの明星が美しいその姿を浮かび上 がらせていた。夜が明ける! 「‥‥夜明けだ。」 リーナスは東の地平線をみつめた。ゆっくりと太陽がその雄々しい姿を大地にさらす。 「みんな!目を覚ませ。夜明けだ!」 彼は仮眠室に眠る仲間に呼び掛けた。すでに都に残った勇者達はリーナス達の見張る 『リミルガの正門』に集まって来ていた。 朝日が『魔の砂漠』の表面をなで、『巨岩石の森』のそびえ立つ石柱一つ一つに暖 かな光りを放った。それらの影はグーンと伸び『リミルガ』の街中にまでとどく。 今朝のレンガ造りの家の煙突からは、炊事の煙りは見えなかった。皆、無事『星の 谷』へたどり着けただろうか。‥‥朝日は平等に世界を照らす。 リーナスの金髪が朝日に反射する。彼は身体を延ばして太陽光をめいっぱい浴びて いた。すると全身から光りが溢れる。集めた光りを自分の“気(オーラ)”として吸 収しているのだ。見る者によっては『黄金の騎士』のように見えたであろう。 彼は充分に浴びてから自分の血族に伝わると言う『聖剣ガミシス』を抜いて輝かせ た。その素晴らしい光りの色に勇者達は歓喜の声を上げた。彼等もプロテクターに身 を包みお互いが同じ思いを込めて剣を抜いて叫んだ。 「我が騎甲神に、栄光あれ!」 しかし、彼等の儀式じみた行ないは見張りの男の声で破られてしまう。 「リーナス様!ズマーサの機人兵です!」 リーナスは無言でうなずき、勇者達を配置につかせた。誰の顔にも緊張の色がさす。 目を凝らすと、なるほど『巨岩石の森』から、かなりの兵士達が向かってくる。 彼等の装備はプロテクターに機械を組合わせた『ラウンド・ムーバー』と呼ばれる 特殊なシロモノであった。それは、右肩に光弾砲(収束ビーム砲のようなもの)が仕 込んであり、両足首にはランド・ローラーが装備され、それを作動させることによっ て地上を自由に駆け抜けることがてきた。そのさいのバランスを保持するために背中 にバック・パックをしょっている。このバック・パックからは2本のバランサーが地 表へと伸びており先端部の小型のローラーが補助輪の役目を果たしているのだ。 さらに、彼等の腰には『超音波振動剣』が掛かっていた。これは、超音波によって 振動を創りだし、その衝撃によって鉄だろうがコンクリートだろうが触れないでもス ッパリと切れてしまうのだ。また、その衝撃によって相手を吹き飛ばすことなど容易 に行なえるシロモノである。切れ味ならば『聖剣』と五分のちからを持っていると言 っても過言ではないであろう。 「1000人くらいかな?どうする、リーナス?」 「やっぱり先制攻撃ですか?」 「おい、若いのお前はひっこんどれ!な?リーナス様、先頭はワシにさせてもらえ んかの?」 二人の男は血気にはやっていた。この状態が一番犬死にする確立が高い。 「サントス、この二人をどこかに連れてってくれ!」 「そんなリーナス様!」 「そーゆーことだ。さっ、向こうに行っててくれないか?」 渋々と彼等は下がった。 「サントス、俺は相手の出方を待ってみようと思う。」 「総大将はお前だ。好きにすればいい。」 「‥‥‥すまん。」 すると、隊長らしき人物が隊の動きをとめた。警棒のようなものでリミルガの回り を囲んでいる巨岩石柱をコツコツと叩いた。 「ふむ。ここが入口のようだ。」 キッと『リミルガの正門』を睨む。チョビ髭のいかにもイヤラシイ目つきをした男だ。 とたんにリーナスは気分が悪くなる。 「このムラの責任者はおるか?」 男はそう叫んだ。このセリフで勇者達の眉がピクリとつった。 <俺達の『リミルガ』をムラだってぇ?> 「こ、こんちくしょおっ!」 「よせっ!」 先程のイキの良い若者が門を開けて跳びだそうとした。が、リーナスの一言で硬直し てしまう。 「この程度の都は奴らにとってムラでしかないのさ。」 サントスは若者にそう言い聞かせた。 「責任者出て来いっ!」 「フッ、どうやらあちらさんも、短気のようだ。」 「リーナス、行くのか?」 「あぁ。」 彼は生返事をして門を開けて出て行った。勇者達は英雄を見送るだけである。 「ほぉう!貴公は高名な『超剣士』リーナス・サーメント殿とお見受けしたが?」 言葉では紳士的なことを言ってはいたが、相手を下げず見、小馬鹿にしたような態度 でリーナスと相対していた。その顔には薄い唇がヘラヘラと笑っている。リーナスは、 ともすると襟首掴んで、その憎たらしい顔をこれでもかっ!と言う位に正拳突きを喰 らわせてやりたい衝動を一生懸命に押さえていた。『超剣士』といえども人の子であ る。 「いかにも‥‥。早速だが今直ぐ、この地から失せてもらおう。この私も戦士。キ サマのようなヤツの薄汚れた血で大地を汚したくないのでな。」 思わずヒニクをまじえてしまう。 「フフン。どうやら大地は貴公の血を望んでるようだ。この腐りきった大地もキレ イになるだろうよ。」 さすがに一軍の将である。ただでは転ばない。 「リーナス殿、我が名はライケス・ローナンドと申す。見ての通り『ズマーサ』の 軍将だ。貴公の言うとおり直ぐにでも出て行こう。ただし!‥‥‥『アースラン トの伝説超人』を譲り受けてからな。さすがに我々も力ずくと言うのは後味が悪 いのでなぁ。」 <『騎甲神』を譲り受けるだと?ふざけやがって‥‥!> 「ライケス殿。それはできない相談だ。『騎甲神』は平和のための正義の闘神。ヘ タな殺戮の道具ではないのだよ。」 「フッ。この戦乱の世に平和とは・な。」 「なに!?」 「貴公も、それなりに血を流しあい『超剣士』としての名をこの世界に轟かせたの だろうがぁ‥‥。戦う力こそが正義だ!脅かす敵を殺すことが平和への近道だ。」 「違う!キサマなにを言っているのだ?」 「フッ、使いこなせんシロモノを持っていようと所詮、宝の持ち腐れと言うもの。」 もう、リーナスの目にはただの外道しか映ってはいなかった。 「失せろ‥‥。」 ピクリと軍将ライケスの眉が動く。 「そのようなことを吠えていいのか?貴公等の命を握っているのは我々なのだぞ?」 「ライケス・ローナンド!お前はこの『剣』の名を知っているか?」 リーナスはライケスの威しに動じることなく不敵にも自分の剣の名を相手に問いた。 「そんな剣がどうしたと言うのだ!」 いささかライケスも彼の問いに頭にきていた。なげやりに言葉を返すと横目でその剣 を見る。龍を型どった美しい柄と黒光りした鞘が見えた。そしてハッと顔色が変わる。 「う、ぐうむ。ではどうあっても騎甲神は渡せんと言うのだな‥‥。」 「いかにも‥‥。」 <こ、こやつ!『聖剣』を持っているのか?うかつには手をだせん。ならばっ!> ライケスは部下に目くばせで合図した。部下の男は肩の光弾を一人の剣士に向けて撃 った。弾はみごと剣士の身体に突き刺さり内部爆発を起こした。血が霧のように広が り肉片を辺りに飛び散らせた。断末魔の悲鳴を上げる間もなく剣士は絶命した。 「な、なにをっ!?キサマっ!」 リーナスは破裂した剣士に気を取られていた。そのスキをついてライケスはリーナス に体当たりを喰らわせ『聖剣』を奪った。 「ワァーッハッハッハッ!!こいつさえなければ『超剣士』といえども恐るるにた らんわっ!」 ライケスは聖剣を高々と掲げて神経を逆撫でる高笑いをした。しかし、彼等リミルガ の剣士達は一人の友の死のために怒りの炎が徐々に燃え盛るのを感じていた。 今、リーナスの身体をあの微風が取り巻いていた。それはあたかも怒りのオーラの ように‥‥‥。 <つづく> ( <(g M> W 故 覡 N8 > 故Hヘ
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