CFM「空中分解」 #0735の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
うわぁっ!!!!(顔面蒼白) スパートの番号、前回のは(7)でしたぁ・・・ な、情けない。情けなくて父ちゃん、な み だ が・・・(わっはっはっ) ↑ 笑ってごまかせ自分の失敗 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− どうやら俺も正念場を迎えたようだなぁ・・・ 「はぁ・・・」 思わずため息までこぼれちまった。くっそぉ、老鶴め! 相変わらず老鶴してくれる じゃねぇか。せっかく母さんに陸上競技会に関する話題を封じておいたのに。 これで選考日から考えていた風邪をひくスケジュールがパーじゃないか。 ちぇっ、システム手帳も修正しておかなくちゃな。 ………それにしても日本晴れってこーゆー天気を言うんだろーな。空は高く雲ひとつ ない。あぁ、普段のおこないが良すぎるってのも考え物だな、うん。 それにしてもこの天気に引き替え このうちのクラス(3年7組)率いる赤組はイマ イチ元気がない。白組に圧倒されっぱなしじゃないか。君らには若さというものが感じ られない。俺のリレーと変わってあげよっか? そんなバカな事を考えているうちに垣本からリレーの打ち合わせを始めるとの伝言が あった。何故か老鶴はこのリレーに入れ込んでいる。それが山倉と俺が出した疑問だ。 打ち合わせなんかしたってどーなるんだろ? そーゆーのを確か、脳ある鷹は頭隠して 尻隠さず・・・違ったかな? まぁいいや。 競技中は立ち入り禁止の筈の校舎だが、俺は見張りの先生に断わって入った。もちろ ん座って入るなんて間抜けな真似はしない。 そしてそこで打ち合わせ・・・というよりは秘密会議に近いものが行なわれた。 内容はあまり大したものではなかった。しかし老鶴は念入りに順番、コース、距離を説 明した。それが何を意味するのかは理解外だが一つだけわかったことはアンカーだけ距 離が倍の200メートルも走るという鬼のような事実だった。 ちなみに順番は・・・1番手 垣本 (また教科書みせてね) 2番手 山倉 (お前が全部悪いんだから責任もてよ) 3番手 静野 (この辺で勝敗がハッキリすると俺も楽だな) そして アンカー 友岸 (テキトーでいい、テキトーで) 以上が我が愛すべき3年7組のリレーのメンバーと俺のコメントである。ま、結果は 俺の知ったことじゃない。参加することに意義はあるんだから。ま、ダメでもともと、 そーなったら推薦者の老鶴に責任はあるんだから。 そしていよいよ最終競技のリレーがやってきた。 「よぉい・・・」 『パーン』 鉄砲が広い校庭に響きわたる。3年の各クラスのトップと教員チームがいきなりスタ ートをきる。何故か老鶴は体の調子がよくないそうで不参加だそうだ。やはり俺の担任 だけあって素晴らしくいい性格の持ち主だ。 その中1番手で垣本はほとんど中間という比較的難しいポジションをキープしていた。 そして山倉にバトンタッチ。勢いに乗った山倉は他のクラスの2番手と比べると際立 って・・・遅かった。奴がこんなに遅いとはね。しかし山倉は山倉なりに真剣に走って いるのが俺には少し意外に思えた。山倉ってこんなに熱血感だったっけ? そして3番手の最後にバトンを受けたのが静野だった。いつも俺を捕まえてくださる ほどの黄金のカモシカの足はいまだ健在だ。白い足が前後する度に・・・俺、何言って るんだろ? 他のクラスを抜いていく。「やばい、このままじゃアンカーに全責任がま わってくるじゃないか」といつもの俺なら言っただろう。でも・・・言えなかった。少 なくともあれだけ真剣に走っている静野、山倉、垣本を笑うことは俺には出来ない。だ からと言って俺が真剣に走るかっていったら・・・必ずしもそうじゃないけど。 そして静野はトップの教員チームに迫った。第2走者まで大ボケしてて笑いの的だっ た教員チームだが第3走者の走りによって堂々トップに踊りでたのだ。 いよいよ俺の番かぁ、嫌だなぁ。今更ながら俺はあきらめが悪いみたいだ。 トップの教員チームもいよいよアンカーにバトンを。 「「「ん? あの憎ったらしい顔、ふてぶてして態度、全身に自信という名のオーラ でもまきちらしているような、あいつは・・・・・ 「古矢ぁ!?」 俺は叫んだ。多分その叫び声は古矢の耳にも届いただろう。なぁんだ俺を殴ってくださ った古矢先生じゃないですか。よく覚えてますよ。俺は結構記憶力のあるほうでね。 「静野、急げっ!」 俺はたまらず叫んだ。走っていた静野は一瞬キョトンとした表情を見せたが意味を悟ったのかニコッとほほ笑んだ。なかなか・・・まぁいい、いまはそれどころじゃない。 静野には悪いが俺はバトンを引ったくるようにして受け取った。バトンタッチに手間 どった教員チームはまだ数メートルしか先をいっていない。俺はその背中をにらみなが ら走った。 さすが態度はどうあれ体育教師、足はかなり速い。だが俺も好む好まないに拘らず毎 朝全力疾走して鍛えている足には秘かな自信がある。負けてたまるか! あんなヤロー に負けたら寝ても寝られん!! 古矢の背中がズームアップされたように見える。顔からは汗が滴る。俺は汗っかきで はないんだけどとにかく走った。100メートル、110メートル距離はなかなか縮ま らない。古矢も体育教師としての面目があるのだろう。かなり必死だ。 だが、俺は手加減なんかしない。絶対に抜く!! その瞬間、あたりはシーンと静まりかえった。 それは俺の錯角かもしれない。だが全てが耳から遠ざかりそれとは逆に近付いてくる 古矢の背中が見えた。「抜ける!」俺は確信した。恥ずかしながら俺はいま、熱血して いるのかもしれない。俺はスパートをかけた。 だが・・・ 無情な勝利の女神は俺にはほほ笑まなかった。結果は・・・同着に終わった。 「はぁはぁ」 俺はグランドの上に寝そべった。まだ息が乱れている。いつのまに集まった我が3年7 組の生徒が無邪気に喜んでいる。その中には静野や山倉もいた。いつもなら照れ隠しす る俺も今は気分がよかった。こんなBGMも時には最高だ!! 古矢は笑って自分のクラスへと戻っていった。 横になって見上げた空は高く、広く、力強かった。まだこの街も捨てたものじゃない な・・・俺は声に出さずにつぶやいた。もう勝ち負けなんかどーでもいいっ。 ・・・後日談・・・ あの後の古矢の怒りは壮絶だったと後からニヤつく老鶴から聞いた。なにしろ体育教 師が生徒に追い付かれたのだ。これを恥と呼ばずに何をよぶ。 そしてここだけの話と老鶴はリレー参加者に注釈して裏の話を始めた。 「実はあたしと古矢先生にはちょっとした考え方の違いがあってね。古矢先生は・・・ ほら、体罰主義の先生でしょ? あたしは逆に体罰は反対だから・・・ あぁ気持ちよ かった。あんときの古矢・・先生の顔ったら、わっはははははっ」 体罰・・・ねぇ。精神的な体罰はどーなってるんだろ? ね、老鶴さん。 よほど気持ちよかったらしく老鶴は大声で笑っていた。よーするにあれほどリレーに 入れ込んだのは自分のためだったんだ。俺の心の角にあった疑問が氷解していった。 「さぁ、みんなあとは受験にスパートをかけなっちゃね」 老鶴は愉快そうに笑いながらこう付け加えた。 「・・・・・・・」 誰も返事はしなかった。 「わっはっはっはっ」 白けた雰囲気の中で老鶴の笑い声がいつまでも響きわたっていた。 <お・わ・り> 1988年 2月 5日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− やっぱり間があくと難しい難しい。でもその点は大いに勉強になりました。 で、今回なんでこんなに中途半端で終わらせたかといいますと実は・・・秘密。 BMD66811/COLOR
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