CFM「空中分解」 #0730の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「せーんーぱーいぃー...」 具合いが悪くなっているところに持ってきて、またまた走らされるのですから、 深雪ちゃんも、たまりません。 健作くんに引きずられるように、よたよたと走ってはいますが、あとどれだけ もつか。 健作くんにしろ、陸上部とはいえ、一人で走っているのと違って、女の子を引 っ張りながらですから、こちらもそれなりに、しんどい。でも、”おとこ”です から、そんなことはおくびにも出さず、走り続ける訳ですな。 そんなところが、深雪ちゃんには、頼もしい。遠くから見てる分には、です。 自分も一緒に、自分の為に走っているとなると、話が変わってきます。 やっぱり、”ギブアップ”なんて言いにくい。ま、そこんとこ、健作くん、慣れ ておりますから... ◇ 走りに走った二人。でも、もう深雪ちゃんの限界。 仕方なく止まる健作。観念したの?健作。追手が迫っているというのに。 若い二人の未来や如何に。では、この続きは次回に...いや、まだ続く模様 です。 ◇ 「ふう」 「先輩、あたし...ごめんなさい」 「いいんだ...そうだ、ぼくがおんぶしよう! さあ」 「えーっ、あたし、いやぁっ。そんなの。恥ずかしいっ...ごめんなさい」 「そう...仕方ないな」 「ごめんなさい...でも...」 二人は捕らえられ、なぶり殺し?となってしまうのか?ああ、かわいそうな深 雪ちゃん。何としても、逃げのびねば。でも。 「...いや、心配はいらないよ」 「だって、もう逃げられない...」 おっ、健作くん、何か思いついたのかな。どうせ、ろくな考えではないでしょ うけど、さてさて。 少し、言いにくそうなのが、気がかり。 「......空が、あるだろ。いいかい、飛ぶんだよ!」 「えっ?」 「飛ぶんだよ、深雪さん!」 「見上げてごらん↑、あんなに広い空が広がってる←↑→じゃないか。行こう、 空へ。自由な空へ。どこまでも→→→。僕らの未来もあそこにあるんだ。 ああ、きっとある」 「ええっ、どうやって??」 「簡単さ。さあ飛ぼう、って思うだけでいいんだ」 「...先輩...大丈夫ですか...??」 「そうだね、信じられないよね。ぼくもそうだった。でも、でも、飛べるんだ。 君ももう昨日までの君じゃない。はやく大空へ飛び出すんだ!」 「...?」 「そうか、君は初めてだものね。恐いことは、何も無いんだ。 いいかい、ぼくが10数える。そのとき、君も目をつぶって、10数えるんだ。 声には出さないで。次は、いいかい、大事なことだ。 数えながら、空の真ん中にぽっかり浮かんでいる姿を思い浮かべるんだ。君の まわりは、そう、何もない。青い空の真ん中に君が居る。でも、なぜか安心出 来る、ってね。ぼくと一緒なら何も心配ないだろ? 信じるんだ。大空は素晴らしい。信じるんだ。大空へ!。他の事は考えちゃい けない。 空に浮かんでいることだけ、考えるんだ。そのあとは、ぼくにまかせて!」 「はあ...」 「いいかい」 「え、あ、はい」 「ほんとに、いいかい?じゃ、始めるよ、いいね。目をつぶって! 大空へ!」 「おおぞらへ...」 「ひとつ!、ふたつ!、...」(ひとつ?、ふたつ?、...???) 「とお!」(とお??) 数え終わるや、深雪の後ろに回り込んだ健作くん。 「やっ!!」 とばかり、かけ声を発したかとおもうと深雪の後頭部を力まかせに。 (どごけきっつ − 鈍い音です) 「きゃっ」 とカワイく、吹っ飛ぶ深雪ちゃん。 「なっ、飛べたろ」 (バカいってんじゃねえヨ) 動かなくなった深雪ちゃんを、ヨイショと背負って、再び走り出す陸上野郎で した(何考えてんでしょうね。みぞおちくらいにすりゃいいものを)。 《つづく》
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