CFM「空中分解」 #0728の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「何ぃー。あの校長先生。いい加減なこといっちゃって。調子狂っちゃうわ」 深雪は健作と歩きながらぶうぶういった。 「俺はあの校長好きだよ。前いろいろ話することがあってさ。若い頃、女のことで 苦労したらしいよ。イルージョンを読めばよく分かるっていってたっけ。何のこと だか知らないけど」 いつの間にか健作と深雪は図書館の裏に来ていた。あたりに人影もなく、蔦のか らまる煉瓦の図書館、木立、茂み、ロマンチックな場所であった。と、わずか7行 でまたまた怪しげな雰囲気になってくる。指が勝手に動くのであった。自家臈中? ちょっとふてくされたような深雪の顔。それがまた鈴木には好ましく映る。 鈴木健作は深雪に近寄ると指を絡めた。深雪の細くてしなやかな指の感触に軽い 衝撃が頭の中を走った。「ちょっと、何よぅ。健作さん。止めてよ」といいながら も深雪は手を振りほどこうとはしない。「校長先生もああいって下さってるし、僕 達、別に間違ったことしてるわけじゃないんだ。そう思わないかい」「そっ、そう そてけど。でも、先輩。私たちつい昨日初めてデートしたところだしぃ、それも 変な人達に追い掛けられて、めちゃくちゃだったしぃ、それに私達中学生なんだ しぃ、あんまり...でもなんですぐおかしな雰囲気に私達なってしまうのかしら。 鈴木先輩って、陸上だしぃ、真面目だっていうのに。誰なのぉ、このストーリー 考えている人。まさか、あのクッ、クエ...」 深雪は急に気分が悪くなり、図書館の煉瓦の壁にもたれかかった。体の力が抜け てぐったりとし、目を閉じた深雪の様子を見て、健作はてっきり深雪がキスを要求 しているのだと、いままての擦り込み行動により判断すると、オートマティックに 体を深雪の上に重ね合わせ、深雪の柔らかそうな唇に自分の唇を重ねようとした。 一体、映画館でのあの清らかな時めきは何だったのか。困った男だ。 「ちょっと!あんた達!一体何してるんですか!」図書館の窓が開いて、中年の 女性が大声でいった。なっ、何と鈴木芳江ではないか。ここは丁度第一会議室の真下 なのであった。膠着状態の「鈴木−斉藤デスマッチ」に疲れた鈴木の母が新鮮空気 を補給しようと窓を開けてふと下を見るとこの始末。 「深雪さん!一体貴方はうちの健作ちゃんをどこまでたぶらかしたら気が済むの ですか!健作は大事な受験を控えているというのに。ちょっとそこで待ってなさい」 鈴木の母は姿を消した。 「うわっ。見つかった。逃げろ!」健作は深雪の手を引っ張って一目散に駆け出し た。「なぜ、なぜ逃げるんですか。先輩!私達、何にも悪いことなんかしてないの に。おかあさまにちゃんと説明すればいいのに」深雪は涙を流しながらいった。 「だめだよ。僕の親は自分のことしか考えられない。本当に子供のことを考えたり してくれやしないんだ。だから僕は次々と女漁り...えっと今のなし」 「えっ?」「いや、深雪、君はこれ以上傷つくことはない。とにかく逃げよう」 二人は校庭を駆け抜け、大通りへと向かった。あとからまたしてもPTAの一団、 OO7山下、そしてなぜか直美、祥子、そして神月までが追い掛けていった。 つづく
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