CFM「空中分解」 #0693の修正
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★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「よ、よく来てくれたね」 鈴木先輩がぎこちない顔表情であたしに言った。鈴木先輩でも結構緊張するらしい。 「は、はぁ。この度はおまねきにあずかり・・・」 馬、馬鹿! なんて間の抜けたことを言ってるのよ、あたしは……… 「あ、バスがきたよ。乗ろう」 先輩は慌てたように言った。どうもぎこちない。 あぁ手に汗かいちゃったな………あたしはそんなことを考えながらバスに乗り込んだ。 日曜のこの時間にしてはイヤに乗客数が多かったのだが他のことに気を取られている ほど余裕のない二人であった。 「えっと………あ、今から見にいくドラえもんなんだけどこの映画は絶対に面白いよ。 最近少なくなっている感動出来る映画の一つだと思うんだ」 「「「「あたしもドラえもんって割と好きですよ」 「そ、そうかい? そーいって貰えると嬉しいな」 鈴木先輩は心から嬉しそうに言った。なんとなく緊張がほぐれてきている。 あたしにもそれはうれしかった。 ・・・でもバスって時間通りに進まないから嫌い。もう20分以上遅れてるわよ! さて場面は佐藤財閥が誇る中央監視室へと移る。 「おい、報告はまだか?」 佐藤義彦はイラだったように聞いた。 「鈴木と深雪が乗ったと思われるバスは現在渋滞に巻き込まれていますね。多分No. 2も一緒に乗り込んだものと思われます。残念ながら現在では報告待ちをしているしか ありません」 道路モニターを見ていた諜報部員No.9は言った。 それを聞くまでもなく佐藤義彦にも予想はついていた。しかし彼にそれを抑えるという 真似をしろというのはもちろん無理な相談であった。 さて再び画面はバスの中………先輩&深雪よりちょっと後ろの二人掛けシートに移り ます。 一見すると野郎二人で座っているのだがよくよく見るとちょっと異様なムードがあり 近付く人を遠ざけていた。もちろん祥子と直美のコンビである。 祥子「な、なんだかいいムードになってきたわよ」 直美「ねぇ、やっぱりやめようよぉ〜」 祥子「馬鹿ねぇ、私達は別に深雪たちの邪魔をようってんじゃないのよ。ただあの二人 が心配だからこそ………しかし本当にいいムードだな」 直美「え? 本当!?」 祥子「ホントよ。ほれ見てごらん」 直美「………」 「ねぇ………なんとなく僕達見られているような気がしない?」 いいムードなんだけど会話が全然進んでいない状況で先輩が突然に言った。 「そう? 気のせいじゃないですか?」 あたしは言う。しかしこんなに緊張するとはなぁ〜。祥子から請求の宿題レポート1 5枚はやっぱり無理ね・・・ 「そうかなぁ? そうだね、あ、やっと終点に近付いてきたね」 あ、本当だ。遅れていたこのバスもやっとこさっとこ終点に来た。しかしこま時間は長 かったのか短かったのか………疲れたぁ と思ったのも束の間、突然あたしの耳の中にバスを揺るがすような大音響が入ってき た。 ぴーーー!! ぴーーー!! ぴーーー!! あたしが驚いて振り替えるとサングラスに背広を着込んでいる………あまり普通では ないようなアブナイおじさんが慌ててポケットに手を突っ込んで音を切っていた。 「なにかしら」 あたしが可愛く?(なによぉ)尋ねると先輩はちょっと戸惑っているような表情をし ていた。でもすぐに普段のニキビの似合う(あばたもえくぼなのだ)顔に戻って、 「「「「!? あ、あれはポケットベルだろ」 とだけ言った。 そのころ佐藤邸では 「おい、確かに大音量のポケ・ベルを鳴らしたんだろうな! まったくそろそろバスは 終点に着いているはずたぞ!まったく報告が遅いっ!!」 もちろんだがポケット・ベルを鳴らして諜報員に一身の注目を集めさせた犯人は突発 的心配症の佐藤義彦その人であった。 <つ・づ・く>
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