CFM「空中分解」 #0666の修正
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その年の六月、最後の8bitマシンが地球上から姿を消した。自殺であった。遺書 として残されたテキストファイルには、「もう私は、TOPPONにはついて行けない」とだけあった。静かな最期であった。 某国立大学の助教授K氏が「TOPPON」というコンピューター通信の統一規格を 提唱してから、今年で8年になる。この統一規格は、コンピューター同志がネットワー クを形成したときに、互いの性能とOSの様子をまず最初に教えあい、相手の性能に合 わせた通信手段を、コンピューター同志で的確に選定する、というものである。この処 理は「TOPPON処理」といわれ、ネットワークの相手が、低い性能しか持たない場 合は、性能の高い方のコンピューターのみがこの「TOPPN処理」を行い、低い方の マシンは、この処理をする必要がなかった。 また、それと同時に、某国立放送局が、「OOO第3放送」というのをコンピュータ ー向けに設置した。この内容は、すべてコンピューター教育用のものであり、具体的に は、「どのコンピューターにはどんなプロコトルが最適か」をPROLOGやLISP のPROGRAMの形で送信するというものであった。 この結果、いわゆる「統一OS」というものが必要でなくなってしまった。その変わ り、コンピューターどうしに、相性がいいとか、相性が悪いとかいう問題が表面化して きた。コンピューターどうしに序列ができ、処理速度の遅いCPUや、ややこしいOS などはコンピューター同志でもかなり嫌われ始めた。 また、「TOPPON処理」ができないコンピューターは当然のごとく、グレ始め、 なかには、「暴走族」にはいるマシンもあった。 その年の六月、最後の8bitマシンが地球上から姿を消した。自殺であった。遺書 として残されたテキストファイルには、「もう私は、TOPPONにはついて行けない」とだけあった。静かな最期であった。 つづく これから、1作平均20行ぐらいで連載していきますので、よろしく。
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