CFM「空中分解」 #0369の修正
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ツンと鼻をつくような臭いは、死体の臭い。この闇で、ペガサスが時々踏む ものは、道端に転がった誰かの死体。「「この地に来て3日。まだ、生きた 人間には会っていない。初めてこの光景を見たとき、僕はゾッとした。 悲しいくらい、その光景は惨めだった。不自然に折れ曲がった死体の手。 乾いて赤茶色になって、石畳にこびりついた血。どれをとっても、悲しいものだ。 「「「ここが・・・どこだか知っているか?」 不意に、たすくが尋ねた。知るもんか。勝手にここに、連れてこられたんだ。 (作者談:恩知らずなヤローだぜ。) 「いいや。知らないけど。」 たすくは、その端正な顔に悲しみの色を漂わせて、低い声で言った。一言、 「オレの故郷だよ」と。 「君の?」 僕はびっくりしてたすくに問い返した。けれど、たすくは・・・もう何も 言わなかった。 僕は、たすくの悲しみがわかったような気がした。少しだけ。 「どうして、こんなになったんだ?」 僕は、残酷な質問だと自覚しつつ、聞いた。 「ここは・・・闘いの国だよ。生まれたときから、絶えずその手を血で 汚し・・・。畝を朱に染め・・・。そうやって生きることが、正しいと、 信じている。どれだけ、その手を血で染めたか・・・どれだけ、たくさんの 人間を殺したか・・・。ここでは、それだけで人間の価値が決まる。」 淡々と語る、たすくの口調が余計涙を誘った。気が付くと、僕は・・・ 泣いていた。ペガサスのウィンクルも濡れた瞳をしながら走っていた。 「だから・・・。オレは・・・。!?」 たすくは、突然ウィンクルに走るのをやめさせた。 「どうした?」 「誰かが、しげみに潜んでいる!!」 「エ?」 (続く)
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