◇フレッシュボイス2 #1115の修正
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・『パズラクション』(霞流一 原書房)17/6452 裏の生業として殺し屋をやっている和戸隼は、今回も手際よく済ませるつもりで現場 に乗り込んだ。ところが何の偶然か、ターゲットは既に殺されていた。しかも、死体は 逆さ吊りにされ、額は傷だらけ、首からは靴がぶら下げられ、口の中にはメガネのレン ズが押し込まれているという極めて不可解な状況になっていた。ターゲットが死んだの だからよしとはならない。このままでは続く仕事に支障を来すし、何よりもプライドが 許さない。和戸は協力者の宝結に連絡を取り、善後策を立てる。だが、その後の殺しで も、思いも掛けぬ偶然から殺害現場が密室になってしまったり、被害者が燃えながら逆 立ち状態でジャンプして壁にぶつかったかのような状況ができあがったり、足跡なき殺 人が成立してしまったりと、とんでもない目に遭う。和戸と宝結の「仕事」から見て、 あまりにも突飛で不可解な殺人は認められないのである。そこで彼らは真相を隠し、新 たな真相“新相”を作り出すべく、警察の捜査を操る“操査”に力を注ぐ。 トンデモミステリを数多く送り出してきた作者が放つ、逆本格ミステリ&転倒叙探偵 小説&メイクパズラー。 これまでいくつか霞流一作品を読んでいますが、どれもこれもだいぶ読みづらい文体 で、駄洒落の多用と相俟って、ミステリとしてのアイディア・趣向のよさを十全には発 揮できていないイメージを持っていました。 それが今作では解消されている。完全にではないにしても、読みやすかったし、アイ ディア・趣向を活かし切った拘りの作り込みがなされていたように思います。 以前、漫画『金田一少年の事件簿』を犯人視点から描いた漫画『犯人たちの事件簿』 が少し話題になりましたが、本作はそのテイストと似たものがちょっと入ってると言え るかも。殺し屋が仕事を成し遂げるも思いも寄らぬことから不可解な状況ができあがっ てしまって、目の前で起きた偶然をそのまま真相とする訳にいかないため、別の答を苦 労してこしらえる羽目になる。 島田荘司流の不可解な謎、豪快系トリックに対するパロディとしても読めるかな。作 者にそんな意図はないとしても、何となくそう読めてしまう(笑)。 ではでは。
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