#3718/3718 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/12/13 17:39 ( 29)
どこまで史実に沿わせるか 永山
★内容
ミステリのプロット作りで。
あるトリックによって不可思議な現象を起こすには、とある災害の発生が前提条件に
なる、とします。ここでは地震としましょう。かなり強い、でも都市がまったくの機能
不全に陥るまでには至らないレベルの地震。
ここで、小説の舞台としてどこでも自由に選べるのであれば、さほど悩まなくもいい
かもしれません。ぼかして書くか、何ならいっそ、日本国内にある架空の都市というこ
とにしたってかまわないでしょう。
しかし、もし場所が限定されていたら? たとえば一昨日話題にした京都短編ミステ
リー新人賞のように、物語の舞台は京都とすることが条件付けられていたら。
「創作は創作だ」と割り切り、最初から、史実とはそぐわないことは承知の上で書く
か。それとも一応、調べてみるのか。
後者を採ったとして……調べてみたところ、条件に合いそうな強さの地震が何度か起
きていることが分かった。時代の都合も加味すると、採用できそうなのは二つに絞られ
る。ただ、どちらの地震も日中に起きている。
小説内で事件を起こす時間帯は、夜の方が何かと都合がいいし、一般的?な犯人の行
動原理にも即している。明るい時間帯でも描けなくはないだろうが、制約が多くて窮屈
だ――という風な場合、どちらを選ぶべきか。できる限り史実に沿うようにするか、小
説としての結構を優先するか。
一般論というか最大公約数的な考え方を想像するに、戦争や大規模な災害、自然現象
(災害だけでなくハレー彗星接近なども含む)、広範囲に渡る病の流行といった事柄
は、(できる限り)史実に沿うようにすべきだとする人がそれなりにいるんじゃないか
しらん。過半数かどうかは分からないけど。読者・作者にかかわらず、「作り話なんだ
からどーでもいいじゃん!」て人も一定数いるに違いないですから。
史実に沿わせるべき派にしても、単なる積雪レベルになると途端に崩れるんじゃない
かな。創作の世界において東京は恐らく毎年クリスマスイブに雪が積もるほど降ってお
り、それを駄目だと言う向きは多分いないでしょう。(^^;
ではでは。