#3604/3608 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/09/03 16:54 ( 22)
当たりと外れと不可解さ 永山
★内容
WOWOWのドラマ「怪物」第九回を録画視聴。ネタバレ注意です。
二十五年前の事件・事故に関して、だいたい明らかになった。前回までの内容で想像
していたのとは大枠では当たっていても、細部では結構違ってた。特に、八代父や田所
らの絡む交通事故で死んだ琴音の遺体を、どうやって柳に富樫宅の地下室の壁に塗り込
めさせたのかが不可思議だったのに、まさかの単なる偶然とはがっかり。
付随して、中橋が連続殺人の犯人は柳だと知っていた節があるのは不可解。疑う以上
のレベルで確信を持っていたように描かれていたけれど、根拠は何だろ?
その中橋社長、予想した以上に悪者だった。本ドラマに登場する悪人全員と何らかの
つながりがあるような気さえする。足の負傷が偽りであることを徹頭徹尾隠し通してい
るのも凄いと思うんだけど、そもそもどうして隠そうと思ったのかのきっかけについ
て、言及がないような。まあこれはさほど不自然ではなく、中橋ほどのキャラなら、た
とえば負傷の原因を作った相手や保険会社からずっと金をふんだくれるように偽ってい
るということで、すんなり納得できる。(^^;
悪者といえば、八代父も権力志向の化け物(作中でも息子から同様の言い回しで表現
されていた)で、出世のためなら家族を犠牲にすることも厭わない、冷酷非情を絵に描
いたようなタイプでした。妻への仕打ちが描写されましたが、ああいうことがあったな
ら息子の八代が反発を覚えるのも道理。そして犯人達を追い詰めるために、八代が反り
の合わない富樫の手法に倣うという流れが、いかにもドラマ的だなあ。
前回の感想で記した、幹男のトラウマが鹿であることの説明が今回ありました。期待
していたほど深い物ではなかったけれども、ちゃんと触れたことは評価したいです。
ではでは。
#3605/3608 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/09/04 17:33 ( 25)
変身の二局面 永山
★内容
フジテレビ系で放送のドラマ「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」第七回を
録画視聴。ネタバレ注意です。
現実の事件を思わせる、殺人容疑で十二年間逃亡を続けている女性。女の周辺では夫
を含む三人の男が姿を消しているが、血塗れの現場があるだけで遺体は見付かっていな
い。
三人の内、一番新しい事件はつい最近起きたもので、女の行方を追っていた記者が行
方不明になった。記者の宿泊していたホテルの部屋には、書きかけの原稿があり、そこ
にある記述から、現在女がよく立ち寄る場所が分かったので、スティンガースの面々は
それらの場所にバイトとして潜り込む等して、女を発見・接近しようというもの。
ここまではいいんですが、最後に解決してみると、女には(元)刑事が継続的に協力し
ており、三人を殺したのはいずれもその刑事の仕業。三人目の記者に関しては、刑事が
女の逃亡に手を貸していることを記事に書かれそうになったからというのが動機で、元
刑事は原稿の中から自身に筆が及んだ箇所を持ち去り処分した、ということでした。っ
て、いや、自分のとこだけ持ち去って何の意味があるのよ? 全部持ち去らなくちゃ。
中途半端に原稿を残したせいで、女の居場所が突き止められ、結果、元刑事も捕まるこ
とになったのは、大きなミスであり、矛盾だと思う。
あと、遺体の搬出・移動をどうやって行ったのかの描写がまったくなく、分からなか
ったけれども、特に宿から運び出すのは相当な困難を伴うはず。大きなスーツケースを
用意するにしてもそれだけで目立つし、防犯カメラや車載カメラをいかにして避けるの
かという問題もある。面倒な場面を都合で省略したように感じました。
それらを除けば、他は概ねよくできた脚本だったかと。人情物の側面があったし、女
逃亡者の一変する言動が面白くも興味深い。捜査側では、小山内の特技であるコスプレ
を、逃亡者の変装(整形手術?)と対比させて、これまたうまく絡めていました。
ではでは。
#3606/3608 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/09/05 17:25 ( 34)
すぼむラスト 永山
★内容
テレビ朝日系で放送のドラマ「大追跡〜警視庁SSBC強行犯係」最終回を録画視
聴。ネタバレ注意です。
あら? あっさり終わった。それなりに期待していた分、しょぼくれた印象が強まっ
てしまったかも。最終回なのでとっておきの最新科学技術の一つでも飛び出すかと待ち
構えていましたが、何にもなし。(^^; それどころか、極当たり前の捜査――防犯カメ
ラ映像の収集とパソコンデータの復元がメインで、事件解決にすんなり至る。二十五年
前のパソコンからのデータ復元ぐらい、もうちょっと苦戦するくだりがあっていいだろ
うに、次から次に「復元できました!」の一言で、とんとん拍子に進む。見ているこっ
ちは拍子抜け……なので「とんとん」だな(笑)。
坂崎蘭、小学五年生からパソコンに触れ、天才ハッカーと呼ばれるレベルなのに、警
察のデータをかすめ取るためにウィルス送り付けた旧式パソコンをずーっと取っておく
なんて、なんて物持ちのいい。(^^; そのせいで二十二年前の犯罪が明らかになったけ
ど、思い出の品だから捨てるに捨てられなかったとか? それならせめて、ウィルスを
送り付けた痕跡ぐらいは完全に処置しておかなくちゃ。天才ハッカーならそこまで気が
回らないはずがない。
が、「坂崎蘭は犯行当時十四歳、ハッキングの時効は3年。この件(捜査員がホーム
レスに扮して張り込んでいたが射殺され、暴力団の取引現場を押さえることにも失敗→
警察の信用失墜)が表に出ることはないだろう」と言っていたけれども、そうかなー?
まず、坂崎蘭が悔い改めてすべてを公にする可能性がゼロではない。悔い改めなくて
も、これって警察の弱みじゃないかと気付いたら、何らかの形で利用する恐れなきにし
もあらず。
それ以前に、蘭の兄である坂崎龍が犯人として逮捕された事実がでかい。今の世の
中、ネット民を中心に、鵜の目鷹の目で犯人(容疑者)の身辺情報を探るでしょ。龍は
蘭との写真をSNSにアップしていたくらいだし、つながりは簡単に分かる。さらに坂
崎蘭は小学生のときにパソコンの天才少年として新聞に載っている。早い段階で、「あ
のときの少年がこの殺人犯の弟か」と把握される。ネット界隈ではハッカーとして有名
みたいだし、「兄の犯罪に関わっているんじゃないか」と疑いの目を向けられるのはほ
ぼ必定。住所であるタワマンに家宅捜査が入ったこともじきに分かるだろうし、こうな
ると隠しごとが表沙汰にならずに済むのは、かなり厳しい気がする。
シリーズ化の意欲満々で締め括られましたが、捜査技術の進歩は今後加速度的に速ま
ると思えるので、急がないと第二シーズンを作る頃にはまったくの別物になっているか
も?
ではでは。
#3607/3608 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/09/06 17:08 ( 27)
なくて七癖なくせ癖 永山
★内容
フジテレビ系で放送のドラマ「最後の鑑定人」第九回を録画視聴。ネタバレ注意で
す。
どーも構成がうまくないのか、物語の非常に早い段階で底が見える。地上波のエンタ
メ・ドラマとして、ある程度の分かり易さは必要でしょうけど、本ドラマの今回エピ
ソードはやり過ぎの部類に入ると思う。
少し具体的に書いてみると、まず、正当防衛を主張しようというのに遺体をガソリン
で焼くってのが尋常でない。何らかの別の狙いがあるのではと、察する視聴者は少なく
ないだろうし、そうなるといかにも犯人の女性を助けている風の日野という男には裏が
あることも想像できる。
次に、犯行現場の家は掃除がなされていたのに、犯人の女性と被害者・寺井の犯行模
様を示す指紋だけがしっかり残っていたと判明するくだり。これでもう決定的。不自然
極まりないこの状況、主人公の土門が指摘しましたが、本来なら警察が早々に気付くべ
き。
黒焦げ遺体、不自然な指紋と来て、被害者の寺井は借金まみれ、天涯孤独も同然の身
でなおかつ住所不定故DNA鑑定に必要な試料が採取できない……となると、これは被
害者が別人であるとしか考えられません。誰かと入れ替わっている。その誰かは、当
然、女性に協力しているふりをしている男で決まり(寺井が日野を名乗っている)。
以上、それなりに複雑なのに、早々に勘付かれるような構成には疑問。
さらに問題だと感じたのは、半ば辺りで、土門が現場の指紋と自称・日野の指紋とを
比べて一致したとの結果を得ているのに、その時点では日野を疑う素振り一つないこ
と。どう考えても、指紋の一致をみた時点で入れ替わりを想像するでしょうに。何でこ
んな不可思議な構成にするのか、理解に苦しみます。折角のよさが消えているとしか。
似たような感想を書いている気がしたので遡って調べてみたら、このドラマの三話と
七話が該当する。今回も含めて三つのエピソード、演出が同じ人(他のエピソードの演
出には関わっていない)らしいので、これはこの人の癖なのかな?
ではでは。
#3608/3608 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/09/07 17:29 ( 20)
カットのシーンをカットする 永山
★内容
WOWOWのドラマ「塀の中の美容室」第二回を録画視聴。ネタバレ注意です。
放送が三十分枠ということもあるのでしょうが、芯となるストーリーが見出せないま
ま、ふわっとした雰囲気で進んでいく。一応、主人公である美容師・葉留が過去に起こ
した事件に関する諸々がメインなんでしょうけど、どうやらハサミが凶器として使われ
た事件なのかな?と想像できるくらいで、ほとんど進まなかった。
その代わりというわけではないんでしょうけど、情報小説(小説じゃないけど)の側
面が強く出ていて、興味深く観ています。刑務所及び刑務所内の美容室の決まり事、外
部のお客さんは受け入れるが男性は不可とか、色々出て来て面白い。希望する受刑者に
理容師免許の授業を行う専属の先生も出て来て、当然ながら公務員になるとか。
初回にちらっと出て来た由紀さおり演じる高齢女性・鈴木公子が、美容室の客として
来店。めっちゃ、おしゃべり。(^^; 自分本位で勝手に歩き回るし、美容室や美容師の
ことを詮索するし、正直、嫌味でうるさい・鬱陶しいレベルに感じた(一緒に観ていた
父も同じ感想)んですけど、葉留も応対した刑務官も何か喜んでいる。一つは、鈴木が
初のリピーターになってくれたという理由から、そしてもう一つは、葉留にとっておし
ゃべり自体が楽しいという理由。この後者の視点は、男性はなかなか持てないかも。一
般に女性はお喋り好きというイメージが広まっていると思いますけど、それ以上に受刑
者である、というのが大きい。にしても、髪のカットだけで二時間も費やした、という
のはしゃべりすぎじゃあ?(^^;
ではでは。