#3540/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/03 17:09 ( 34)
二話目で珍しいと言われても 永山
★内容
J:COMBS(旧BS松竹東急)で放送のドラマ「半七捕物帳」第二話『刀傷 吉良
の脇差』を録画視聴。ネタバレ注意です。
シリーズ全体の構成を考える人が王道を外したがる癖でもあるのか、それとも私が凡
庸なだけなのか知りませんが、どうも変に感じる。というのも、この第二話冒頭で、
「今回の事件は、半七にとってもちょっと変わった(珍しい)ものだった」みたいなナ
レーションが入りまして。いやいや、第二話で変わったとか珍しいとか言われても、比
べようがない。第一話、第二話と同傾向の事件を続けて描き、三話目で「今回はちょっ
と変わった事件でした」みたいに語るのであれば、すんなり飲み込めるのですが、二話
目でこれをやられても、困惑の方が大きい。
そもそも、第一話『異人の首』のエピソードが、そんなに普通の、よくある話だった
のかという疑問もある。時代劇ドラマなら西洋人の登場する話の方が珍しいだろうし、
蝋人形というアイテムも同じく珍しいはず。恐らくは第一話、第二話ともにイレギュ
ラーなパターンだと思うのですが。
まあ、その辺りはさておき、お話の方は確かに珍しかったかもしれません。一人の女
に執着した男、今で言うならストーカーになりそうな男が罪を重ね、大立ち回りを演
じ、ある意味主役と言っていい大活躍(?)。この男・伝蔵、やけに強いし、運がい
い。半七らが追い詰めたように見えてもするりと逃げられること数度。これでは半七が
無能に見えてしまう。
ミステリ的な趣向としては、伝蔵が落としていった銭から、身を潜めている場所(区
域)が判明するくだりぐらいかな。それ自体は知識として面白い。
物語のテーマとしては、伝蔵につきまとわれて多大な迷惑を被りながらも、ほんの少
し惹かれる気持ちを残しているらしい女心の不思議といったところでしょうが、なぞっ
た程度で片付けた感じ。半七のキャラが女性に対してはそこそこ初心な風に描かれてい
る。
サブタイトルにある吉良とは当然、吉良上野介のことですが、その遺品である脇差し
によって武家の主が側人(妾)共々殺される。側人の弟・鶴吉がその脇差しを譲り受
け、「姉の敵を討ちたい、吉良の脇差しで伝蔵を殺してやりたい。伝蔵の行方を調べて
ください」と半七に依頼する。この辺りは私立探偵物を思わせます。で、ほんとに本懐
を遂げさせちゃうのは、大石内蔵助に準えてのことか? 吉良の脇差しを武器にすると
いうのがよく分からないけど。(^^;
その上、「これで吉良の魂も浮かばれるのではないか」という見解が示されるのも
謎。ほとんど関係ない事柄を無理矢理結び付けている感が強かった。
ではでは。
#3541/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/04 16:44 ( 21)
“柄”じゃない 永山
★内容 25/07/18 14:37 修正 第2版
J:COMBSで放送のドラマ「半七捕物帳」第三話『矢がすりの女』を録画視聴。
ネタバレ注意です。
今回はロミオとジュリエット風の悲恋物……と思って観ていましたが、途中で男女は
兄妹の関係であることが示唆されて、ああそっちなのねと。ミステリ的には全然大した
ことなくて、というよりもミステリではなかった気さえする。(^^; ひたすら、若い男
女の仲を男の父親が引き裂こうとする展開。その引き裂き方が、今の感覚とは大違い。
旗本のプライドや名誉はそこまで高く、何を差し置いてでも守らねばならないのかとい
うのを見せつけられた感。まず不義をした奥さんを、一緒に逃げた男ともども追い掛け
て射殺し、さらには生まれた赤子にまで手を掛けようとするも、そこだけは家臣の取り
なしでどうにか命までは奪わずに。その後、兄と妹が互いにそれと知らず恋に落ちる
と、父親はわけを話すことなく、ただただ力尽くで別れさせようとする。何なら女の方
は殺してもよいとまで。
さらに半七ら活躍でことが露見しそうになると、とうとう男の方つまり跡継ぎである
長男をも殺してしまって構わないと言い出す。現代の基準に照らすと無茶苦茶なのは言
うまでもありませんが、当時はこれがさもありなんレベルだったのか?
ミステリ的には極めて薄味だったけれども、唯一、サブタイトルに工夫が見られたか
な。「矢がすりの女」と言われたらとりあえず着物の柄かなと思ってた。ここでの矢が
すりは、半七の知り合いの女性が経営する的当て屋――矢場のことだった。矢が的をか
すめるから矢がすりなのかしらん?
ではでは。
#3542/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/05 16:46 ( 35)
この作品のファンをDOPE民と呼ぶかどうかは知らない 永山
★内容
TBS系で放送のドラマ「DOPE麻薬取締部特捜課」初回を録画視聴。ネタバレ注
意です。
“観てみようかな”リストには入っていなかったのですが、前シーズンの同じ枠「イ
グナイト」を毎週録画設定していた名残で、勝手に予約されており、折角なので観てみ
ました。
シンプルな麻薬取り締まり物を予想していたら、まさかのSF設定・異能力バトルと
は。少年漫画などで人気を博した設定だと思いますが、この第一話は掴みにちょっと失
敗したんじゃないかと感じました。
まず、異能力バトルのシーンがあんまり面白くない。主人公の新人が初めて出た現場
にいたのは、火を繰り出せるドーパー(DOPE服用によって能力が発現した者)でし
たが、
能力の使い方がなってない。(^^; 拳銃を持った立てこもり犯とほぼ変わりがなかっ
た。火を使えるのであれば、まず防御兼目隠しになる火の壁を自分の周囲に作って、そ
こから外へ向けて火をぶつけていけばいいんじゃないの? 能力を使いすぎるとオー
バーヒートを起こして一時的に止まるようだけど、拳銃と同じ使い方をするよりはまし
でしょう。
二つ目に、特捜課の異能力者達とドーパーは同じ要因で能力を得たのか、まったくの
別物なのかがはっきり示されなかった。中盤辺りでどうやら別物っぽいと判断できるけ
ど、確定じゃない。何にせよ、現実にない設定をするからには、なるべく早い段階で視
聴者に明示するべきだと思う。
三つ目、能力の使用条件や制限も明示されていない。たとえば主人公の未来予知、常
に発動しているのではないことは分かるけれども、ではどういう条件で未来を知ること
ができるのか、最大でどのくらい前の時点で察知できるのか。よくある、自らの身に危
険が迫ったとき、というのではないみたい。解雇通知も察知していなかったし(笑)。
別の特捜課員は地獄耳の持ち主ってことだけど、否応なしに常に聞こえてしまうらし
く、家族の声が聞こえてきて苦労していた。
他に特段気になった点としては、警察と特捜課の仲の悪さ。警察が、「ドーパー相手
に、特捜課の力を借りなくても自分達だけで対処できる」と啖呵を切れる理由が分から
ん。遠くから射殺すればいいとでも考えてるんだろうか。
あと、登場した特捜課員のうちニコラスだけ、能力が明らかにされなかったけれど、
治療系の可能性はあるのかな。初回でいきなり死んだ山口審議官が、後々ひょっこり出
て来るとか? あるいは山口審議官自身が異能力の持ち主で、時間が経てば自己再生す
るとかだったりして。
ではでは。
#3543/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab ) 25/07/05 20:02 ( 25)
感想>「リング」(高橋克典版) 朝霧三郎
★内容 25/07/05 20:45 修正 第2版
横溝正史賞に今書いているのを出そうかと思ったのですが、
傾向と対策を調べてみると、
横溝正史賞は70%ぐらいがホラーで残りが本格ミステリーみたいな感じで、
広義のミステリーは入る余地がないらしいと分かって。
それで今書いているのは松本清張賞にでも回すかと思ったのですが。
何でも、松本清張賞の方は、女性を主人公にした作品が受けるというので、
たまたま書いているのがそうなのでちょうどいいと思ったのですが。
で、横溝正史賞向けにホラーでも、と思ったのですが。
ホラーなんて見た事も聞いた事もないし。
せいぜい、キング原作の映画ぐらいで。(「キャリー」とか「シャイニング」とか)。
たまたまyoutubeで高橋克典版「リング」があったので見てみたのですが。
全く怖くないんですね。
まあ、全くグロ耐性がないので、ちょっとしたグロシーンでも、気持ちわりーな、
とは思ったのですが。
それでもホラーを書くか。
ではまた。
やっぱり、筋立てがよくないのかも。
高山(原田芳雄)という研究者が何でも知っていて、
高山の言う通りに何でも分かっちゃうというのが、
サスペンスも何もなくて。
だから結局怖くないのかも知れない。
#3544/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/06 17:07 ( 27)
入れ替わりと身代わりと 永山
★内容
J:COMBSで放送のドラマ「半七捕物帳」第四話『大坂屋花鳥』を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
何はさておき、今回一番びっくりしたのは、比較的若い頃の天本英世の演技を見られ
た――と思っていたら、「仮面ライダー」の死神博士の頃よりも、本作の方があとの作
品だという事実。(^^; 死神博士に凄く高齢のイメージを持っていましたが、演じた当
時、天本は四十六ぐらい、「半七捕物帳」はその七年後でした。そもそも、今回登場し
た天本は飲んだくれのろくでなし素浪人という役どころでしたが、観ていてすぐには天
本と気付かなかったのですが。
内容の方は、これまでで一番ミステリっぽいかな。といってもトリックそのものはシ
ンプル。謎として、「島抜けした女が問屋の若女将に収まって盗みや旦那殺しをたので
は?との容疑が浮上するも、その若女将が嫁に来た時期、女はまだ島にいたというアリ
バイがあった」が提示され、その答が「よく似た生き別れの妹がいて、嫁入りしたのは
妹の方。島抜けした女が妹を脅して協力させ、盗みをさせたがばれて、旦那を殺した」
ってのが答。今まで何らかの形で手掛かりやヒントが示されていたように思いましが、
今回はなかったような。逆に、この状況なら双子トリックしかないだろうという描き方
だったように思います。
で、一番悪いのが上に書いた天本演じる素浪人。姉妹の父親だけど、子供が老いた親
を助けるのは当たり前だという理屈で、盗みをやらせて自身は飲んだくれている。娘ら
が追い詰められても助ける気皆無だし。ま、最終的に獄門となるのですが。
ストーリーそのものは面白かったのですが、解せない点が一つ。旦那殺しの直後、若
女将(に分した姉)が気が触れたような様子で夜の雨の中さまよい出て、川に身投げし
て行方知れずになり、どんな泳ぎの名人でも助からないと状況説明される。しかもその
後、女の土左衛門が上がり、着物は若女将の物と一致。ところが姉妹は二人とも生きて
いたので、水死体は別人なのですが、そこについての解説が一切ありませんでした。原
作にはあるのかしらん?
ではでは。
#3545/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/07 19:50 ( 39)
何故か横行する 永山
★内容
「日本にエイプリルフールの風習が入って来たのは大正時代」は本当?>
上の通りなのですが、ポイントサイトのクイズの“正解”に疑問を持ちまして、ネッ
ト検索してみました。
上位に並ぶ結果は、判で押したように「大正時代」。
それはまあいいんです。
問題なのは、「大正時代」とあるだけで、具体的に何年なのかは記されておらず、そ
れどころか根拠となる文献一つ示されていません。約八十の検索結果(PCの履歴から
算出)を当たってみましたが、どれもこれも文献の提示がない。何で?
ただ、この検索した時点で、「大正時代にはエイプリルフールの風習が日本に伝わっ
ていた」ことだけは確実に言えました。
横溝正史のデビュー作となった短編ミステリ「恐ろしき四月馬鹿」、これが世に発表
されたのが雑誌『新青年』大正十年(一九二一年)四月号なのです。つまり大正十年に
は、日本に四月馬鹿(エイプリルフール)が間違いなく入って来ていたと言えます。
で、思い付いたのが、“明治”と“雑誌”と“エイプリルフール”とで検索を掛ける
こと。
すると、まずヒットしたのが、「新少女」という雑誌。明治ではないのですが、大正
五年(一九一六年)四月発行の同誌第二巻四号に、「エイプリルフール」と題する西洋
の文化・逸話を紹介する記事が載ったようです。
その後も、一つずつ見ていくとまたありました。明治時代の雑誌「家庭雑誌」明治三
十八年四月二日発行の第三巻第四号に、“欧州の奇風習エイプリルフール”と題する記
事が載ったようです。これが確かであれば、「少なくとも明治三十八年には、日本にエ
イプリルフールの風習が伝わっていた」と言えます。よし、勝った。(^^; ナニニ?
さらに調べていくと、とあるサイトで、「明治二十年頃、新聞紙上でエイプリルフー
ルの風習が紹介された」という旨の記述が。こちらは残念ながら、新聞名や年月日など
の詳しい情報はなし。サイトの大元?に参考文献等が大量に記載されているのですが、
どれに当たっていいのか分からん。(^^;
こうなってくると、江戸時代に入ってきていた可能性はないか、調べたくなります。
画、さすがに難しいようで、検索した程度では見付かりません。オランダ商人は誰も言
い出さなかったのか? 真面目か!?(^^)
とはいえ、検索して見付からないから、ないと言い切れるかどうかは微妙なところ。
「エイプリルフール転じて“栄包法螺《えいぽうほら》”と称し、同志が一所に集ま
り、嘘をつきあって楽しむ会が毎年四月一日に催された」なんてことがあれば面白いの
ですけどね。
ではでは。
#3546/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/08 17:59 ( 30)
“愉快痛快” 永山
★内容
WOWOWのドラマ「怪物」初回無料放送を録画視聴。ネタバレ注意です。
韓国の同名ドラマのリメイクで、全部で十話とのこと。WOWOWのドラマで全十話
というのは異例の長さで、それだけ力が入っているのか、あるいはそもそものボリュー
ムがでかいのか。調べてみたら、オリジナルの韓国版は全十六話となっていました。ボ
リュームがあるのは間違いないでしょう。
初回は通常、人物紹介と状況説明に費やすものだから、分かり易さを基本とすると思
うのですが、本作はちょっと分かりづらい構成になっていた。時間軸が二十五年前や八
ヶ月前に飛ぶのはちゃんとテロップを出してくれるのに、冒頭の場面については何ら説
明なしに、その後もストーリーが展開されるから時間的に続いているものだと思ってい
たら、カットバック的なシーンだった。まあ、少し観続ければ、「冒頭で見付かった白
骨死体に関して、まったく言及がないのは何でだ?」と疑問に感じて、あれは時間的に
連続していないんだなと推測できるようにはなっていますが、やはり初回としてはやや
不親切かな。
興味深い映像で視聴者を惹きつけたいのであれば、白骨死体よりも、切断された十本
の指が屋外のテーブルに置かれていたシーンの方がインパクトあると思うし。となる
と、白骨死体が露出する場面には、何らかの強い意味合いがあると見なすべきなのかし
らん。
他には、登場人物それぞれに関する情報が小出しになっていて、各人のおおよそのキ
ャラを把握するまでに時間を要する。こちらの方は小出しにするのが、人物紹介をス
トーリーに溶け込ませるという意味ではうまいやり方なんでしょうけれども、それにし
ても数が多かった。もうちょっとすっきり、あっさりしてほしかった。
物語の大枠としては、過去(二十五年前)の未解決事件と似通った手口の犯行が連続
して起きている、という割とよくあるタイプ。凝っているのが、主役であろう刑事の設
定。かつて有力容疑者として逮捕されながらも証拠不十分で釈放され、その後刑事にな
っている。しかも被害者の一人で今も行方不明である女性の双子の兄。日本の警察が、
証拠不十分で釈放されたとは言え一度は容疑者と見なした男が刑事になるのはまだし
も、事件の捜査そのものに関わるをよしとするのかどうか。そこを気にしなければ、な
かなか引き込まれる展開でした。
ではでは。
#3547/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/09 17:11 ( 21)
半七+半七で七 永山
★内容
J:COMBSで放送のドラマ「半七捕物帳」第五話『人情廻り燈篭』を録画視聴。
ネタバレ注意です。
ミステリ的には特記するような事柄はなかったように思います。人情物というか恋愛
物というか、仕事と恋人どっちをとるかみたいな話でした。
今回に限らず、江戸の情緒や文化などの描写がそれらしくて興味深い。十手持ちがへ
まをやらかすと、同心の責任問題になるのね。十手持ち同士は、キャリアの差があって
も同格なのか、若いのが半七と互いに呼び捨てで会話していたのも面白い。
続いて第六話『河豚太鼓』を録画視聴。ネタバレ注意です。
第五話と比較すれば、かなりミステリとして結構がそれなりに凝っていた。今まで観
てきた本ドラマのエピソードの中では、複雑な方。
観ている方は、いつものようにシンプルな展開なんだろうなと油断しています(^^;か
ら、簡単に引っ掛かってしまった。最有力容疑者が犯人じゃなかった、けれども善人で
もなく……という話の転がし方は、色々と応用が利きそう。
一つだけ、うん?と感じたのは、筆跡を証拠とするくだり。もちろん、科学的な鑑定
なんてない時代ですから、ぱっと見の似ている・似ていないで判断するしかないのはし
ょうがないのですが、読み書きのできない者が字を見て、「あいつの字に似ている」な
んて判定ができるものなのかしらん? 読み書きはできないけど、字の特徴はしっかり
捉えることができる、というのはなかなか難しいような。
ではでは。
#3548/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/10 17:02 ( 25)
ラストマンにはまだ早い 永山
★内容
フジテレビ系で放送のドラマ「最後の鑑定人」初回十五分拡大を録画視聴。ネタバレ
注意です。
タイトルや粗筋は好みの範疇で大いに期待できる上に、主題歌を唱うアーティストは
父がファンの矢沢永吉と来れば、見ないわけにはいかない。(^^)
と、期待を大きくしすぎたか、ちょっとがっかり。ジャンルにせよテーマにせよキャ
ラクターにせよ、既存の同系統作品との違いがいまいち見えてこないし、枠を十五分拡
大した弊害か、冗長に感じられるシーンがいくつかありました。
藤木直人演じる土門は民間の鑑定人で、「土門に鑑定できなければ誰にも鑑定できな
い」とまで言われた人物……という設定であれば、当然、ドラマ初回ってこともあり、
「ほう、なるほど!」と言わせるような冴えを披露するのを視聴者としては期待するも
んじゃないでしょうか? ところが描かれたのは、これまでにもよく知られた技法ばか
り。特段凄い!と唸らされるようなものはなかったと思います。いみじくも土門の台詞
に「ミスと言ってもいい」とあったように、骨から何も分からなかったなんてのは科捜
研のミスというか、多忙故のやむを得ない手抜きだった、それだけのことなんじゃない
かなあ。複顔を一切やっていないというのも不思議だし、骨以外では防犯カメラ映像の
補正をしていなかったのも同様。要は、警察の組織や人員の問題であって、“最後の鑑
定人”が出て来なくても、同じような鑑定は可能だったでしょって感じたです。初回で
これは、期待値を大きく下回った要因と言えます。
一方で、ポテンシャルも感じました。極論すれば、“最後の鑑定人”ぶりを発揮して
くれさえすればいい。内容自体は悪くなかったのだから。主人公の凄さや最新技術の進
歩ぶりを示すエピソードを何回か重ねたあと、現状の警察捜査の問題点を浮き彫りにす
る話として、この初回のような話を配置すれば充分に見られるものになったはず。
てことで、とりあえずは目新しさが加わることを期待して、次回も視聴。
ではでは。
#3549/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/11 17:06 ( 27)
変な展開 永山
★内容
J:COMBSで放送のドラマ「半七捕物帳」第七話『唐人飴』を録画視聴。ネタバ
レ注意です。
うーん? 何か評価が難しいな。「一昨年、昨年そして今年と、切り落とされた片腕
が見付かる」という出だしは、猟奇さもあってなかなかいいと思ったのですが、続く構
成がいまいちすっきりしない。
まず、過去に起きた二件の腕切り落としは現在進行形の事件とは無関係で、かつ未解
決のまま終わった。何それ。てことは一番新しい事件の犯人が、過去の件を真似たのか
と思いきや、そういうこともなし。仮説の一つとしてすら出て来ない。
それから、この発端で、ストーリーは何故か女性の同性愛が主軸となる。バランスが
よくないような。あ、切り落とされた腕というのはいずれも男の物です。
次に、現在進行形の事件の被害者は死んでなくて、ある場所に押し込まれているので
すが、切断されてから何日も経っているのに、碌な治療も受けられずによく助かったな
と。
さらにその隠し場所(押し込まれていた場所)に気付かれた可能性が大にもかかわら
ず、犯人は被害者を移動させることなく、そのままにしており、後日踏み込んできた半
七らによってあっさり発見され、悪事を暴かれる。何してたん? ^^;
腕を切られた男の弟が、犯人の当たりを付けるまではいいとして、その後、兄を取り
返すために犯人を襲って、片腕を切り落とすという展開には目が点になりました。なん
つーか、ならず者集団同市の抗争みたい。実際は、片方はならず者ですが、もう片方は
一応真っ当な役者。
半七が手掛かりを得るくだりも偶然の作用が目立ったし、推理物として雰囲気はよい
のですが、道行きがよくなかったかな。
いくら何でもこれはなあと感じたので、原作を青空文庫で当たってみたところ、輪を
掛けて分かりにくい話だった。(^^; 与えられた分量では足りなかったのか、駆け足で
まとめた感がありありと。
ではでは。
#3550/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/12 17:42 ( 28)
江戸時代に飼えるかどうか知らんけど(^^; 永山
★内容
J:COMBSで放送のドラマ「半七捕物帳」第八話『怪談津国屋』を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
サブタイトル通り、怪談仕立てのストーリー。身投げした若い女の幽霊が出たり、人
魂が出たり、ろうそくがいきなり倒れて小火になったりとそれらしいネタを盛り込んで
いて、まずまず面白い。当時なら、霊の存在を信じる人の割合も高かっただろうから、
大の大人らが怖がってもさほど不自然じゃないし。種明かしの段になると、やや子供だ
まし感が出てしまうのは仕方がないか。それでもろうそくのトリックは、単純だけど効
果的だと思ったです。
幽霊に化けた女と首謀者の女が揃って闇夜に消えていく場面、ここが一番不可思議で
どうやったのか分からなかったのだけど、これについての説明はなし。壕を、丸太に乗
ってすーっと移動している感じ、ただし手は動かしていない……となると、水面下に仲
間がいて、目撃者からは見えないように引っ張っていたとしか。(^^;
犯人グループが思った以上の大人数で、仮にうまく行ったとしても分け前少なそう。
軽業師崩れとのことですが、長細い手裏剣を使う様は、まるで忍者でした。逃げた仲間
を半七らの目の前で、手裏剣で処分しちゃうのは、現代ドラマにもよくあるシーン(もち
ろん手裏剣じゃなく銃ですが)を取り入れたのかな。
続いて同じく第九話「蟹のお角」は、完全に人情話。推理物としてみるべきところは
なかったように思います。巾着切り=スリを描いてはいましたけど。
元スリのお角が、夫でやはりスリの共犯者だった巳之吉が真っ当な暮らしを歩もうと
する網膜行かず、巳之吉の方がお角に隠してスリに逆戻りしている、という設定。巳之
吉は新たな共犯者として、別の女を家に連れてきてお角の留守中に技を仕込んでいる。
そのことにお角が気付く流れが、もっと面白くできたんじゃないか、つまりミステリと
しての趣向を凝らせたと思います。というのも作中、お角は文鳥を飼っているのです
が、これをオウムや九官鳥の類にし、巳之吉が教え込む声を覚えて喋るようになる……
てな具合に。
ではでは。
#3551/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/13 17:29 ( 21)
耳とか歩容とか 永山
★内容
テレビ朝日系で放送のドラマ「大追跡〜警視庁SSBC強行犯係」初回十分拡大を公
式配信で視聴。ネタバレ注意です。
とりあえず観てみる予定の脳内リストに入れていたのに、タイトルがうろ覚えだった
ため、「大追跡」って芸能人がかくれんぼするあれかと思い、本放送時はスルーしてし
まいました。(^^;
捜査一課がSSBCを見下す構図が提示されましたけど、世間一般の感覚では、多
分、何でここまで見下せるのか理解しがたい人が大半なんじゃないかな。税金使ってい
るんだし、協力して最高の形で結果を出してくれよんてなもんで。まあ、今回のエピ
ソード中に、マスコミが捜査一課長に「事件の早期解決はSSBCのおかげじゃない
か」みたいなことを尋ねる場面があったので、その辺の手柄争いや世間の露出度で、捜
査一課が面白くないと感じていることを表したいんでしょうけど。
SSBCの手法の一部――防犯カメラに映った人の耳で同一人物か否かの判定をする
――は、これこそ(他局のドラマですが)「最後の鑑定人」で扱うべきネタじゃないか
と感じられた。もちろん、現実的に警察がこの手の科学捜査をやっているのだから、民
間である最後の鑑定人だけが用いる技法とは言えないのですが。最先端を行く感じは、
「最後の鑑定人」にもほしい要素だと。
論点がずれましたが……本ドラマでSSBCが示した手法は、知っている人には珍し
くないでしょうが、ドラマなどではまだまだ馴染みのない物だろうということで、一定
の効果を上げるのに貢献したと思います。
ではでは。
#3552/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/14 17:38 ( 22)
割とそのまんま 永山
★内容
WOWOWのドラマ「殺した夫が帰ってきました」第一話無料放送を録画視聴。ネタ
バレ注意です。原作は桜井美奈による同名小説で、未読。
タイトルそのまんまのストーリーが繰り広げられました。DV夫の暴力に耐えかねた
妻・茉菜が夫を崖に突き落として殺害。五年後、アパレルメーカーでデザイナーとして
勤める茉菜は、取引先の男に仕事外でつきまとわれて、迷惑を被っていた。男は茉菜の
住むマンションにまで現れ、いよいよ実力行使に出ようとしたとき、夫が現れて止めに
入ってくれた。男が退散したあと、驚く茉菜に夫は「記憶喪失になっていた。事故に遭
ったらしい」という。確かに殺したはずなのに……。
夫は、茉菜が丁寧語を使い続けることに違和感を覚えたのか、訳を聞く。茉菜が、記
憶喪失になる前の夫が暴力をふるっていたことを告げると、夫は心を入れ替えると約束
し、その言葉の通り、“よい夫”として振る舞うようになる。
――こんな感じで、かなりテンポよく進みました。その一方で、夫がどこでどう暮ら
していたのか、病院にいたのならその世話や治療費はどうしたのか、ニュースにならな
かったのは何故かといった疑問点には全然触れなかったため、非常に気になった。茉菜
の側にしても、夫が五年も不在だったら周囲の人に不審に思われるのが普通だろうに、
そのようなことの言及は一切なし。
ポイントとしてとりあえず、夫は本当のことを語っているのか否か?ですね。あと、
基本的に茉菜の視点で描かれているのですが、時々解釈の難しい表情を見せているのも
注目すべきか。原作が小説ということもありますし、叙述トリックが仕掛けられていそ
うな予感がしてきましたが、果たして。
ではでは。
#3553/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/15 17:12 ( 21)
はまらない 永山
★内容
TBS系で放送のドラマ「DOPE麻薬取締部特捜課」第二回を録画視聴。ネタバレ
注意です。
うーん、やっぱり好みからはズレているなあ。広義のミステリに含まれる捜査物・刑
事物だし、異能力バトルも基本的には好きなんですけど、それをただ合わせただけでは
好みの物になるとは限らない。
今回のドーパーは高速移動できる能力を身に付けた、医大受験を何度も失敗している
浪人生でした。って、その能力を身に付けたのなら、試験中に高速移動してカンニング
し放題な気がする。(^^; 立て籠もりにしても能力の使い方が下手で、やられるべくし
てやられた感がありありと。飛び道具を手に入れたなら、高速移動しながら使えば効果
的だろうに、何故か移動したあと立ち止まってから使ってる。
捜査側も、現場で、「俺の能力、鼻」って声に出すなんて、愚挙の極み。案の定、犯
人に対処されて能力が役立たなくなった。
あと、今回のドーパー、当初は高速移動ではなく瞬間移動能力の持ち主だと思われて
いたんですけど、その割には警察サイドの緊張感がなかったな。瞬間移動ってことは、
どこにでも一瞬で行ける、つまりいきなり“相手の体内に飛び込む”ことができるかも
しれない訳で、そうなったら即死は間違いない、やばい!って警戒するのが当然だと
常々思ってます。(^^)
伏線らしき気になる要素をぽつんぽつんと配置しているのは明らかなんですけど、次
からはもう観ないかもしれない。各話の出来がよくない。
ではでは。
#3554/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/16 20:04 ( 25)
カルテつながり 永山
★内容
TBS系で放送のドラマ「19番目のカルテ」初回十六分拡大を録画視聴。ネタバレ
注意です。
総合診療科の医師を主人公にして、その科の新設・存続をテーマに据えたという点で
は、前の期にテレビ朝日系で放送のされたドラマ「天久鷹央の推理カルテ」と同じと見
なしていいんでしょうね。流行り? 全国規模で総合診療科の必要性が叫ばれていると
かあるのかしらん?
で、この手の話を見ていて、視聴者の何割かが持つであろう疑問――いくら診察して
も分からなかった病名を、主人公がずばりと診断したけれども、そもそも他の医者達は
分からないものなの?――に関しては、やはり解消されない感じ。今回、メインだった
線維筋痛症をざっと検索して調べてみたら、それなりに知られている病気みたいだし、
X旧Twitterで検索したら、番組途中で当たりを付けた視聴者が結構いた模様。
原作の漫画が描かれたのは五年ぐらい前のようですが、この五年間で線維筋痛症を取り
巻く状況が劇的に変化したということもなさそう。
もちろん、この病気の性質上、他の可能性すべてを除外できてから初めてこれだと診
断をくだせるみたいなので、現実問題として某かの専門医が個人で「うちで分からなか
ったから、あなたは線維筋痛症」とは軽々に言えないんでしょう(本ドラマでも、手間
と経費が掛かるという台詞があった)けど、それにしたって、「線維筋痛症の可能性を
考慮する」くらいの申し送りをしてもいいんじゃないかと。
と、上述の引っ掛かりを横におけば、総体的に面白く観られました。型にはまった定
番の王道展開と、ちょっといい感じの台詞が相乗効果をもたらしている。今回はまだま
だでしたが、いずれ感涙もののエピソードが来そう。
関係ないけど主役の松本潤が、片桐仁に似てきたような。(^^; 「99.9―刑事専
門弁護士―」での共演のせいかも(笑)。
ではでは。
#3555/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/17 14:49 ( 32)
凜凛しい 永山
★内容
テレビ朝日系で放送のドラマ「大追跡〜警視庁SSBC強行犯係」第二回を録画視
聴。ネタバレ注意です。
ストーリーの道行きはいたってシンプル。途中、いくつか軽い捻りがありました(爆
弾の在処について)が、それらはいずれも分かり易く演出されていたこともあって、視
聴者が充分予想できる範囲内にあったと思います。実際、私も気付いたし。
というわけで、驚きや意外性は乏しい話でしたが、その分を捜査一課のSSBCに対
する態度のコミカルさ等でカバーし、面白く仕立てていた。さらに、マスコミの一人
(若い女性記者)が警察に無断で撮影した映像が報じられることにより、犯人を説得す
る流れに間接的につながっているのはよくできていると感心。
あと、自転車の前籠に時限爆弾を入れて、がたがた揺らしながら運んでも大丈夫なも
のなのか、気になりましたが、どうなんでしょう? 衝撃で爆発する可能性だけでな
く、コードが抜けて機能しなくなる可能性も結構ありそうな。
主人公の一人、名波凛太郎について。まず、名前の漢字「凛」ですが、公式サイトを
見ると示の凛であり、禾の凜ではないと。となるとちょっと問題が。示の方の「凛」は
二〇〇四年から人名に使えるようになったので、普通に考えると名波は二十一歳以下と
なりますが、大卒で一般商社に入ったあと警察に転じてきたという経歴からして、二十
一歳ではさすがに無理。公式サイトのキャラ紹介にも、「40歳を前に転職を考え」と
ありますし。ま、改名したことにすれば済む話……と思ったけど、前の名前が禾の凜太
郎だったとしたら、こちらの「凜」が人名に使えるようになったのは一九九〇年以降と
のことですから、どんなに歳を食っていても三十五歳となり、これはこれで「40歳を
前に転職を考え」云々との整合性が少々苦しい。まったく異なる名前、もしくはまった
く異なる漢字の“りんたろう”から今の名前に変えたのかしらん? ^^; あるいはひょ
っとして、SSBCの内部調査をするために派遣されたものであり、“凛太郎”は偽名
という可能性も?
もう一点、初回からぼんやり感じていたことですが、名波の存在というか扱いが、内
田康夫によるミステリの主人公・浅見光彦を想起させる。光彦は警察庁長官の弟という
立場を積極的に利用しようとはせず、否応なしに周りに気を遣われるというパターンで
あるのに対し、名波は官房長官の甥という立場をここぞという場面でちらつかせて周り
の者を動かしている。この対比構図が意図的なものかどうか、制作サイドに聞いてみた
い。
ではでは。
#3556/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/18 19:22 ( 26)
二度あることは三度ない 永山
★内容
WOWOWのドラマ「怪物」第二回無料放送を録画視聴。ネタバレ注意です。
WOWOWのドラマで第二話も無料というのもまた珍しい(次からは有料)。全十回
だからなんでしょうけど、特別感があるな。
ただ、作品に対する好みを言えば、第一話に比べると若干失速しました。
何名かの登場人物をたいした台詞なしに長く映す、思わせぶりなカットが多い、多過
ぎます。視聴者が抱く「こいつが犯人か?」という感情を煽り、怪しく見せる効果を狙
ってのものだと思いますが、いささか陳腐な印象がある。それに、尺稼ぎをしているよ
うにも映る。そもそもこの手法、犯人に対しての演出ならいいけれども、それ以外の人
物に用いると、すべて判明したあとで、「じゃあ、あれ(犯人ではないのに怪しい仕種
をした)は何だったの?」となるケースが多いと思います。本ドラマでは、その問題点
が解消されるのかどうか、注意して見ていくことにします。
J:COMBSで放送のドラマ「半七捕物帳」第十話〜第十三話までを録画視聴した
ので、簡単に雑感を。一応、ネタバレ注意です。
第十話『張子の虎』は、事件現場に張り子の虎が置かれていたということで、ダイイ
ングメッセージ的なやつを期待したのですが、違った。(^^;
第十一話『お化け半鐘』は火事が起きていないのに半鐘が鳴らされ、駆け付けてみる
と誰もいない。この短時間で半鐘を鳴らした高所から降りて姿をくらますなんて、人間
にできるとは考えられない。幽霊が鳴らしたのか?という怪談仕立て。有名な外国短編
のトリックを巧みに取り入れた意外な真相。
第十二話『帯取りの池』は、水面に浮かぶ帯のイメージが第四話『大坂屋花鳥』に何
となく被る。心中し損なった男の行動がやや解せない。
第十三話『チャルゴロを聴く女』は、男女の仲、特に女心は計り難しといった印象。
てことで、第十一話が今のところベストかな。
ではでは。
#3557/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/19 17:37 ( 19)
下げて上げる 永山
★内容
フジテレビ系で放送のドラマ「最後の鑑定人」第二回を録画視聴。ネタバレ注意で
す。
初回よりはよくなったと思う反面、問題点もあるかと。
主人公・土門による科学鑑定の醍醐味はたっぷりあったと思うし、前回物足りなかっ
た目新しさの点においても、いい線を行ったと感じました。鑑定の様をじっくり描い
て、複雑な真相を閃きではなく、事実の積み重ねで導き出したとのが分かる。
ただ、この経過や面白さは、作中の警察・検察の怠慢によるところが大きいように見
えた、というかそう見えるように描いているのだと思うんだけど。少なくとも、作中の
検察が答を決め付けたいい加減な捜査をしていることだけは確か。
たとえば、薬莢を調べないのは意図的な物証外しだし、容疑者が一時的に現場を離れ
たあとどこへ行って何をしていたのか、周辺の防犯カメラに当たって突き止めるべきな
のに、まったくしていない(もしくはしていたが、想定した答にそぐわない不都合な真
実だったので、証拠採用しなかった)。あり得ない怠慢ぶりです。逆に言えば、警察・
検察が普通に捜査して、証拠を鑑定に回していれば、土門の活躍する余地はなかったと
さえ言えそう。そこが作品として大きな問題じゃないかと。このドラマに限ったことじ
ゃなく、“名探偵”の名探偵ぶりを示すために、警察の能力を現実離れした著しく低い
ものとして描くのは、作り手の逃げだと思う次第。
ではでは。
#3558/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/20 17:36 ( 23)
Who are “YOU”? 永山
★内容
前のスカパー!開放で見たヒストリーチャンネルにて、兵馬俑のことを取り上げてい
た番組Aがありました。発見から現代に至る兵馬俑そのものについての経緯は、これま
でに見聞きしたことと大差なく、合っていると思うのですが、第一発見者(の一人)楊
志発に関する話に大きな違いが。
番組Aでは、井戸を掘るつもりで土地を掘り返していたら兵馬俑が出て来て、それを
正直に当局へ届けたところ、土地も含めてすべて取り上げられ、その後も身内に裏切ら
れるなど次々に不幸に見舞われ、一九九〇年代ついには自殺した……と述べられていた
のですが、本当?
今までに他の番組B(二〇〇〇年以降)等で見聞きしたのは、当局に届けていい加減
な扱いをされ、いい目に合わなかったのは確かだけど、第一発見者を称する偽者が現れ
てから、周囲の勧めもあって当人が名乗り出て、今も現地で第一発見者として案内役み
たいなことをしているという話だったような。もちろん、第一発見者当人も映像に登場
して、元気そうだった。
まさか年代間違いで、二〇〇〇年代に入って以降、自殺したなんてことはあるまいな
と調べてみると、やはりそのようなことは確認されず。では第一発見者を名乗っていた
偽者が自殺したのかとも考え、同様に検索してみましたが、これまた空振り。そもそ
も、番組Aで自殺した人の名前は楊志発とされていたので、偽者ではないと言えるでし
ょうし。
こうなると、番組Aの内容が間違っていたと思えるのですが、訂正されたという話は
見付からず。せめて、「兵馬俑第一発見者が自殺」という誤報が流れた痕跡でもないか
と調べるも、これまたなし。何でこうなったんだろ?
ではでは。
#3559/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/21 16:30 ( 20)
半ばの“自白”はフェイクか否か 永山
★内容
WOWOWのドラマ「殺した夫が帰ってきました」第二話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
主人公・茉菜の唯一の親友という女性(仮にAとします)が、過去の映像として登
場。その女性Aは名前がまだ出て来ていない、茉菜の夫・和希はAの話を茉菜から聞く
と表情が微妙に変化した。そして今回のラストで、山林の降り積もった落ち葉から骸骨
が露出するシーン――これらから想像を膨らませるに、Aはすでに死亡しているのでは
ないかいな。その死には、茉菜と茉菜の夫のどちらかが、あるいは二人とも関わってい
るという可能性が高そう。
ありがちでよければ、そもそも和希は茉菜の夫ではなく、Aと夫婦関係にあった、と
か。そして茉菜がAと入れ替わるために、Aそして和希を殺害したと。和希はかろうじ
て組成したが記憶が断片的であり、茉菜に対しても妻なのかどうか分からないでいる…
…。
そんな風に予想し、当たらずとも遠からずだろうと思っていたのですが、予告映像を
観て、うん?となったです。というのも、茉菜が「真相をすべてお話しします」みたい
な感じで話している場面があったのです。一回が三十分足らずの全六話のストーリーに
て、三話目で真相を打ち明けるような展開って、早過ぎないか。嘘の自白シーンだとし
たら、上述の私の想像は、作者の思惑にものの見事に引っ掛かった可能性が強いかも。
(^^;
ではでは。
#3560/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/22 19:34 ( 25)
展開予想 永山
★内容
WOWOWのドラマ「怪物」第三回放送を録画視聴。ネタバレ注意です。
まだ先は長いので佳境に入ったとは言えないんでしょうけれど、面白さが増している
感はあります。一方で、前回感想で記した、ほんとにその表情をする必然性はあるの
か?という懸念もまた増している。(^^; まあ、この心配は真相が明かされるまで判定
のしようがないのですが。
ストーリー展開というか構図としては、富樫と八代の両刑事による罠の仕掛け合いに
なってきたような? これでどちらも犯行とは無関係なんだとしたら、警察何やってん
だ?となりますが、果たして。
ここからは私の妄想的推理というか想像。八代は本気で富樫を疑っているのに対し、
富樫は過去の事件の犯人は年齢的に八代でないと分かっていることもあり、別の目的が
ある様子。それでいて八代を執拗に挑発するように見えるのは、八代と関係の深い人物
を引っ張り出すためではないか。具体的には、八代の父で警察庁次長の八代正義が、富
樫の真のターゲットなんじゃないかな。八代正義は過去の事件が発生したとき、地元警
察の署長だったのだから、距離的には近くにいた訳だし。ただ、当時の警察署長が何で
富樫の妹の失踪(恐らく死亡)に関わったのか、十指の切断は何のためかといった細部
はさっぱり分からん。(^^;
二十五年経った現在また犯行を始める理由なんて、さらにないし。別人の犯行で、そ
の正体を探らせるために息子を送り込んだというのなら分からないでもないけれど、息
子の八代は独断で動いているもんなあ。どちらかというと、父親が署長時代に解決でき
なかった事件を解決してやろうという野心?に満ちている印象。
富樫が八代正義に疑いの目を向けるきっかけも必要だけど、過去の事件で有力容疑者
として取り調べられた際に何かあったとか、刑事になったあと気付いたことがあったと
かで片付くかな。
ではでは。
#3561/3561 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/07/23 16:56 ( 25)
タイトルだけはコンゲーム映画を想起させる 永山
★内容
フジテレビ系で放送のドラマ「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」初回十五
分拡大を録画視聴。ネタバレ注意です。
漠然と想像していたよりもずっとコミカル。犯罪捜査物なのに緊迫感・緊張感が欠け
ている、と言っては言いすぎかもしれませんが、全体的に緩い。
捜査する側がコミカルなやり取りをするのはまだ許容できますが、犯罪者側の判断が
緩いのはちょっと気になります。主人公の一人、二階堂室長の台詞にあったように、犯
罪グループのトップは、乾が刑事だと気付いた時点で始末できるチャンスは何度かあっ
たのに、意識を失わせただけで、アジトまで連れて来る(結果、乾が持たされた偽造パ
スポートの発信機で場所特定)という警察を助けてやっているような振る舞い。発信機
の有無を徹底的にチェックするか、もしくは刑事を拉致するなんて真似はやめてさっさ
と逃亡すればよかったのに。となると、グループのトップはやはりやめたかったことに
なるのかな。警察にガサ入れさせることで組織を解散へと自然に導き、あとは逃げ切れ
ばよいと考えていたのか。
トップの正体については、意外さを狙ったものなんでしょう。けれども、ドラマの構
成を考慮に入れてメタ的に推測すれば、この正体は真っ先に浮かぶ人物であり、意外性
はなかった。
あと、このドラマだけではないかも知れませんが、初回にしてはエピソードが弱いよ
うな。おとり捜査のフォーマットは示せていたけれども、敵サイドがいまいち驚異に感
じられず。主人公らの捜査とは別件で内定が入っていたみたいだし、主人公らがいなく
てもいずれ解決できていたのでは?と思えてしまう。そういった部分も含めて、初回に
こそもっと力を注いでほしい。
もう一点、番組タイトルにある「検証」を示唆するシーンがなかった気がする。今後
どう描かれるのか、頭の片隅において視聴継続。
ではでは。