●連載 #1144の修正
★タイトルと名前
親文書
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
副題:何でドン・キホーテって、自由な気分にさせてくれるんだろう。 水戸光男は西川口駅で降りると、西口のロータリーに降り立った。 右回りに歩くと、何時も飯を食う一番街があった。 そもそも西川口という街自体、東京近郊にありながら、不謹慎な感じがして、 居て、気楽なのだ。 何が不謹慎かって、この一番街にも、ラーメン屋、中国料理店、焼肉店、 などに混じって、「整体サロン、アカスリ、リラクゼーション、泡泡、洗体」 とか、 「究極の癒し、メンズエステ、アロマの恋」 などという怪しげが看板を出している雑居ビルがあるのが不謹慎で、いい。 つい最近までは、外人がロレックスやヴィトンのコピーの腕時計やバッグを、 露店で売っていた。 又つい最近まで、NK流という通常は本番行為が違法である店舗で、本番行為を行う、 本サロ、マントルなどがあり、「西川口流」、略してNK流などと言われていた。 今はそういう表だった違法さはなくなった。 そうなると逆に、しっかりと外人は根を下ろしてくる気がする。 隣の蕨の芝園団地など、五十%は外国人だし。 そういうのは光男にとって微妙だった。 25年前、ストリップ劇場で本番まな板ショーに参加していた頃には、 ホリエモンや酒鬼薔薇が全く気にならなかった様に、 外人は全く気にならなかった。 しかし歳食ってくると、尊王攘夷みたいになってくる。 (職場で「諸君!」とか読んでいたあのじじいどもと同じ境地に自分がなるとは) と光男は思った。 大好きな一番街をスルーして、駅前通りを西へと歩いて行くと、 すぐにドン・キホーテが見えてきた。 (何でドン・キホーテって、自由な気分にさせてくれるんだろう。 そういえば、明子巡査が、表参道のブランドショップだと緊張して買えないけれども、 同じ商品がドン・キホーテなら気楽に買えると言っていた。何故だろう) と思いつつ店内に入る。 一階食品フロアでは何故か天狗印のビーフジャーキーだの モンスターエナジーなどが目に入る。 二階の、四千九百円のスーツやら、ホストが履きそうな先の尖った靴が置いてある コーナーをスルーして、 ヴィトンやエルメスがガラスショーケースに入っているブランド品の コーナーもスルーすると、 その奥に、TENGAコーナーとコスプレグッズコーナーが堂々とあって、 その奥に、そこだけ暗くなっていてアダルトグッズコーナーがあった。 丸で秘宝館にでも入る気分になって光男はそこに入って行った。 エリア全体が薄暗く、商品陳列棚には、 オナホール、電動オナホール、ローター、バイブ、などが並べられている。 棚に並んでいる、ディルド=勃起した男性器を模した張型、を眺めつつ歩いて行く。 「みちのくディルド」の前で光男は足を止めた。 超小型LEDスポットライトに浮かぶそれは、ディルドの定番で、 太さ直径4センチ、長さ19センチ、吸盤付きのものだ。 (さすがにでかいだろう。 血管までリアルに再現されているが、これだとでかすぎる) 光男は一歩足を進めて隣の棚を見る。 そこはアナルグッズコーナーでスティック型、ビーズ型、プラグ型、 例のアネロスもある。 それらの商品群が真っ暗闇の中に陳列されていているのだが、 真ん中に、5インチ程度の小さい液晶テレビがあって、 水着の女がディルドの使い心地を解説していた。 「これは、なんと8連のアナルビーズ、ラブファクターアナルビッグバン。 先端の小さいビーズは1センチ、根元の方のは2.8センチで、入門者向けかな。 入れる時には、アナルの収縮力で勝手にのみこんでいきまーす。 全部入ってから、ブリブリブリーっと引き抜かれる時が最高に気持ちいいの。 吸盤付きと、コックリング付きの2種類があります」 真っ暗なアナルグッズのパッケージに囲まれた小さな液晶テレビに映る ぴちぴちビッチ見ながら、(なんていい感じなんだろう)と光男は思った。 (これは、何かのタブーを犯す感じだ。 ところで、吸盤というのはどうやって使うんだろう。 風呂場の鏡にでも貼り付けて女が一人で使うのだろうか。 それとも野郎向け? 昔、女医の西川先生の診察室に、肛門にモップを突っ込んで抜けなくなったという トンデモ患者が現れて、「何でそんな事になっちゃったの?」と聞いたら、 「掃除していたら入った」と言った、という話があった。 あれは絶対にモップのブラシの方をベッドの柱にでもくくりつけておいて、 柄を肛門に挿入していたに違いない。 そうするとハンズフリーになるので両手で前をいじくれるから。 そういうニーズから、吸盤付きのディルドが開発されたのでは。 しかし俺の部屋のベッドの壁はタイルじゃないから、くっつかない) 光男は棚の商品を目で追って行った。 パッケージのラベルがLEDスポットライトに浮んでいる。 コックリング付きのアナルビーズを掴むと脇に抱えた。 それから隣に陳列してあった、「ペペ スペシャル バックドア」 というローションも抱えた。
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