●連載 #0695の修正
★タイトルと名前
親文書
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
それから一週間ぐらいした或る日曜日の夕方、 私しか居ない時に誰かが玄関のチャイムを鳴らした。 魚眼レンズから覗くと真面目そうな若い男が見えた。 「どなたですかぁ」 「聖書の言葉についてお伝えしている者なんですけど」 「そういうの、いいです」 「ほんの少しでいいんですけど」 「興味ありませんから」 と言ってからはっとして玄関を開けた。「エホバですか」 「それとはちょっと違うんですけど」 「なーんだ」 「どうしてです?」と男が言った。 「エホバって輸血しちゃいけないとか血を食べちゃいけないとかいうから なんでかなーと思って」 「私たちもそういう教えなんですよ」 「そうなんですか」 「ほら。ここに書いてあるでしょ」と言うと男は聖書を開いて見せた。 「偶像に汚されたものと、淫行と、絞め殺したものと、血とを避けなさい」 「ふーん。私、血と肉を一緒に食べたらいけない、とか、 牛乳と肉と一緒に食べたらいけないとか聞いた記憶があるんですけど」 「それはユダヤ教ですよ。ユダヤの教えでヤギを乳で煮てはいけない、 というのがあるんです。だからクリームシチューもダメ。 ステーキにバターをのせるのもダメ」 「親子丼はどうなんですかねえ。子持ちシシャモとか」 「それは分からないけれども、チーズバーガーはダメらしいですよ。 パンもベーグルらしいです」 「お兄さん達はチーズバーガー食べるんですか?」 「勿論」 「輸血はなんでダメなの?」 「目的にかなっていないからですよ」 「口の中切って血が出たらどうするんですか?」 「血がダメなわけじゃなくて目的にかなっていないのがダメなんですよ。 例えば牛乳だって元々は血から出来ていますよねえ。 でも目的にかなっているから摂ってもいいんです。 卵だって無精卵ならいいんですよ。有精卵だと雛になりますからね。 フィリピンの方に雛になりかけの卵をゆで卵にする料理がありますけれども、 ああいうのはダメですね」 という訳で、乳製品は血から出来ているからダメ、 プロティンもパンも乳製品を含むのでダメ、 卵は雛を連想するからダメになった。 この段階になると食べられるものの方が少ない感じ。 現状で食べられるものは、 あんこ チョコ ナンとかベーグル そば うどん しょうゆ 塩 煮た野菜 豆類。豆腐。湯葉。ゴマ豆腐。 つづく
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