●連載 #0686の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
夕食はカツカレーとポテトサラダとグリーンアスパラの上に カリカリベーコンをかけたもの。 ポテトサラダに入っているリンゴとバナナは美味しくない。 隣を見たらおじいちゃんが奥歯でアスパラをがりがり噛んでいた。 こめかみの浮き出た骨ががくがくしていて、 口の端からマヨネーズがもれてきている。 そこだけ老人ホームの様である。 私がじーっと見ても気が付かないでテレビのミュージックステーションの タモリを見ている。 「お母さん」と私は言った。お父さんはまだ帰ってこない。 「私、矯正したいんだけど」 「矯正?」 「ここのところね」と私は上唇をめくって前歯と犬歯の間を見せた。 「へこんでいるでしょ。ここなおしたいの」 「なんで又急に」 「急にじゃないよ」 「だって、そんな事言った事なかったじゃない」 「言った事はなかったけど前から考えていたの」 「お父さんに聞いてみないとね」 「それから」と私は言った。「私大学にも行きたいの」 「なんで又急に」 「前から考えていたの」と言いつつ、 昨日までは介護の専門学校だったんだよなあ、と思った。 テレビでパヒュームが歌いだした。ドリームファイター。 ベッドに入ってからも携帯で国公立医学部偏差値一覧を見ていた。 七〇 東京大学 京都大学 大阪大学 六九 千葉大学 名古屋大学 六八 北海道大学 東北大学 六七 筑波大学 横浜市立大学 京都府立医科大学 六六 東京医科歯科大学 長崎大学 六五 旭川医科大学 六四 琉球大学 努力さえ惜しまなければどこへだって行ける、と思うとゾクゾクしてくる。 ViViとか読んで今度お小遣いを貰ったら買うもののリストを 学校の机に落書きしたりするけれども そんなのとは比較にならない興奮だ。 つづく
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