●連載 #0068の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「遠乗りに誘おうと思ってたらランベルク殿が肖像画をいっぱい抱えて部屋に入ってい くのが見えたんだ。」 短めの黒い髪を風になびかせながら、フィリップは青い瞳をいたずらっぽそうに輝かし て言った。 ランベルクとはレオンの侍従長のことである。 「・・お邪魔だったかな。」 口元が笑っている。心にもないことを,とレオンは思ったが, 「いや,正直,助かった。ほっとくと一時間は軽くしゃべり続けるからな。」 帽子の下から,肩までかかる柔らかそうな栗色の髪がのぞいている。 緑の瞳を細めながら,レオンはフィリップに微笑み返した。 二人は馬の肩を並べて,森の中を散策していた。 二人並んでいると,趣はそれぞれ違うが,ともになかなかの美青年だ。 しばらく二人は黙って森の中を歩いていたが,フィリップが先に声をかけてきた。 「あれだけよりどりみどりなのに,一人ぐらい結婚しても良いって姫はいないのか?」 レオンはふいに,沈んだ表情になる。やがて,大きなため息をついた。 「養子の話ならいくらでも返事をするんだがな。」 フィリップは驚いて,彼を見つめた。 「何言ってんだ,おまえ。王族の次男坊の俺ならともかく、おまえはれっきとした王の嫡 男じゃないか!」 「・・俺は王の本当の子じゃないからな。」 レオンはつぶやくように言った。 その言葉を受けて,フィリップも黙り込んでしまった。 口にこそ出さないものの,彼が国王とは血のつながらない間柄であるとは,宮廷内では周 知の事実だった。 理由はこうだ。 先代の王,レオンの事実上の祖父にあたる男は、生まれながらの王ではなく、一介の領主 だった。 彼は持ち前の度量と軍才を発揮し、近隣諸国を制圧し王となった。 広大な領地と,権力を手にした男が次に欲したのは -高貴な血ー であった。 どうしたものかと考えあぐねていたところへ、思わぬうわさが,彼の元へ飛び込んできた のである。 ーローマ法王が庶出の娘の結婚相手を探しているー しかもすでに身ごもっているという・・・ 誰もが難色を示したこの話を、王は法王に申し込んだ。 13歳になる自分の息子と目合わしたい,と。 法王は大喜びで承諾した。 かくて,17歳の花嫁と13歳の花婿との婚儀が成立したのである。
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