●短編 #0559の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「『十角館の殺人』を殺す方法」 〜 もしもこうなっていたら、あの“衝撃の一行”はなかった? 〜 ※小説『十角館の殺人』(綾辻行人 講談社ノベルス他)の真相を知っている人向けで す。同作を未読の場合、まず意味が伝わらないと思います。 また、同作の具体的なネタばらしをしている訳ではありませんが、拙作を読んだ上で 『十角館の殺人』を読むと、その構造を見抜きやすくなる恐れは非常に高まります。 ご注意くださいますよう、お願いします。 ※カクヨムでも公開済みです。タイトルは変えています。 * * 推理研の面々が角島に向かう漁船の上にて。 「あんたら、あんなところに行って、一週間も何をするんだね? そもそも満足に寝泊 まりするところがあるのやら」 「その点は大丈夫なんですよ。僕らと同じ推理研の一人が先に行って、あれやこれやと 準備万端整えてくれた上で待っていましてね」 「へえ、そうなのかい」 館にて第一の殺人が発覚した直後。 「なあ、みんな。思うんだが、とりあえずこのニックネームで呼び合うの、やめない か」 「え、どうして?」 「人が一人死んだんだ、それも仲間が。いくら我々がミステリ好きだからといって、こ の状況下でニックネームを使うのは不謹慎のそしりを免れない。違うか?」 「……そうね、その方がいいわ。これからは本名で」 島田と守須とが初めて会い、互いに自己紹介をしたあと。 「そういえば、君は推理研では何て呼ばれているんだろう?」 「……何だと思います?」 第二の殺人が起きる直前、皆でコーヒーを飲む場面。 「うん? ……ひぃ、ふぅ、みぃ……」 「どうかしたか。コーヒーカップを見つめて、ぶつぶつと」 「いや、何か昨日と手触りっつーか、感触がちげぇって感じて――ああ、やっぱりな。 このカップ、違うぜ」 口紅に仕込まれた毒で被害者が出たあと、三人で会話するシーン。 「――待て。煙草はやめといた方がいい」 「ん? どうしてだ。気持ちを落ち着かせるために――」 「そういうことじゃない。毒だよ、犯人が煙草に仕込んだかもしれないじゃないか」 「これに……?」 「そうさ。ミステリマニアとして恥ずかしいよ、何故、今の今まで疑いもしなかったん だ?ってね」 〜 〜 〜 犯人が最初の犯行としてオルツィを殺しに行く直前。 (……待てよ。本当に今、部屋にはオルツィ一人だけなのか? 推理研のメンバーで、 恋人がいるのは自分だけだと思っていたけれども、それが正しいなんて根拠どこにもな いぞ。実際、自分は皆には内緒で彼女と付き合ってきて、ばれなかったんだし。うー ん、オルツィに恋人がいるとしたら、あいつ辺りか。もしいたら、まずい。ドアをこっ そり開けて、中を覗いて確かめる……のはリスクありそうだよなあ。参った。今夜の犯 行開始は中止して、明日一日掛けて、みんなに探りを入れてみるか。恋人がいるかどう かって……いや、たった一日で正確なところを把握できる気がしない……) 犯人は今回の合宿での計画殺人をあきらめた。 (次の機会までに、部内の人間関係を調べ上げるとしよう……) 〜 〜 〜 終わり
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