●短編 #0417の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
二千十二年十一月二十一日の朝三時頃だった。病院から緊急の電話がかかってきた。 母が意識不明の危篤状態ですとのことだった。すぐ来てくださいと言われた。慌ててタ クシーに乗って病院にいった。しかし、病院のドアは閉じていて入れない。どうしよう かと思ったが、電話してみることを思いついて、電話して開けてもらった。二階の母の 部屋へ行くと、ベッドは空だった。看護師さんに聞くと、個室に入っているとのこと で、そこへいった。母は酸素マスクを当てていた。意識不明状態。「一昭が来たぞ、一 昭が来たぞ」と言うと、二度ほどこくりとうなずいたようだった。分かったのだろう か。医者が来て、死が近いという。母はただじっとしていた。それから十分くらいした ろうか。突然看護師が入ってきて、母の目をみて、呼吸を確かめた。そして医師を呼ん だ。医師が来て、母の状態を確かめて、死亡されていますといった。「四時十七分で す」と言った。苦しむこともなく、さっと死んでいった。よく生きたひとはよく死ぬこ とができるのだ。 私は部屋からだされ、看護師さんたちが、母に死に化粧をした。そして、私はあちこ ちの葬儀屋に電話して、葬儀の段取りをした。一番安いところにした。 九時頃葬儀屋が来て、車で母を家まで運んでいった。倒れて以来ずっと病院で、一度 も家に帰してあげられなかったが、死んで家に帰ることができた。夜近所の人が来てく れた。自治会関係のひとも来た。翌朝九州の親戚がふたり来た。母の妹と弟だ。 朝、葬儀屋の車で、火葬場にいく。私の行っている作業所から職員の女性が来てくれ た。ありがたかった。私ひとりの見送りという可能性があったわけだし。とにかく、母 の火葬のとき、私親戚二人職員の女性の四人で見送ることができた。火葬されて母は骨 になった。家に帰り、その骨を仏壇に置いた。これからずっと母はそこにいる。
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