●短編 #0414の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
梅雨の間ずっと家の中にいたのでまーちゃんとえっちゃんは退屈です。そこでおかあさ んにねだって、丘の上公園まであじさいの花を見に自転車に乗って連れていってもらい ました。丘の上ではたこやき屋のおじさんがいてたこ焼き3個買って、べんちで3人で 食べました。たこは小さかったけど、焼きたてで口の中でじわりととろけるようでとて も美味しいものでした。おかあさんとまーちゃんはさっさと食べましたが、小さなえっ ちゃんはなかなか上手に早く食べることができません。そのうち雲行きが怪しくなって きました。朝方はあんなに晴れていたのに黒い雲がもくもく出て大粒の雨が降ってきま した。 「まーちゃん、えっちゃん、そろそろ帰ろうよ」おかあさんは言いました。 たこやき屋のおじさんはかさを貸してあげるといいましたが、丘の上公園は、比較的高 いところにあるので坂道が延々とつづいています。だから坂道で傘を差すのは危ないの で断りました。 そうしている間に雨はばけつがひっくり返したように降っています。おかあさんは、二 人の子供を自転車に乗せて坂道をくだりはじめました。 ちょっといってからおかあさんの顔色がかわりました。自転車が古いのと大雨のせい で、自転車のブレーキが効かなくなっていたのです。ものすごく早いスピードで坂道を 下っていきます。雨はますます激しくなります。少しでも早さを落とそうとおかあさん は、くつを地面にこすりつけて止めようとしました。だけどもブレーキが大雨のため馬 鹿になったのと急な坂道のため、自転車の早さは遅くなるどころかますます早くなりま す。あっ、危ない対向車線の車とぶつかりそうになりました。けたたましいクラクショ ンの音、まーちゃんもえっちゃんも怖がって泣いています。泣き声を聞きながら、おか あさんは自転車から放り出されて3人が病院の集中治療室に入れられている映像が浮か びました。時間にして3分でしょうか。やっと平地になって、ブレーキをかけると止ま りました。 「まーちゃん、えっちゃん、助かったよ」おかあさんは姉妹をぎゅっと抱きました。 「おかあさん、怖かった」二人は涙を浮かべています。 「お母さんも怖かった」涙でぐちゃぐちゃになった姉妹をおかあさんはもっと強く抱き しめていました。 親子3人の一番怖かった思い出になりそうです。
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