●短編 #0341の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
ある雨の日の情景 談知 なにやら中世っぽい雰囲気の街カトマンズ。ある雨の日、ワタシはそのカトマンズの 街を歩いていた。狭い通路には、両側にいろんな店が並んでいる。いづれも間口の小さ な店ばかりである。店の奥でおっちゃんやおばちゃんが目を光らせ、通りかかる人々を 眺めている。ワタシは旧王宮のほうへ歩いていった。雨が降っている。霧のような雨で ある。 その旅が始まってもう数ヶ月たっていた。当初の喜びの時期がすぎ、肉体的にワタシ は疲れてきていた。それと同時に、旅そのものにも疲れてきていたように思う。本当に ワタシは旅をしたがっているのだろうかとさえ思うようになっていた。 ワタシは旅が好きなのだろうか。そのことはいつも思うことだった。なるほどワタシ は旅ばかりしている。しかしそのことと旅が好きということとは違うことだろう。若く て無職でやることがないとなれば、旅でもするほかないではないか。ほかにすることが ないから旅ばかりしていた。そんな感じだったのではないか 王宮前のダルバール広場へいってみると、彼女は来ていなかった。ワタシは軽い失望 感を味わった。そんなに固く約束したわけでもなかったし、しかたないかとも思った が、しかし何か苦い感じもあった。ここで出会えばまたやり直せるのではないかという 希望もあった。しかし、それもワタシのほうの思い込みであるのかもしれない。 ワタシはそれでも2時間ほど待ったが、やはり彼女は来なかった。それで、ワタシは ワタシが泊まっている安宿のほうへ帰っていった。 そのときもまだ雨が降っていた。
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「●短編」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE