●短編 #0151の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
雲の無い空。 湿気が混じった空気。 季節は夏。 そして学生の楽しみ、夏休み。 時雨英知は海に来ていた。もちろん、一人ではない。彼女の相田恵理美・妹の花梨そし て、親友の伊藤新太郎と来ていた。 ちなみに、英知は海に行きたかったわけではない。恵理美も新太郎もだ。海に行こうと 言い出したのは、恵理美だった。 夏休みに入り、早くも十日が経過していた。英知も花梨も夏休みを堪能していた。その 日、新太郎と恵理美は英知の家で勉強会をしていた。英知は頭がよかった。学年でトッ プクラスの成績だった。恵理美の成績は中の上といった所だが、新太郎は下の中だっ た。新太郎いわく、次の休み明けのテストで良い点が取れなかったら小遣いが半減する らしい。 そんなわけで、英知の家で勉強会が開かれたのだった。 だが、恵理美がいれば花梨が邪魔をする可能性があった。 英知はその問題を、花梨の親友の藍ちゃんに解決してもらった。藍ちゃんとは、花梨の 同級生のクラスメイトであった。以前からよく家に遊びに来ていたので、英知は藍ちゃ んとも仲がよかった。そのせいか、英知と藍ちゃんが仲良く話していたとしても、花梨 の嫉妬は現れないのであった。英知はその点をうまく利用した。昨夜の晩、藍ちゃんの 電話で「明日花梨とあそんでくれないか?」と頼んでみた。始めは首を傾げていたが、 明日勉強会をするためだと説明すると、藍ちゃんは心良く承諾してくれた。 そのため、英知の家には英知達以外人はいないのであった。 英知の家 「ねぇ、妹さんなんでいないの?」机から顔を上げ、恵理美は英知に訊ねた。 「勉強会を有意義に進めるために厄介払いしておいた」 「えー、花梨ちゃんいないのー。あんなにかわいい花梨ちゃんをどこにやったんだ」 新太郎は、ビシッと英知を指差した。 「あいつの友達の藍ちゃんと遊ばせた」 「はぁ、なんでコイツはそんなことさせるかなー。今回の勉強会をお前の家で、開いた のは俺が花梨ちゃんを一目でも視界の中に入れさせるためだったのに」 「あそ、じゃあ勉強会はこれでお開きとゆうわけだな」 英知は参考書を縦にし、机をトントンと叩いた。 「えぇーそれじゃあ、私の立場はどうなるのー?」 「大丈夫。恵理美には俺が個人レッスンするからさ」 「個人レッスン。それもいいかもー」恵理美の目はうっとりとしていた。 「アツアツなこった。夏の暑さでまいってるのに、さらに暑くなるじゃねぇか」 「で、どうするんだ?」 「まぁ、後4時間ほど勉強して、みんなでなにか食いに行こーぜ。」 「あっ、その案に一票」恵理美は手を上げた。 「俺もその意見に賛成だ。ただし、代金は新太郎持ちな」 「いいねー。その意見にも賛成」また、恵理美は手を上げた。 「まぁいいけど、あんまり高い物はおごれねーぞ」 「わかってる。わかってる。よろしくね、新太郎君」 「よろしく頼む」 一通りしゃべり終わった後、また勉強を再開した。 街中 午前中、二人は藍の家で遊んだ。 昼ごろになり二人は、街中のファーストフードの店にいた。 「ねぇ、兄さんをあの人と別れさせるにはどうすればいいと思う?」 藍はうーんと唸った。 「自分の方がかわいいんだって、英知さんに思わせればいいんじゃないの?」 「それはいい案だねぇ。そうだなぁ、海にあの人と兄さんを誘えば私の水着姿で兄さ ん、クラリとしちゃうかも。」 「それいいかもよ。そうすれば。」 「うんそうしよう。藍ちゃんは一緒に行く?」 「私!私はいいよ。それにそんなに女の子がいたら、英知さんも困っちゃうよ〜」 「それもそうだねぇ。よし、そうと決まれば早速水着を買いに行こ?」 「うん、わかった。でもその前に早くコレ食べよ」 コレとは、ハンバーガーであった。話に夢中で食べるのをすっかり忘れていたらしい。 「そうと決まれば」 花梨はハンバーガーにパクリと噛み付いた。 そして、家に帰った花梨は英知を「あの人も一緒でもいいから」と説得し、どこからこ の情報を仕入れたかは分からないが、何故か新太郎もついて来た。 午前中 「ねぇ、兄さんこの水着にあうー?」海の中で花梨が叫ぶ。 「7回目。」ちなみに、「7回目」とは、花梨が同じことを聞いた数である。 「ん。どうしたのー?」 「いや、別に。良く似合ってかわいいよ」 「わーい」といい、花梨はまた泳ぎだした。 「私は?」 「もちろんかわいいよ」 「ホント、花梨ちゃんかわいいよなぁー」新太郎は一人でウンウンと頷いた。 「なぁ」 「ん」 「花梨ちゃんを、俺にくれないか?」 「絶対お前にはやらない」英知は「させない」の所を強調して言った。 「新太郎君、なんか変態みたいだよー」恵理美はそう言い放つと、海に向かって歩き出 した。 「ガーン」と新太郎は口で言った。 「あれ。泳ぐの、恵理美?」 「うん。まあね。」「それに、妹さんに負けられないしね」恵理美は小さい声でつぶや いた。 「ん。なんか今言わなかった?」 「なんでもないよ」そう言って恵理美は海へと、走り出した。 「さてと、俺らも泳ぎますか?」 「そうだな」二人は歩き出した。 午後 午前中、花梨は英知にとにかく自分を英知にアピールしていた。英知がどう思ったかは 分からないが、新太郎は釘付けになっていた。 「あれ?」英知はあることに気がついた。 恵理美がいないのだ。昼飯を食べたあと各自、自由に遊んでいたのだが花梨だけいない のだ。 「しゃーない。探しますか」英知は歩き出した。 花梨はテトラポッドの上に座って、海を眺めてた。 「どうした?」 「あっ、兄さん。」気のせいか、花梨は目をゴシゴシこすっていた。 「お願い兄さん、しばらく一人にしてくれない?」 「えっ。まぁいいけどさ。なるべく早く戻ってこいよ」 「うん。わかってる。」花梨はちょっとだけ笑った。 「おーい、英知くーん」恵理美が走ってきた。 「どこ行ってたの?」 「ちょっと花梨を探してた。テトラポッドの所にいたんだけど一人にして欲しいって言 うから戻ってきた」 「英知君、新太郎君と遊んでて。私ちょっと妹さんの所に行ってくる」 英知は「え」と言ったあと「わかった」と言った。 ザザーンザザーン、波は大きな音を出していた。 「妹さん」恵理美は声を大きくした。 花梨は振り返ると、「何ですか?」と訊ねた。 「どうしたの?英知君が心配してたよ」 「いや、兄さんは私のことただの妹としか見てないんだなぁって、実感しちゃって」 「なんで、私は兄さんの妹に産まれたのかなぁ」 「私が兄さんの妹じゃなかったら、私は兄さんと絶対結婚できたのに」 「うん。貴方が妹じゃなかったら、私英知君と付き合えなかったと思う」 「私がいくら努力しても、兄さんはいつも貴方を見ている」 「ずるいです。貴方は。途中から現れた新参者に、兄さんを取られて、その上兄さんの 視線も私から取っちゃうなんてズルイ」 「そう言われても。困るなぁ」 「貴方は、いつもの貴方を演じていればいいと思うよ」 「えっ」 「英知君もいつもの貴方が、一番好きだと私はおもうな」 「・・・・・」 「・・・・・・」 「そうかぁ。兄さんはいつもの私が好きなんだ。じゃあ変にアピールなんかしないでい つもの私でいよう」 「その方がいい。いつもの妹さんの方が私は好きだよ」 「好きなら、兄さんと別れてください」花梨はピシャリと言い放った。 「その調子だ」 「今回は私の負けかな」花梨は静かにそして、そっとつぶやいた。 「どうしたの?早く英知君の所に戻ろうよ」 「はい」 二人は一緒に走り出した。 「兄さーん、一緒に泳ごう?」 「えっ」戻ってきて早々「泳ごう」とは英知も思わなかったらしい。 だが英知はすぐに笑い 「一緒に泳ごう」と言った。
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「●短編」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE