●短編 #0141の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
反乱軍によってウッドミドガルドを落とされた事に衝撃を受けた貴族達は次に自分が狙 われるのではないかと我先にと王族に貢物をし反乱軍に狙われた時には援軍を連れても らうようにと、毎日王都には各貴族の使節がやってきていた。 しかし古来からの豪族ヒョウホの一族らは貢物をせずに地方の貴族に激をとばし、同 盟を組む事を呼びかけた。その行動の裏には昨年ヒョウホの兵法指南役としてヒョウホ に仕官した知識人エクトロスの影があった。 エクトロスは貴族の出でありながら世界の知識を求め家を出て一族と縁を切り、世界 を旅し て港町アラガスから少し離れた小宅に弟子2人と住んでいたところへかの有名なヒョウ ホが頭を下げてのだから、エクトロスはとても驚いた。 エクトロスを招いて宴会が行われた。 「はははは、エクトロス、今の乱世どう思う?」 ヒョウホの少し傲慢な喋り方だ。 「ヒョウホ様、あなたが天下をとってみてはいかがですか?」 ヒョウホの他の家臣達が静まった。 間を空けずにエクトロスは淡々と続ける。 「王族の兵力が五十万三千。ヒョウホ様の手勢が3万五千。地方の貴族の兵力が1万三 千〜2万千。貴族らと同盟を組めば王族と対等に渡りあえることができます。」 ヒョウホは少し退いた。 「しかし、そんな掻き集めで天下が取れようか?」 「それに加え,北の異民族と手を組むのです。世界を旅している時に異民族の土地に赴 きました。彼らは我々と全く違った兵法観を持っていて、無駄な鎧はつけず革鎧を装備 し腕足に鉄製の鏝を装備して長さ五十もある長剣を片手に戦場を掛け回っていました。 さらには、様々な兵器を用い攻城戦には梯子車、兵糧には大量に運送できる兵器を用 いておりました。戦はならべく避け第一に交渉を行い決裂した時初めて戦を行う。とい うやりかたでありました。」 他の家臣から「ヒョウホ様!」の声が上がる。 「天下か・・・・・・。」 ヒョウホが言った。エクトロスが嘲笑した。 * * 十日後、北へ全兵力を向けた。ヒョウホが守っていた南に位置するアラガスから北へ向 かうのであるから大移動である。しかも反乱軍と王族に見つかってはならないので行軍 は困難だった。 一ヶ月と半月後、北へ到達した。幸い季節が冬ではなかったので雪が降らずにすんだ。 しかしここは北の土地。冷たい風が身にしみる。 陣を設けたのは平地と山地の境目。後ろに山地があれば山菜などで兵糧を補う事ができ る。 野営もいくつか設けた。ヒョウホのやり方である。さらに山地から木を切りだし、松明 にした。内心ヒョウホは慣れない極寒の地で兵士の間で疫病が流行するのを恐れたので ある。 そして異民族と対陣した。 一度この土地に来た事があるエクトロスが交渉に向かった。一ヶ月たってもエクトロ スは帰ってこない。兵士の不満は限界まできていた。兵糧もつきかけている。啖呵を切 った家臣の部隊が突撃を開始した。 「突撃ーっ!!!!!」 家臣の名はカジ。エクトロスの後継者だった。師が戻らないのに何もしないヒョウホが 頭にきたのだろう。 カジの部隊は五十騎。対する異民族の人部隊は百騎。二倍である。カジの部隊構成はカ ジは騎馬。騎馬兵士は十人。カジを加えると十一人。弓兵は十人。歩兵は三十九人。 カジの武器は矛である。騎馬から振り回せば歩兵ぐらいは殲滅できる。しかし異民族の 兵士は革鎧に鉄の鏝といういでたちで長さ五十もある長剣。騎馬攻撃は無意味だった。 * * 「なんだと!?」 唇を震わせ鬼のような顔でヒョウホは怒鳴り声を上げた。 「あれほどカジには目を付けていろと言ったではないか!!あの男はエクトロスの後継 者でいつかは勝手に軍を動かすと思っていたのだ!!」 兵士が死ぬよりも外で疫病を拾ってこられたらとても困るのである。 そこへカジが退いて来た。兵士は五十騎から十騎へ激減してしまった。馬は九頭退いて きた。 憤怒のヒョウホは 「これよりこの者を軍法で処刑する!!!!」 カジに絶望の色が走った。カジを外へ連れ出し両手を縛り上げ正座にさせヒョウホが剣 を高く振り上げる。その時一人の家臣が言った。 「その者を処刑したら軍師様の信頼がなくなってしまいますよ。」 思いとどまったヒョウホはカジに謹慎処分を下した。 夜、兵士に山菜を食わせ家臣やヒョウホ自身は何も食わずに軍議を行っていた。 「エクトロス様がいたからこの地までやってきたのですよ。なんとか奪還しないと軍は 乱れ、ここで我々は滅んでしまいます。」 「誰でもいいからしんがりになりその間に逃げましょう。」 勝ち目のなくなった戦に家臣たちにも混乱が生じていた。 「えーい!お前達の兵士を全て私の部隊に編入しろ!」 「と言うとヒョウホ様?何をお考えで?」 「夜襲だ。」 家臣が静まり返った。 「ヒョウホ様、危険です!!私がやります!!御止めください!!」 「いいんだ。私はヒョウホ・オルドス。豪族だ!!」 カジが退いて来た馬をさばき兵士達に肉を食わせた。そして武器の手入れをさせて夜襲 を開始した。夜なので寒さがよく身にしみる。この際馬はいらない。夜襲の時に敵の陣 中から奪えばいい。 敵陣の背後に着いた。 「これから夜襲をしエクトロスを奪還する。そしてできるかぎり武器や馬や兵糧を奪 う。そしてこの戦に勝利するのだ!!!」 「皆、時の声を!」 「おぉぉぉおおおぉーーーー!!!」 ヒョウホの軍は全ての兵士に青い鉢巻をつけた。これで同志討ちはしない。敵陣中は時 の声に驚いた敵兵士達が同士討ちをしていた。少数の兵士に撹乱を行わせ、残りは兵糧 や馬や武器を奪わせた。敵陣中には大量に運送ができる兵器が配置してあったので、そ れで自陣中に絶え間なく運送を行った。 敵が此方に気付き始めたので已む無く退却を開始した。暗い夜道半ば運送兵器を護衛 する形になった。当然、目の前の運送兵器が真っ二つに切れた。敵である。 そいつは青銅を使った兜を被り絹をふんだんに使った布の先に貴重である黄金で造っ たリングを括り付けていた。武器は自国では見た事もない長い長い槍を持っていた。兵 法では長い武器は疲れやすいので短いものがいいのだが。つまるところ、そいつが豪傑 であることを表していた。 「夜襲とは卑怯な。大将、私と一騎討ちをしろ!」 ヒョウホは退いたが受ける事にした。どうせ負けが見えている戦、討たれたってかまわ ない。 「いざ!」 長い槍なので距離をとっている。近づけば討たれる。そう思えば断末魔が襲ってきた。 「ひぃ。」 一騎に近づいて腹に全力で胴討ちをくらわせた。そいつが倒れているうちに逃げた。怖 かった。屋敷で何度も稽古はしたが人と命のやり取りをしたのは初めてだった。稽古で 腕自慢の奴らと親善試合もした。豪族という誇りが自分の力を過信させていた。 * * 翌日、エクトロスが帰ってきた。実は捕虜になったのではなく説得を粘り強くしていた らしい。 「北からの伝言です。『和平。我々は貴殿に従おう』です。」 エクトロスの人徳に感謝した。 * * 「これより、貴族同盟を結成する。」 結成式に参加なかった貴族はいなかった。北という強力な後ろ盾がついているからだ。 「結成してすぐに王からの依頼だ。第一次反乱軍討伐を行う。各貴族は軍備ができしだ い、アラガスのヒョウホ邸に召集。」
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