●短編 #0108の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
ここはある村の教会。 最近赴任してきた神父が雑務をこなしている。 彼は190cm近い背のがっしりした、痩せて引き締まった体の男だった。 黒髪をざんばらに乱している。 顔は精悍で強顔だがハンサムだ。 黒い司祭服を着ている。 こんこん そこにノックが。 「どうぞ」 神父が言った。 「ああ神父さん。ちょっと話してもいいかね?」 農民らしい芋くさい男が数人入ってきた。 「どうぞ。なにかご用ですか」 その中の老人が言った。 「あんたぁ…最近このへんで何かかぎまわっているらしいが…何を調べているのかね ?」 老練した口調だ。 「ああ…それですか。それは…」 神父が口篭もる。 「なんだね?はっきり言ってみなさい」 老人が促す。 「お前等が化物かどうかってことだ」 その場の空気が一変した。 白けたものではなく、戦場のそれに。 「どこから聞いた?ヴァチカンの犬が。わしらは輸血パックしか飲んでないぞ?」 老人が姿勢を低くし、牙をむき出して言った。 吸血鬼(ヴァンパイア)だ。 「嘘をつけ。じゃあこの穴だらけの死体はなんだ?何かのジョークか?」 神父が懐から写真を取り出して言った。 「くくっばれては仕方ない。死んでもらう」 5人が同時に飛び掛かった。 「もし主を愛さない者があれば、呪われよ。 マラナ・タ(われらが主よ、来たりませ)」 神父はそう言うと背中に隠した大剣を抜いた。 「それ」は青く光っていて両刃の刀身には聖句が刻まれていた。 そこに若い吸血鬼が飛びかかってくる。 「聖なる、聖なる、聖なるかな。三つにいまして 一つなる 神の御名をば 朝まだ来起き出でてこそ ほめまつれ」 彼は袈裟懸けに振り上げると吸血鬼を真っ二つにした。 ドス黒い内臓が湯気を上げて神父に降りかかる。 「聖なる、聖なる、聖なるかな神の御前(みまえ)に 聖徒らも 冠を捨てて 臥し拝み御使い達も 御名をほむ」 遅れて深紅色の血が黒い司祭服に染み込む。 「うおおっ」 さらに吸血鬼Bが鉄パイプを持ってめちゃくちゃに殴りかかってくる。 神父は大剣で振り下ろされたパイプを受け止めるとそのまま刃を滑らせて吸血鬼Bの頭 を 輪切りにした。脳が脳漿ソースのムースになって床に落ちる。 「聖なる、聖なる、聖なるかな。罪ある目には 見えねども 御慈(みいつく)しみの 満ち足れる神の栄えぞ 類なき」 神父は吸血鬼の穢れた脳みそを頭蓋骨共々踏み砕くと吸血鬼Cの胸を串刺しにした。 「ブぼえばッ」 まるで水面に石を落としたかのように血が吹き出て司祭服を濡らし 神父の顔に飛沫が飛び散る。 「うッうわあああああッ」 パニックに陥った吸血鬼Dがマシンガン「イングラム」を連射する。 神父は弾丸をその身に受けながらいささかも勢いを緩めること無くすみやかに 吸血鬼の首を跳ね飛ばした。 「聖なる、聖なる、聖なるかな。御手(みて)の業(わざ)なる 者みなは 三つにいまして 一つなる神の大御名 ほめまつらん」 びじゅーーーーーっ まだ立っている吸血鬼の首の断面から血が噴水のように吹き出て神父にかかる。 一拍遅れて首が落ちた。 どじゃり 「くっ…くくっくっく。やるのう若造。だがわしは一筋縄にはいかんぞ」 老人が言った。 老人が呪文を唱えると床から黒い大きな犬が出てきた。 「わが魔犬は未だ敗れたことがないぞ」 「御託はそれだけか?言い残すことは?」 だが神父はあくまで冷酷だった。 「行け!」 なんのひねりもない言葉で狗がかかってきた。 「神は我がやぐら 我が強き盾苦しめるときの 近き助けぞ おのが力 おのが知恵を 頼みとする陰府(よみ)の長も など恐るべき」 神父はひらりと躱すと剣を振った。 「ゴルル」 だが狗はジャンプして避ける。 「ギャルバッ」 狗の頭が巨大な刀になって神父を突き刺そうとする。 ギン! 神父は剣で弾いて接近していく。 「いかに強くとも いかでか頼まんやがては朽つべき 人の力を 我とともに 戦い給う イエスこそ万軍の主なる 天つ大神」 神父が大剣を振り降ろそうとしたその時! バガン 狗から刺が飛んで神父に刺さった。 「ぐっ!」 体中に杭のような刺さ刺さる神父。 「どうじゃ!どうじゃ!とどめを刺せ!」 狗が飛びかかってくる。 神父の負けか?! 「我に求めよ!汝に諸々の国を嗣業として与え地の果てを汝の物として与えん!!」 ひときわ強く神父が叫ぶと 空間から光でできた剣が無数に現われ犬を刺し貫いた。 「ギャン!!」 使い魔の犬は哀れにも消滅していく。 「塵にすぎないお前等は塵に帰る」 「くっ…逃げろ!!」 老吸血鬼が逃げだそうとしたその時! ブォオオオン!! 別方向から赤いチェーンソーが飛んで来て吸血鬼の胸に突き刺さった。 「何ッ!?」 これには神父も驚いた。 「こんにちは。まいどありがとうございます。死体屋です」 見ると教会の二階に人影が。 「お前は何者だ」 神父が尋ねる。 「ですから死体屋です。営業にきました。名前は屍(しかばね)勘九郎といいます」 見ると彼は作業員が被るような鍔付きの帽子に肉屋が使うような緑色のエプロンをし て、 髪をオールバックに束ね、スペードのように一本垂らしていた。 中肉中背で目は常に笑みを浮かべている。 なかなかのハンサムだ。 「死体使い(ネクロマンサー)……」 神父が言った。 「それも仕事の一つです。吸血鬼の死体を取りにきました」 彼が腕を一振りするとゾンビが入ってきて死体を持っていった。 「そうか。消えろ」 鋭い目で勘九郎を見る。 「では、今後ともご贔屓に。血塗れの神父、ジェリコ=グローリーさん」 「……」 勘九郎はたたたっと走って消えていった。 「妙な奴と縁ができたな……」 血塗れの神父は独白すると懺悔の聖句を唱え始めた。
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