◇フレッシュボイス過去ログ #9191の修正
★タイトルと名前
親文書
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』(青崎有吾 東京創元社)15/4461 風ヶ丘高校学食の外で見付かった、食器とお盆。丼の食べ残しを見ると、こ の“犯人”、好きな具が二つ選べる二色丼を頼みながら、ソースカツを丸々残 していた(「もう一色選べる丼」)。神社での夏祭りにやってきた面々は、あち こちの屋台で買い物をする。そのおつりが何故か五十円玉ばかり(表題作)。 演劇部部室で見付かったノートには、五年前の卒業生・宍戸による不思議な記 述が。始業式後、部室から教室に向かった宍戸は女生徒二人が抱き合う姿を目 撃する。あわあわしつつ一旦その場を離れ数分後にまた覗きに戻ると、出入り 口から目を離していないのに、教室は無人に(「天使たちの残暑見舞い」)。音 を立てずに割れた花瓶の謎(「その花瓶にご注意を」)。 鮎川哲也賞作家による初の短編集&日常の謎ミステリ。 『体育館の殺人』『水族館の殺人』の二長編で、ロジカルな本格ミステリを繰り広げ た作者が、短編ではどんな物を見せてくれるのか、またどんな日常の謎を描くのか、興 味のあるところ。蓋を開けてみると、ロジックこそやや薄めになったものの、本質は変 わらない、推理の積み重ねに拘ったミステリに仕上がっていると感じたです。ただ、短 編集としてまとめるには、格となる一本が見当たらない。表題作は、東京創元社ではお なじみ“五十円玉二十枚の謎”を連想させるタイトルですが、それとは全く無関係な内 容で、発想は面白いものの、実際にはそううまくは行くまいという印象が強い。複数の 感想サイトで編中のベストか次点に推されている「天使たち・」は、現象は詩美性があ ってよいのですが、体験者の宍戸はこのあと自力で何にも調べなかったのか、調べれば すぐに分かる。分かったならこんな恥ずかしい記述、即座に破棄したに違いない。だい たい、音で気付くはず。「もう一色・」はロジックの一つに承服しがたい点がある。 「その花瓶・」はややこしいこと考える前に匂いで気付きそうな。てことで、個人的に は粗筋に書かなかった「針宮理恵子のサードインパクト」がいかにも青春ミステリでよ かったかな。構造上、謎の提示がされないのは勿体ないけどしょうがない。あと、末尾 のおまけに関しては、アニメのワンシーンて感じで、“二人”の仲がこれまでの作品で 仄めかされていたほど険悪ではなく、むしろ滑稽に映ったんですが、どうなんだろう。 てな訳で、裏染シリーズを読んできている人なら必読でしょう。 ではでは。
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