◇フレッシュボイス過去ログ #9101の修正
★タイトルと名前
親文書
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
定刻の午後二時。いよいよ開演です。 口火を切って登場は、桂竹丸という人。テレビを含め、私は初見だと思います。 芸風というかネタの中身は人生幸朗で、喋りは綾小路きみまろに近いものを感じまし た。まくらは噺家仲間や弟子をいじり倒し、噺の方は「童謡批評」といって、懐かしめ の歌謡曲や童謡などを取り上げ、歌詞のおかしなところを指摘して笑いを取ってた。会 場の空気をあたためるのには持って来いの人材、題材だったと言えそう。ただ、どこか らが枕でどこからが噺だったのか、よく分からなかった(苦笑)。 二番手は桂南光。関西では知名度抜群でしょうが、全国規模ではどうなんでしょ。枕 は、鳥取で仕事をしてから、富山に移動することになっていたのが、悪天候で大変だっ たとの話。富山の交通の便についてくさしたあと、志の輔の出身地であることに気付い た風を装いフォローしたり、桂米團治(小米朝)のことを悪く言ったり、先代(三代 目)の米朝とざこばとのエピソードを(「これ、あんたら(お客さんら)どこにも書き なはんなや」と前置きした上で)披露したりと、盛り沢山。噺は、「米朝よもやま話」 とのこと。漫談で終わったのかな。 続いて登場は、桂きん枝。結構久しぶりに見た気がする。かつてはテレビ番組の出演 で全国区だったと思いますが、現在の若い人には厳しいか。南光が時間を十分ほど余計 に使ったせいで、時間が足りないとぼやいていました。一人当たり二十分が基本の持ち 時間らしい。噺は「孝行糖」。現地で聞いたときにはオチをすんなり理解できなかった んだけど、帰宅後調べてみたところ、単純な駄洒落なのね。時間がないないと言いつ つ、二十分はきっちりやっていました。 中締めは、立川志の輔。私と父のお目当てです。 東京から長野まで一時間半かかり、長野から富山まで三十六分かかる。かつて長野富 山間は二時間ほど掛かっていたのが、北陸新幹線が通ったからっていきなり三十六分は おかしい。ましてや、東京長野間でさえ一時間半かかるのに。そのことを祖母に話す と、長野に入ったら頑張るんじゃない?との意見。まさかと思っていたが、後日、JR の社長と話す機会を得て、冗談交じりに尋ねてみたところ、長野に入ってから富山まで は山の中を通るので、騒音をあまり気にする必要がなく、スピードを思い切り出せる。 だから早いんだとか。長野以降本気を出すという見方、あながち間違ってない(苦笑 )。 その流れで、噺は創作落語「みどりの窓口」。これまでに聴いたことのない噺でよか った(笑)。みどりの窓口の担当男性が、次から次へとやって来る乗客の手前勝手な注 文に難儀させられるというもので、少し前にあった駅員の若い男性が線路に飛び降りた 件を思い起こさせます。が、話はとても面白く、堪能しました。 ここで二十分間の休憩。前回来たときは、物販所を覗いてみましたが、今回はパス。 何だか疲れてたので。 これまた定刻通りにスタートした後半は、桂福團治で幕開け。事前にホームページで 見た写真と、顔の印象がまるで違うからびっくりしたぞ。おかげで枕を覚えていない (汗)。噺は「借家怪談」。季節的にはちょっと外れている、幽霊ネタ。 続いては瀧川鯉昇。見たことある人だったけど、“りしょう”って読むんですね、知 らなかった。「鰻屋」という話で、何度か聴いた覚えがあるのですが、噺そのものが好 みに合わないのか、あんまり楽しめない。今回も印象は変わらず。この機会に調べてみ ると、派手な動きを付ける演出を施す人もいるみたい。 とりを飾るのは、笑福亭鶴瓶。いつの間にやら大御所に。鶴瓶の落語って、バラエテ ィ番組「らくごのご」ぐらいでしか聴いた覚えがありません。今回も、読売テレビの伝 説的バラエティ番組「パペポTV」で何度もやっていた、高校時代の恩師に纏わるエピ ソードをまとめた「青木先生」でもやるのかなあと思ってました。ところが、控えで志 の輔にリクエストされたとかで、「山名屋浦里」なる噺を演じることに決めたそうな。 何でもこの噺、タモリがテレビ番組「ブラタモリ」で2011年に訪れた先で、原型と なるエピソードを聞き、鶴瓶に「落語にしてみたら」と持ち掛け、落語の噺になったと のこと。さらに後、中村勘九郎の希望により舞台化(歌舞伎)された経緯もあるそう な。こう説明されたら、否が応でも期待が高まります。反面、感動話だとしたら、鶴瓶 にうまくできるんかいなと一抹の不安も。 細かなストーリーは省いて、概略だけを記すと、真面目だが遊びを知らない堅物の、 江戸留守居役を務める地方出身の武士が、各藩留守居役の寄り合いにて“江戸の妻”を 連れて来なければいけない流れになった。つまりは、吉原の馴染みの遊女を同伴してこ いということだが、堅物の武士にはいようはずもない。だが、藩の名誉もあって、連れ て行くと約束してしまった。困り果てた彼は、江戸で一、二を争う花魁・浦里のいる山 名屋に飛び込みで入るが――といった具合。 で、噺そのものは感動ネタで、非常によいのですが、やはり鶴瓶が女声やしなを作っ て演じるには、ちょっと無理があるかなあ。途中、悪役の男が出て来るくだりでは、堂 に入っていた分、なおのこと落差が目立ちます。頑張ってはいたけれど、他の適切な噺 家がやればもっとよくなるんじゃないかしらん。そう思われるだけで、鶴瓶にとっては 不本意かもしれませんが。 これにて幕。終了は十七時十分ぐらいになってました。予定より10〜20分のオー バーで収まりました。 前回は退出にえらく時間を要した気がしたのですが、今回は慣れもあったのか、思っ たよりは早めに建物から出られました。それでも、てくてく歩いて博多駅に着いたの は、十七時四十分になるかならないかの頃でした。 帰りは新幹線二枚切符プラス指定席券で。夕食には早いので、おやつ代わりのサンド イッチを購入して乗車。鹿児島中央駅到着後、バスの発車まで五十分近くあるので、鹿 児島中央駅のビル内で食事。最初に考えていた店が貸し切りで、予定が狂いましたが、 代わりの店も結構美味しかったのでよかった。 心配していた父の足の具合はそれなりに安定していて、どうにか乗り切れたみたいで す。私の方が足を悪くしたかも。それが後日の腰痛につながっていたりして。 ともあれ、ほぼブーメランのスケジュールだった割には、楽しめた秋の行楽でした。 ではでは。
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