◇フレッシュボイス過去ログ #8841の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『死と砂時計』(鳥飼否宇 東京創元社・創元クライムクラブ)17/5552 翌日に執行を控えた死刑囚二名が、独房の中で惨たらしい死を迎える。犯人は何故、 死刑囚をわざわざ殺したのか(「魔王シャヴォ・ドルマヤンの密室」)。脱獄不可能と される終末監獄で、過去に唯一人脱獄に成功した男。彼は何故、明るい満月の夜、しか も巨漢の監視員が当番のときに決行したのか(「英雄チャン・ウェイツの失踪」)。女 死刑囚の妊娠が発覚? 男は立ち入りれない女子監獄で、一体何が起きたのか(「女囚 マリア・スコフィールドの懐胎」)。 世界各国から死刑囚を引き受ける終末監獄を舞台に、奇想と逆説に溢れた事件が繰り 広げられる連作短編集。 全六編、どれもよく考えられていて、堪能できました。死刑囚ばかりの監獄という、 特殊で限定された環境でこそうまく成立する事件が揃っており、それ故に真相が見えや すい部分はあるものの、充分に満足のいく出来映え。 編中のベストを選ぶのは甲乙付けがたいんですが、一応、「英雄チャン・ウェイツの 失踪」にしておきます。編中ではこれが一番、真っ当な逆説ミステリに仕上がっている と思うので。あとは真っ当でない逆説ミステリでしょう(苦笑)。 そして何よりも唖然とさせられたのが、最後に収められている「確定囚アラン・イシ ダの真実」とこれに続くエピローグ。ワトソン役を務めてきたアランがついに死刑執行 を迎えるが、その前に実父の正体を解き明かそうとする物語で、何とも言えない結末が 待ち構えています。動機と、とある事実の判明するタイミングが微妙な気もするのです が、狙いは面白い。絶対に収録順通りに読んでいくべき連作短編集です。 ではでは。
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