◇フレッシュボイス過去ログ #8156の修正
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・『人魚は天に還る』(三木笙子 東京創元社ミステリフロンティア) 14/5351 見世物小屋で大評判を取っていた人魚が、ある金持ちに買われていくことに なった。人魚は最後の願いとして観覧車に乗りたいと言い出す。厳格さと恐ろ しさで知られる座長とともに、観覧車の箱に乗った人魚だったが、てっぺんに 達した頃合いに、座長の叫び声が響き渡った。下りてきた箱を覗いてみると、 中には腕を切りつけら、血を流す座長の姿のみ。そこへ降ってくる飛沫。人形 は空中で泡となって消えたのか(表題作)。著名な真珠店から、高価な真珠三 粒が盗まれた。程なくして、金魚鉢に使う白い砂利の中から、真珠が一粒出 てくる。盗人が入れたのだとしたら、何のために? 同じ頃、教会に現れる怪 しい人物も噂になっていた(「真珠生成」)。 明治の帝都を舞台に、美貌の天才絵師と雑誌記者が遭遇する様々な事件。 読み始めて最初に驚いたのは、てっきり、天才絵師の方が探偵役で、雑誌記 者がワトソン役だと思っていたのに、逆だったこと。雑誌記者が語り手という 訳ではないのだけれど、主な視点は雑誌記者を通しているので、斬新と言えば 斬新な設定です。ただし、このスタイルだと、探偵役である雑誌記者が、思い 付いた推理を読者に対して伏せていることが丸分かりになってしまうので、問 題ありとも言えます。 内容は……薄味かなあ。人情譚の部分に重きを置くのはいいんだけど、ミス テリの部分が薄い。上述の理由も合わせて、あんまり推理している感じがしな い。インパクトのなさも薄味と感じた理由の一つで、四編からなる短編集なん ですが、冒頭のシリーズ第一作が、ホームズの物語の形を借りて、キャラクタ ー紹介のために書いたような雰囲気。 インパクトのある表題作は三つ目に配されていますが、これを冒頭に持って きて、三つ目にはもっと完成度の高い物を置くべきだと思います。 ではでは。
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