◇フレッシュボイス過去ログ #7334の修正
★タイトルと名前
親文書
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『翼のある依頼人』(柄刀一 光文社)17/6452 学生の野村は、叔母がオーナーのマンションの一室で暮らしている。ある日、 叔母がシャーロキアンの友人達を招待し、野村は成り行きでその相手をしばら くさせられることになるが、その間にマンションの一室で火災が発生。消火で きたものの、密室状態の部屋では住人の女性が、タガネで刺されて殺されてい た(「女性恐怖症になった男」)。シャーロキアンの松坂慶子宅周辺では小鳥 の変死が散発していた。そんな折、インコが迷い込んできた。インコのお喋り を手掛かりに、飼い主探しを始めると、意外な事件が(「翼のある依頼人」)。 松坂家の中で、犯罪が進行中? ボクがパパとママを守るんだっ(「黄色い夢 の部屋」)。 結婚によりあの女優と同姓同名になった松坂慶子が、ナルコレプシーを抱え つつも、お仲間たちとともに事件を解き明かしていく短編集。 以前、同短編集の「見えない射手の、立つところ」のみを読んで、感想をア ップしましたが、この度全編を読了したので感想を追加。 読んでよかったと思える内容でした。特に最後の「黄色い夢の部屋」は、短 いながらも、この本を締めくくるにふさわしい作り。他の二編もそれぞれトリ ックやロジックに工夫を凝らしてあり、なかなか楽しめました。ただ、そんな ことを真っ昼間にできるだろうかとか、咄嗟にそこまで考えが回るだろうかと いった疑問はいくつかありますが。 あと、(探偵役となる)登場人物が多いことと、描写がやや散漫なため、物 語が結末に向かって収束していく様を感じ取りづらい。最後に来て、何となく 終わっていた、てな印象を持ってしまう。作品にとって損だし勿体ない。 作者は長編『マスグレイブの館の島』から始まるこのシリーズを、コージー ミステリとして位置づけるつもりのようですが、作品の傾向がどうも違うのも 気になります。今のところ、コージーミステリ+本格ミステリって趣き。シャ ーロック・ホームズのマニアという設定も、あんまり活かせていないと思うの で、方針をより明確に打ち出した方が商業的には吉かな。私は今のままでも好 きなんですけど(笑)。 ではでは。
メールアドレス
パスワード
※ゲスト書き込みはアドレスGUEST,パスワードなしです。
※まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE