◇フレッシュボイス過去ログ #7286の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『白い花の舞い散る時間』(友桐夏 集英社コバルト文庫)12/3441 学習塾の生徒らだけが出入りできるチャット。そこで知り合ったアイリス、 シャドウ、ララ、ミスティー、ミズキ。互いの素性を知らなくても仲間意識を 強めていった彼ら?は、アイリスの発案で実際に会って五日間を過ごすことに なった。場所は人里離れた山に建つ、曰くありげな洋館“ムラサキカン”。オ フ会のあとも匿名性を維持できるよう、ムラサキカンでは別の名を割り振って 呼び合うことになった。ところが当日、姿を見せたのは四人だけ。来ていない のは誰? そして話をする内に見えてくる、四人の共通性……。 集英社ロマン大賞佳作受賞のリリカルミステリー。 作者は数作発表後、しばらく沈黙を守っていたが、東京創元社から長編を今 年刊行する形で復活を遂げた模様。で、東京創元社がライトノベルのレーベル から引っ張ってくる人って、ミステリとして何らかの光るものがあるに違いな い。谷原秋桜子という前例もあるし。これは一つ、旧作を読んでみようと手に 取った次第。 リリカル・ミステリーと銘打っているけれども、少なくとも推理小説って感 じじゃなかった。確かに謎は提示され、一応解決を見るが、決定打がない。想 像を巡らせ、ちょっとありそうな仮説が正解とされる。手掛かりの提示も、館 に集まった四人の話によるものがメインで、裏付けに乏しい。それでもいわゆ る“日常の謎”を解くタイプならいいんだけど、宗教を持ち出した大掛かりな 出来事だからそぐわない気がする。人の行動心理としておかしな点が多々あり、 それを宗教だからで済ませている。済ませるのはかまわないが、大元の宗教に 関する書き込み不足で、一向に実感を伴って迫ってこない。嘘くさいのである。 せめて作品冒頭で、これこれこういう宗教が流行りを見せて世間を少し騒がせ つつある、みたいな導入をしておけば、唐突さは防げただろうに。 作風そのものは嫌ミスの趣か。悪くはない。<心地のよい後味の悪さ>には 到ってないものの、この路線で行くのなら期待してもよさそう。ただ、ミステ リと銘打つからには、それなりの結構を用意してほしい。 ではでは。
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