◇フレッシュボイス過去ログ #6466の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
「氷の華」天野節子 TVドラマ「目線」の作者の第1作。ドラマのトリックがあまりに時代遅れだった(検視 でバレバレ)ので、作者の実力はどんなものかと思い、図書館で借りてみた。 感想は、やっぱり時代遅れ……というより、オリジナリティ不足かもしれない。全体 のストーリーは悪くないものの、80年代のノベルスにいくらでも類似の作品がありそう な。そして、2時間ドラマとして映像化されていそうな。要するに、ありがちが並んでい るだけなのだ。 この程度の作者を還暦デビューさせる必然性があったのか? と、非情にも感じてし まう。もちろん、高齢デビューでもすごい作家はすごい。「信長の棺」の作者のよう に。だが、この作者はどうかなあ、というのが正直な感想だった。 まず、無関係なシーンや登場人物、会話が多すぎる。必要な人物やその会話に絞れ ば、全体の分量は半分ですむ。編集者は厳しく指摘して削らせるべきだった。 文章は平易で読みやすいが、作者ならではのこだわりもひねりもなく、ただの説明に なってしまっている。しかも、ストーリー上、必要のない会話に無関係な説明が続いて リズムも悪い。 大きな減点材料はヒロインが魅力的ではないうえに、その犯行もまずいことか。いま さら、2時間ドラマの知識や感性で毒殺事件を書かれてもなあ。 ヒロインは36歳なのに、発言の語尾が「ですの」「ですわ」。松本清張の時代じゃな いんだから……。作者は有閑マダムを描いたつもりなのかもしれないが、それこそがど うにも時代遅れだ。こういうヒロインを描きたいなら、昔の事件を回想するという構成 にしなければ、読者のほうが無理を感じてしまう。 毒薬の知識も古い。入手しやすい農薬を使ったのだろうが、これの致死量は60グラ ム。誤飲防止のため色も匂いもつけてあるはずで、被害者が気づかず一気飲みするのは おかしい。 青酸カリにはさらなる無理が。80年代以降、警察が厳しく管理させているため、入手 経路は限られる。メッキ工場から盗み出した、で通ったのは昔の話である。しかも、空 気に触れればどんどん無害化するため、素人には管理できない。 作者の知識や感性が古いことを逆用し、昔の事件の回想という形でなら成功するので はないかと思う。
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