◇フレッシュボイス過去ログ #5867の修正
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『幽霊紳士』に続くのはこれだろうってことで(笑)。 ・『紳士ならざる者の心理学』(柄刀一 祥伝社ノンノベル)16/5542 急死した父の遺言状はどこにあるのか。相談を受けた龍之介は、些細な出来 事の中からヒントを見つけ出し、携帯電話越しに推理を繰り広げる(「召され てからのメッセージ」)。大学の研究室からゲームの試作機が消える。その謎 を追う内に、関係者の一人が感電死。二つの事件を引き起こした心理的な罠と は(「紳士ならざる者の心理学」)。龍之介の念願だった学習プレイランドが 遂に完成。そのお披露目の場で、ピンホールカメラで記念撮影をしたところ、 宙に浮かぶ幽霊のような少女が写っていた(「少女の淡き消失点」)。 五つの短編が収められた天才・龍之介がゆく!シリーズ。 このシリーズ、初期の頃は物理ネタを取り込んだだけのストレートすぎる本 格ミステリという印象が強く、さほど評価していなかったのですが、巻を重ね るに従い、面白さを感じるようになってきました。私が慣れたのか、作風が微 妙に変化しているのかは分かりませんが、読ませる部分が大きくなった気がし ます。 本書の白眉は、「見られていた密室」でしょう。犯人に襲われ、瀕死の傷を 負った男が逃げ込んだ部屋は、モニターカメラが設置されている。男はもう助 からないと悟ったが、犯人を示す何かを遺そうにも、犯人にモニターで監視さ れている。犯人側もダイイングメッセージを遺させまいと、注視を怠らない。 被害者と犯人の命運を賭けた対決の結末は――という風に、ともすればお手軽 トリック・作者の手抜きと揶揄されがちなダイイングメッセージ物を、緊迫感 のある形で魅せています。 ストーリー面では、学習プレイランドで働いてくれるスタッフ探しという、 まるでロールプレイングゲームにおける仲間探しのような設定をうまく活かし ているなあ、と。バラエティに富んだネタに次々とぶつかっても、さほど不自 然に感じません。また、総じて心温まる展開が多いのも長所かと。 ではでは。
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