◇フレッシュボイス過去ログ #5774の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
殺人を扱う倒叙ミステリを書く場合、原則として大きな要となるのは、次の 二つであると考えます。すなわち、「探偵役が犯人を疑うきっかけ」と「犯人 を特定する決め手」の二つ。事件が他殺以外の死、たとえば事故死や自殺に偽 装されているケースでは、さらに三つ目「探偵役が事件を他殺と見なすきっか け」が加わります。 二つの「きっかけ」が作品をスマートに見せるためだとすると、「犯人を特 定する決め手」は、ミステリとしての善し悪しの印象を左右する、文字通りの 決め手になるでしょう。 これまで何度となく記してきているように、私は物語から偶然やご都合主義 の匂いを消したいと思う性質です。 ですから、倒叙ミステリの決め手に関しても、できることなら偶然を排除し たい。その日に限って列車が遅れたとか、居所に関して嘘をついたらたまたま その場所の近くで火事が発生したとか、完全犯罪が子供のちょっとした悪戯に よって瓦解するとか、そういった“犯人が不運だったが故の決め手”は、なる たけ使わないようにしたい……のですが、実際はそう単純に割り切れない部分 もありまして。 改めて書くまでもないでしょうが、一般論として、偶然絡みの決め手であっ ても、「これは素晴らしい、面白いアイディアだ!」ってのが存在するので。 だから、単純に、偶然は絶対に用いては駄目、なんて言えません。 ただ、そういう優れた“偶然”のアイディアを、いかにして定義なり線引き なりすればいいのか(そもそもできるのか)が、難しい。 これもまた、センスに関わる問題なんでしょうけど、他の諸々に比べると、 読者の感性にゆだねる部分が大きく、曖昧模糊としているような……。何せ、 二分の一の偶然よりも、百万分の一の偶然の方がご都合主義の度合いはひどい のに、ミステリとしての評価は高い、なんてことがあるぐらいですから。 ではでは。
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