◇フレッシュボイス過去ログ #5714の修正
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・『十三番目の陪審員』(芦辺拓 東京創元社)14/6341 作家として世に出たいと願いつつもくすぶっていた鷹見は、先輩に当たる人 物から「冤罪計画」を持ち掛けられた。偽の殺人事件を起こしてその犯人とし て捕まり、有罪判決が下された後に無罪の証拠を公表することで、警察の取り 調べの苛烈さや裁判のいい加減さを暴こうという試みだ。体験を手記にまとめ たら出版してやると言われた鷹見は、話に乗る。 ところが実行してみると、様子が違ってきた。思惑通りに捕まったはいいが、 架空の存在だったはずの被害者が実在したとされ、挙げ句、全く身に覚えのな い、しかし現実の殺人事件の犯人にされてしまう。 弁護士の森江春策は、「冤罪計画」の殺人事件を目撃したいきさつもあり、 鷹見の弁護を引き受けることになるが、行く手に待ち受けていたのは、想像を 遙かに超える陰謀であった。 着想はユニークで面白い。また、一九九八年の時点で裁判員制度の開始を見 越したかのような新・陪審制という設定は、評価していいでしょう。さらに、 この設定でなければならない、この設定ならではのミステリにもなっている。 その上で苦言を呈すると、余計な付け足しと作者の主張を大っぴらに入れた がために、おとぎ話になってしまった感がある。言いたいことはよく分かるけ れども、ここは抑制して、エンターテインメントをぐっと押し出すべきだった んじゃないかと。技巧派として定評のある作者なんだし。 他にも、罠にはまるくだりの鷹見があまりにも鈍重すぎるのが気に掛かった し、警察に拘束されてからの彼の追い込まれた立場を、もっとサスペンスフル に描いてほしかったと思う。 ではでは。
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