◇フレッシュボイス過去ログ #5474の修正
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・『虚空から現れた死』(クレイトン・ロースン/白須清美 訳/森英俊 解説) 14/6341 奇術師ドン・ディアボロを控室に訪ねた女。地上五階の部屋に一人きりにし、 少し目を離した隙に、彼女は「コウモリ」云々と言い残して殺されてしまう。 閉まっていた窓は開けられ、そこから大きなコウモリが飛んで行った。被害者 の首には血を吸われたような痕跡が。さらには、コウモリの顔をした人間が目 撃され、謎は深まる。こんなことができるのは奇術師だけだと、警察から疑わ れたディアボロは、姿を消して、真相を探る(「過去からよみがえった死」)。 警察署内の一室で、刑事が撃たれて死亡する。直後、銃声を聞き付けた上司 の警部が部屋に入るが、被害者以外に誰も見当たらない。にもかかわらず、警 部は何者かに声を掛けられ、ドアが勝手に開いた。現場には、“見えない男” と署名されたメッセージが。その後も、透明人間の仕業としか思えぬ怪事件が 続発する。奇術師ディアボロと“見えない男”の対決(「見えない死」)。 クレイトン・ロースンが別名義で発表したマジック・ミステリ。 小説の下手さでは“定評”のあるロースンですが、これは他の作品に比べる と、読みやすかった(あくまでも比較的)。冒険小説の色彩を強め、スピーデ ィな展開を意識した結果、こうなったと言えそう。それでも余計な描写や言い 直し、つまらないジョークが目に着きますが。 二編ともパターンが同じで、不可解な事件が起こり、警部が「これは奇術師 ディアボロの仕業だ」と半ば決め付け、対するディアボロが潔白を証明するた めに探偵をする――面白い設定だと思うのですが、あまりにも警部が短絡的で、 ギャグのようにも読める。これを長所とするか短所とするかは、見方が分かれ そうです。 ミステリとしての中身は、これでもかとばかりに不可能状況を盛り込んで、 読者を楽しませてくれます。ミステリのトリックだけでなく、手品のトリック も明かしてくれるサービス振り。 種明かしされるまでもなく、こいつしか犯人いないだろ的なところはありま す(いみじくも、作中でディアボロによって言及されています)が、いかにも ロースンらしい・黄金時代のミステリらしい謎とトリックのオンパレードは、 一読の価値ありでしょう。 ではでは。
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