◇フレッシュボイス過去ログ #5432の修正
★タイトルと名前
親文書
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『黄昏たゆたい美術館』(柄刀一 実業之日本社)14/3551 カリスマ的な総合プロデューサーが転落死する。状況からは自殺と思われる のだが、理由が見当たらない。唯一人の同居人である画家が鍵を握っている様 子だが、彼は他人とのコミュニケーションを苦手としていた(「神殺しのファ ン・エイク」)。二十ヶ月も身籠もっているとされる女性の謎(「ユトリロの、 死衣と産衣」)。大学校内の一室で殺人が発生。被害者が特殊カメラを用いて 作品製作中であり、そのおかげで犯行の瞬間らしき映像が残されたが、そこに 映る人影は幻のようで……(「幻の棲む絵巻」)。個人の所有していた絵の中 に、ゴッホかゴーギャンの手による物と思われる作品が。ところがその科学的 証明をなした女性が、直後に服毒自殺?(「『ひまわり』の黄色い囁き」)。 以上四編に書き下ろしの表題作を加えた、美術ミステリ短編集。絵画修復士 御倉瞬介シリーズ第二弾。 前の作品集に比べると、本格味は薄まったものの、芸術関連のウェイトが重 くなったこれはこれで、シリーズとしての色合いがより鮮明になり、悪くあり ません。 編中の白眉は、「『ひまわり』の黄色い囁き」でしょう。ゴッホとゴーギャ ンにまつわる謎というのを、具体的に初めて知りました。それをこのように解 き明かす(解釈の一つを与える)一方で、現代の日本を舞台にした服毒死事件 についても、かなり力が入っています。構図は単純なんだけど、ある人物の台 詞にぞっとしました。 この一編が突出しているため、他は影が薄くなりがちですが、どれも及第点 の出来映え。「幻の棲む絵巻」は典型的なアリバイ崩しに、絵巻物についての 謎と解明を付加して効果を上げています。表題作は、ある程度は予想できる範 囲内で展開しますが、登場人物の一人がそうした理由に感嘆しました。 ではでは。
メールアドレス
パスワード
※ゲスト書き込みはアドレスGUEST,パスワードなしです。
※まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE