◇フレッシュボイス過去ログ #4966の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『ルピナス探偵団の憂愁』(津原泰水 東京創元社)16/4561 若くして急逝した摩耶。彼女は死を間近にして、何故、無理難題を夫に突き つけたのか(「百合の木陰」)。師事する大学教授宅を辞した直後に起きた事 件(「犬には歓迎されざる」)。彩子が合コンで出会った男の子は、かつて謎 解きをした殺人犯の息子だった(「初めての密室」)。卒業式を控えたルピナ ス学園の動物小屋で殺人が起きる(「慈悲の花園」)。 ルピナス探偵団の足跡を、社会人から高校卒業式まで遡る。 カバー折り返しに書かれたフレーズ、“皆で謎を解いたあの日々は、今も奇 蹟のような輝きに満ちている”が、本書を端的に表しています。逆に言えば、 上述したようなミステリに即した粗筋紹介は無粋で、本作のカラーをちっとも 表していない訳で。内容に触れずに、「とにかく読んでください」で済ませた いところです。 ミステリとしては、前作の『ルピナス探偵団の当惑』の方が、度合いが高い でしょう。本作はミステリの濃度が若干下がった代わりに、物語色がより強ま っています。また、キャラクター小説の趣きも強くなった気がします。そして その結果(なのかな?)、探偵“団”としてよく機能している――と言えそう。 エピソード間に小さなネタふりがあるのも楽しい仕掛けですが、それ以上に、 この遡って回想する形式が、実に効果的に決まっています。第四話のラストシ ーンが第一話につながり、感慨が深くなる。 ルピナス探偵団の“これから”の物語は、残念ながらあり得ないのでしょう が、“かつて”の物語は、まだ可能であるはず。語られざる事件が存在し、そ して語られることを期待してしまいます。 ではでは。
メールアドレス
パスワード
※ゲスト書き込みはアドレスGUEST,パスワードなしです。
※まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE