◇フレッシュボイス過去ログ #4947の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『さよなら妖精』(米澤穂信 東京創元社ミステリフロンティア) 16/3562 一九九一年四月二十三日。その日の雨が、ちょっとした非日常への扉を開く。 学校からの帰り道、守屋は白い肌をした一人の少女と出会った。ユーゴスラ ビアから来た彼女は、名をマーヤという。二ヶ月ほど日本にいて、色々なこと を見聞きし、知ろうとする。マーヤといることで、守屋も色々と気付かされる。 それは不思議で、楽しく、驚きに満ちた日々だった。 やがて彼女が日本を離れたあと、守屋とその友人達の前には謎が残った。マ ーヤはユーゴスラビアのどこから来たのか。 「哲学的意味がありますか?」――。青春小説にして推理する物語。 一九九一年の時点で、ユーゴスラビアと聞いて私が思い浮かべられたのは、 同国出身のプロレスラー、ミレ・ツルノぐらいか? ミルコはまだ日本デビュ ー前だし、サッカーにはほとんど関心なかったし。 そんなこんなで、『インシテミル』の前に読んでみよう第二弾。書評サイト にて、『犬はどこだ』よりも米澤穂信の本領が発揮されているとの評価があっ たので、読んでみました。 ミステリとしての基準で採点しているのだから、ミステリとして語るべきと ころですが、ここは敢えて青春小説として本作品を高く評価しなければいけな いでしょう。清々しさと、いかにもな高校生と、異邦人のユニークな見方等々 が描かれ、それでいて社会派の要素を持ち、苦みや痛みを伴う物語。たいした ストーリーがある訳じゃないのに、文句なしに引き込まれました。読んでいる 間は心地よく、読み終わると余韻がじわじわと広がる。 ミステリとしては、伏線の張り方が巧みですね。ああ、これが手掛かりにな るのかと、感心させられました。私も一応推理してみて、途中、ネット検索ま でしたのですが、そんなことしなくても、本作の内容だけで充分に解けるよう になっていたのには、参りました。ただ、私的には、認められない部分があり ましたが(気付かなかったけど、その理屈は通らないだろう、という)。台詞 の表記も、少々ずるいかな。 まあ、そんなことは気にならなくなるぐらい、読ませる作品だと思います。 関係ないけど、登場人物の一人「大刀洗」が、元関取でプロレスラーの「大 刀光」に見えてしまって困った。 ではでは。
メールアドレス
パスワード
※ゲスト書き込みはアドレスGUEST,パスワードなしです。
※まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE