◇フレッシュボイス過去ログ #4650の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『福家警部補の挨拶』(大倉崇裕 東京創元社クライムクラブ) 14/3551 綿密な計画を作り上げ、身長に実行し、首尾よく行ったはずの完全犯罪のど こにミスが? とても刑事には見えない福家警部補が、犯行現場をうろちょろし、鑑識の報 告を受け、関係者の話を聞く内に、不自然な点をかき集めて真相に辿り着く。 刑事コロンボ、古畑任三郎の系譜を称する倒叙ミステリ短編集。 作者は読者に先回りされるのを極度に警戒しているのか、しばしば重要な事 項を記述しない、もしくは至極曖昧に記述した上で、「細かいことに気付いた」 福家刑事の優秀さを示している。このやり方は、逆効果にしか思えない。「オ ッカムの剃刀」のラスト、いつから疑っていたのか?に対する答なんか、とて もいいのに、そのことを示す記述が曖昧なために切れ味が鈍っている。 犯人にしても、あまりにも大きなミスを見逃しているケースがあり、ちょっ といただけない。 犯人を追い詰める最後の一手にしても、今ひとつの感が拭えない。常に“た った一つの冴えたやり方”であれとは言わないが、他にもやり方があるだろう と容易に思い付くようなのはまずいのではないか。帯でコロンボや古畑の系譜 を謳うからには、より高いレベルを求められることを予測(覚悟?)せねば。 とは言え、総体に充分合格レベルであり、倒叙ミステリを書いていくぞとい う意気込みがひしひしと伝わってくる。これからが期待できるシリーズと言え そう。 本筋とは無関係だ(と思う)が、「愛情のシナリオ」で、犯人が被害者を訪 ねた時点で、被害者がインスタントコーヒーを飲んでいる描写が納得できない。 この時点で、コンロの乾電池はどうなっているのか。どう想定しても、辻褄が 合わない気がする。 あと、福家刑事が捜査の責任者には見えない云々のやり取り。映像でなら面 白いかもしれないが、短編集で繰り返し出て来ると、鬱陶しさが勝る。連載中 ならまだしも、短編集にまとめる際に削ってほしかった。 ではでは。
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