◇フレッシュボイス過去ログ #4512の修正
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★内容(1行全角40字未満、500行まで)
気楽に書け、かつ適度な分量で収まる雑談ネタがない……。 ストックしてある数少ない自作の棚卸しも考えたけれど、結局、本の感想をば。 本の感想>『時を巡る肖像』(柄刀一 実業之日本社)14/4451 見えすぎて疲れる――そう言って自らの目を突き、隻眼となった天才画家・ 冷泉朋明の邸宅で、殺人が発生。犯行推定時刻の夜中に、冷泉の取った不可解 な行動が謎を深め、解く手掛かりになる(「ピカソの空白」)。母親殺しの疑 いを掛けられた娘に、虫の息の父が差し示した一枚の絵。一体何を意味するの か(「遺影、『デルフトの眺望』」)。被害者は走る車の前に突然現れた? 唯一の容疑者にはロープウェイに乗っていたというアリバイが(「デューラー の瞳」)。 絵画修復士・御倉瞬介が、その職務の過程で遭遇する六つの事件を収めた短 編集。 絵画修復士が探偵役を務めるのは珍しい。少なくとも私は他に知りません。 そして本書は、探偵の職業の新奇さを売りとするにとどまっていません。芸 術と芸術家をテーマに据えており、探偵役とテーマが調和している。この探偵 役でなければ解決が非常に困難なのでは、と思える事件もありました。 冒頭の「ピカソの空白」にて、この短編集の方向性ははっきりと示され、私 はとても感嘆し、驚かされた次第。特に動機が……。 それを踏まえて二本目に取り掛かり、途中で「よし、今度は分かったぞ」と 思ったのですが、これが大外れ。一本目の傾向から言って、当然触れられるべ き点が触れられていない、そんな印象を受けました。 あとは概ね、楽しめました。「モネの赤い睡蓮」は、なかなか事件が起きな いので油断した結果、あからさまな手掛かりを見過ごしてしまい、悔しい思い を味わいましたが(苦笑)。 一見、地味なスタイルであるため、採点上は平凡になりましたが、作家の丹 念な仕事が感じられる、よい推理短編集です。 ではでは。
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