◇フレッシュボイス過去ログ #4227の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
私はバスの一番前の席というのが好きでない。 特に右側、運転席の真後ろ。すぐ前が衝立のようになって広告やらバス会社か らのお知らせが貼られることもあり、視界が遮られ圧迫感を覚える。 一方左側は前に乗降口があり、さらにフロントガラスと視界は広く開放感はあ るのだが………乗降客がすぐ前に居るのが落ち着かない。特にとろい、と言うが 要領の悪い客。乗ってから財布を捜し、両替をし、小銭を数え数え、ついでにバ ラ撒いたりして。自分には関係ないのだが、何故かイラっとする。元々レジとか で時間を掛けるのが嫌いだし。 ところが小さい子どもと言うのは一番前の席を好む。偏見や個人的なイメージ かも知れないが子どもに準じた人々もそう。やけに幼顔の学生や知的に子どもの ような人とか。 考えてみれば自分も子どもの頃は一番前の席が好きだったな。運転手の手や足 の動きを飽きることなく見ていたっけ。 バスの中。私は右側真中から前よりの席に座る。一番前には太った男性。迷彩 模様のランニングシャツ姿が妙に怪しい……… 妙な声がするのでそちらを見れば、左側一番前には小学校の一年、二年生くら いの女の子。ピンクのワンピース。 その子が歌っていたのだ。 ちょっと問題のある子なのか、ただ陽気なだけか。まあ、バスや電車で変な人 々を見掛けるのは珍しくもなく。私は声の主を確認だけし、あとは普通に前を見 ていた。 さて女の子の方は段々興が乗ってきたか、テンションが上がってきたか。歌声 は次第に音量を増して行く。何の歌かは分からなかった。ただやたらと同じフレ ーズが響き渡る。 さて一方、見るともなしに視界に入ってしまう太った男性。彼から見ればすぐ 隣の女の子を盛んに気にしているようだ。 はじめはチラリ、次第にじーっと女の子を見ている。女の子の賑やかさからす れば気にされるのも不思議ではないが………これも勝手なイメージなのだが、太 った男性と言うのが……… さらに女の子を見つめる横顔。無精髭だらけ。しかも妙に細く長い。私の中で 怪しさが一層増す。 子どもと言うのは、バスの下車する停留所を運転手に知らせるボタンを押した がる。下手をすれば数駅前からボタンに手を掛け、待っている。まあこれも自分 の子ども時代には覚えがあるが。 今の私はそのボタンを押すのが面倒で好きではない。他に同じ停留所で降りる 客がいない場合のみ押すが、いれば人任せ。 特にバス内に子どもがいる時は少々気を使い、その子どもが自分と同じ停留所 で降りるかも、とボタンを押すのを待ってみたりする。 さてその女の子も例に漏れず。 一つ前の停留所でドアが閉まると同時にボタンを押した。そして勢いよく駆け 出し、降り口へと。 隣の男性は………明らかに、と言うより露骨なまでにその姿を目で追っていた。 停留所に着き、女の子が降りた後もかなり長い間、視線はその姿を追い続けて いた。 願わくば全てが私の勝手な思い込みであり、妙な犯罪に繋がりませんよう。
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