◇フレッシュボイス過去ログ #4190の修正
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★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『千一夜の館の殺人』(芦辺拓 光文社カッパノベルス)6/3120 世界的な発明をしながらも、日本では不世出に終わった工学博士の死により、 莫大な財産が遺族に渡ることとなった。すると、遺産を受け取る有資格者が、 次々と襲われ、不審死を遂げる……。 遺産の一つであるハードディスクの中身は? 千一夜の館の秘密とは? 名 探偵・森江春策の下を離れた助手・新島ともかが、幼なじみののために孤軍奮 闘する。 駄作とまでは言わないが、失敗作。 問題文に答が書いてあるテスト問題に似たものを感じます。謎自体は簡単で はないが、描き方が下手で、あからさまだったため、容易に想像できてしまっ た。推理で辿り着いたのではなく、あくまで直感で想像できただけですが、作 者のやりたいことが透けて見えるのはよくない。小説の読者、特にミステリの 読者は、作品に完全には没入せず、外から眺めるものだという実態を、作者は 軽視しているんじゃないかなという気がしました。 あと、昔ながらの“探偵小説”を志向した語り口なのは分かるものの、はっ きり言って、逆効果。リーダビリティが悪すぎます。上述したことと合わせる と、分かり切った物語を勿体ぶった文章で読まされているようで、苦痛でした。 連載小説ならともかく、書き下ろし長編で「予告風暗示」や代名詞、仄めかし を連発されても、いらいらするだけじゃないかと。 もう一点。手掛かりを示すに当たって、あからさまに、「これ手掛かりです よ」的な書き方をしないでほしい。二つ三つならかまわないけれど、悉くやら れては、興ざめも甚だしい。物語の伏線を自分の力で見付けたいと(潜在的に でも)考えるのは、ミステリに限らず、様々なジャンルの小説の読者に言える はず。 いくつかの小さな謎が、未解決のまま放置されて終わったような。読み落と しじゃないと思いたいですが、あまりに退屈な筋書きだったから、ひょっとし たら……。 あと、犯人が茶室で犯行を行う直前に、現状を相手から知らされて犯行をや める可能性が非常に高いと思う。 ではでは。
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