◇フレッシュボイス過去ログ #3135の修正
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・『奇術師のパズル』(釣巻礼公 光文社カッパノベルス)12/4440 十月末の日曜、文化祭を数日後に控えた朝、西枝野中学の体育館には数多く の出展作品が並べられていた。その一つ、3−Aの立体モザイク「隧道の中の 悪魔」のそばで、クラスの副委員長を務める大河原杏子の遺体が発見される。 傍らには、四月に死んだ新庄朋恵を殺したことを告白する遺書らしきものが。 しかし、調べる内に、遺書の内容に疑いが持たれ、大河原もまた殺害された 可能性が出て来た。そうなると、密室状態であった体育館に真犯人はいかにし て出入りしたのかという謎が生じる。それを解くカギは、モザイクの表面に描 かれた人物画が、五人から四人になっていた点にあるのか。 スクールカウンセラーの棟谷志保子は、数年前に刺殺された婚約者の事件と のつながりを感じ、解決に取り組んでいく。 以前に言及した「粗筋だけでトリックの想像がつく」ならぬ、「“作者の言 葉”だけでトリックの想像がつく」作品。ここには引用しないけれど、あんな ことを読む前に明かされたら、そりゃ分かります。 それだけならまだしも、作中で、このトリックの用いられた舞台が詳細な図 面として、公にされたことになっている。これはまずいと思う。多くの人間の 目に触れたら、解ける人物が出て来なければおかしい(もちろん、物語の展開 はそんな風にはならない)。 本格ミステリらしくしようという工夫は見受けられる。でも、テーマとの遊 離が感じられて、いまいち乗れなかった。メインの事件が起きるまでは、退屈 さの方が優っていたくらいで。題名がいかにも本格ミステリなのに対し、内容 は社会問題を取り入れようとしすぎている印象です。トリックを他のプロット に当てはめれば、佳作の本格ミステリになりそうなだけに、残念。 それよりも、このスクールカウンセラーを主人公にしたミステリを続けて書 いて行ったら、新味が出るかもしれない。カウンセリングの手法や定説自体も、 入れ替わりが激しいみたいだから、急がないと(笑)。 ではでは。
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