◇フレッシュボイス過去ログ #3130の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『館島』(東川篤哉 東京創元社)14/5441 岡山では知らぬ者がおらず、余所では知る者がいないという天才建築家の十 文字和臣が死んだ。彼自身の設計で横島に建てられた館にて、階段から転落死 したように見えたが、遺体を調べると転落ではなく、墜落。階段からでは、明 らかに高さが足りない。だが、館の周辺に墜落した痕跡は見当たらない。 未解決のまま、半年が過ぎ、事件の関係者が再び横島に集められた。そして 新たに死体が転がる。台風の接近により、島には誰も近付けない。孤立無援の 中、刑事の相馬隆行と探偵の小早川沙樹が解決を試みるが。 脱力系キャラクター達の騒動を軽妙なタッチで綴った、“名前のない館”で 繰り広げられるミステリー。 さぶい。 正直言って、ギャグはほとんど笑えないですわ。特に前半、滑りに滑ってる。 それがリーダビリティにつながっているのならまだしも、邪魔でしかないよう な気が。その上、探偵役が二人ともおちゃらけていると、なかなか話が進まな いんで、いらっと来るです。 ところが、事件が起きると、ギャグの方も好調になってくるから不思議なも の。車の両輪のごとく、うまく転がっていった印象を受けました。本来なら、 笑える展開は事件発生までで充分なのですが。 ということで、ミステリの部分はよくできています。不可解な墜死の謎、そ れに気付くきっかけ、犯人特定の手がかり、館に名前のない理由、館が建てら れた理由等々、どれもが密接につながりを持っており、しかもフェアに示され ている。 難を言えば、仕掛けられたトリックに気付く読者は多いと思われること。直 球を投げてきた作者の度胸には拍手を送りますが、もう少しカムフラージュで きなかったものか……。 ともあれ、見た目の点数以上によい作品です。ゆとりのあるときに、のんび り読むのがいいかもしれません。 ではでは。
メールアドレス
パスワード
※ゲスト書き込みはアドレスGUEST,パスワードなしです。
※まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE