◇フレッシュボイス過去ログ #2960の修正
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・『神の名のもとに』(メアリー・W・ウォーカー 作/矢沢聖子 訳 講談社 文庫)16/2662 小学生を乗せたスクールバスが武装集団に襲われ、児童十一人と運転手が連 れ去られた。彼らは、カルト教団として知られる“ジェズリールの家”の敷地 内に運ばれ、納屋の地下に掘った穴に監禁される。教団の主宰者であるモーデ ィカイは、自らを最後の完璧な殉教者と称し、人質達は滅びの日に備え、生け 贄として浄化のための五十日間を過ごすのだという。FBIが交渉に乗り出す が、一向にらちが明かないまま、四十六日が過ぎ去った。 かつてモーディカイのインタビュー記事を書いた記者のモリーは、この事件 を取材することに嫌悪感を覚えつつも、自身の大いなる飛躍のためと捉え、調 べ始める。それは彼女の身を危険に晒し、信念を揺るがしかねない状況へと追 い込む一歩となる。 本格ミステリ基準なので、十六点になりましたが、実質ほぼ満点と言っても いいです。リーダビリティが素晴らしい。じっくり読み返したら穴があるのか もしれないけれど、それを感じさせません。 粗筋や惹句を読んだ限りでは、カルトのトップが無茶苦茶やって、小さい子 を次々と殺害するのを主眼とした、どちらかというとスプラッター的なものを イメージしていましたが、全然違いました。交渉とモーディカイの動機がメイ ンの、ちゃんとしたミステリです。 運転手がベトナム帰りという設定に出くわしたときは、よくあるパターンか と思ったのですが、少なくともお気楽・お手軽なヒーローにせず、人間らしさ を丹念に描いてあって、好感が持てます。 後半、やや慌ただしくなってしまったことと、肝心な場面での台詞に人名の 記述ミスと思しき箇所(訳者ではなく、作者のミスと考えられる)があったこ とはマイナスですが、些細な瑕疵に過ぎないでしょう。 ではでは。私は泣けたよ(苦笑)。
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