#1326/3620 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 20/03/31 23:22 ( 45)
窮余の一策 永山
★内容
東京創元社の雑誌「ミステリーズVol.99」の犯人当て『紅葉の錦』(麻耶雄
嵩)に掛かりきりで、フレボイ書き込みのネタが用意できていない〜。
てことで、『紅葉の錦』に関して推理したことそのものについて書いてみよう。
最初に言い訳すると、実質十日ぐらいしか考える時間がなく、正直な感覚を言うと、
外れているでしょう。分からないんじゃなくて、分かったような、一応の答は出せたの
だけれども、使わなかった手掛かりが二つもあるという時点でおかしい。
以下、同誌の問題篇を読んでいないと訳分かりませんし、『紅葉の錦』のネタバレに
なっている可能性もあります。あしからず、ご了承ください。
犯人は犯行時、自身の宿泊する部屋(二人で一部屋。鍵はそれぞれ一つずつ)渡され
るの鍵を誤って崖下に落としてしまい、しかも拾えない状態になった。このままだと犯
罪の証拠になりかねない。やむなく被害者の鍵を奪ったあと、崖下に遺体を落とすこと
で犯人の鍵を被害者の鍵と思わせる策を講じた。
この策が成り立つには、犯人は宿泊客であり、かつ被害者と同室であることが条件に
なる。
では被害者は誰か。
犯行は雨の降り出す十五時十分よりも前であり、さらに殺害と偽装工作等で少なくと
も十分を要すると見て、十五時までに現場に立てることが被害者(及び犯人)の条件と
なる。
十五時十分以降に生存が確認されている木更津、香月、海野は被害者ではない。除
外。
被害者は参道を通っている。高所恐怖症の西戸崎はわざわざ参道を通る理由がなく除
外。パンプス履きの彩名は参道を歩けないため除外。聡美は被害者の可能性を残すが、
その場合犯人となる彩名が迂回路経由で十五時までに犯行現場に到着することは不可能
(彩名は聡美と共に十四時三十分まで宿におり、その後すぐに行動を開始しても犯行現
場までは三十分以上を要する)。なので聡美も除外。
残るは香椎と奈多の二人。犯人たり得るのは、鍵を落とす可能性がある者。奈多は鍵
などの貴重品をウェストポーチに仕舞うので、落とすことがない。一方、香椎は鍵をポ
ケット等に突っ込む程度であり、落とし得る。よって奈多が被害者、香椎が犯人。
ここまでが回答。
で、使えなかった手掛かりの一つが、潰れたピンポン球。海野が密かに隠し持った分
は犯行時間帯が過ぎたあとも、海野自身が持っていたのは間違いないだけに、じゃあ現
場に落ちていたのは何なのか? さっぱり分からない。
もう一点が、西戸崎の嘘。
定員が四室八名の宿で、すでに木更津達の宿泊が決まっていたので空きは三室六名。
なのに西戸崎は七名で予約し、一週間前に松原の分をキャンセルしたという。明らかに
嘘をついており、実際は元から松原の不参加を知っていたはず。
このことから西戸崎と松原の間には他の者が知らない秘密がある。もしかすると、西
戸崎が松原を殺害していることも……? ただ殺害となると推測が過ぎるし、宿の事件
がぼやけてしまう。うーん、分からん。
ではでは。
#1344/3620 ◇フレッシュボイス2 *** コメント #1326 ***
★タイトル (AZA ) 20/04/14 20:37 ( 26)
すっきりさせてくれない 永山
★内容
小説投稿サイトのセルバンテスを久々に覗いてみたら、ちょうど閉鎖予定が発表され
たところだった。短いなあ。ユーザーには同じ講談社が関わっているノベルデイズの方
に移行するよう促してるけど、そもそも何で小説投稿サイトを二つ持とうと思ったんだ
ろ。狙いが分からない。
東京創元社の隔月刊雑誌「ミステリーズ!」のVol.100をネット購入。届いた
ので、例の犯人当て『紅葉の錦』(麻耶雄嵩)の解決編を読む。
……何だこれは?
犯人は当たっていたし、ロジックも大枠では当たっていた。細かい漏れはあったけれ
ども、まあ納得の行く作り。
にもかかわらず、気持ち悪い終わり方をしている。
まず、動機が語られない。しかし探偵役の台詞からすると動機も推測可能だと仄めか
してあり、それは卒業旅行をキャンセルした学生に関係しているらしい。。犯人当てだ
から解決編で犯人は教えるけど、動機までは面倒見ないよってこと?
次に、犯人が消える。脱出不可能な状況から煙のように消え失せる。これにも当然の
ごとく、解決はない。
さらに三つ目。語り手として機能していた学生が、ラストで失明したような描写があ
る。犯人当てとどう関係あるのか分からない。作中に登場した伝説と絡めただけ、で片
付けていいのかしらん?
これに加えて、前回この犯人当てについて書き込み指摘した、宿の予約の不可解な点
について一切触れられていない。出題ミスなのか? それとも上述の動機に絡んでくる
のか?
ある意味、麻耶雄嵩らしいと言えばそうかもしれないけれども、凄く居心地が悪い。
ではでは。