#7696/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 13/05/01 00:02 ( 28)
図書館と復刊と 永山
★内容
誰だこれレベルの作家の作品だけでなく、推理小説の読者にとって、まさか
この名作が絶版になることはあるまいという作品も、どんどん絶版になってい
るのが今のご時世だそうで。そもそも、『推理日記』自体が、かなり入手困難
になっているとか(何年も前の時点で、みのうらさんが怒ってたなー)。
そういえば、絶版本ではありませんが、約四十年前に出版されて長らく在庫
切れ状態だった『模倣の殺意』(中町信 創元推理文庫)が、割と最近、一書
店員さんの店頭宣伝で人気に火がつき、大増刷されたそうで。
売れることさえ分かれば、案外簡単に絶版本の復刊も叶う?なんて期待させ
る話だなと。まあ、権利処理やその他諸々の事情で出せない本というのも多々
あるでしょうけれど。
ついでに、その『模倣の殺意』。
同書を何年か前に手に入れただけで、未読の私ですが、それには理由があり
まして。
まず、元々『新人賞殺人事件』なる題名で刊行された物に、多少の手を入れ
て改題したのが、『模倣の殺意』。
この『新人賞殺人事件』も、幻の名作との呼び声が高かった時期がかつてあ
り、私、探しに探して百五円だか二百十円だかで入手できた覚えが。そんない
きさつはさておき、『新人賞殺人事件』を手に入れた時点で、私はすでにすれ
た読者になってまして、作者の仕掛けを極早い段階で見破れた。推理小説とし
てよくできているものの、仕掛けが当時の基準ではオーソドックスすぎる、と
いう代物でした。
そんな『新人賞殺人事件』とほぼ同じ小説を、見破りづらくなるよう加筆さ
れたらしいとは聞いたものの、仕掛け自体は恐らく変わっていないはずなので、
敢えて読む気にはなれないでいる次第。
ではでは。
#7697/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ *** コメント #7696 ***
★タイトル (mor ) 13/05/01 00:39 ( 49)
中町信さん、40年前の小説が突然人気に・守屋
★内容
見つけたので、読売新聞の記事を転載します。
――――――
時代が追いついた「ミステリー」
約40年前に書かれた中町信さん(1935〜2009年)の『模倣の殺意』(創元
推理文庫)=写真=という本格ミステリー小説が突然、売れ始めている。
書店によっては、文庫の週間ベストセラーで伊坂幸太郎さん、東野圭吾さんらを抑え
1位に。映像化とも無縁の故人の旧作になぜ今、光が当たっているのか。
アパートで自殺したとされた新進作家の死の真相を、女性編集者と男性ルポライター
が別々に追う長編第1作で、1973年に『新人賞殺人事件』の名で双葉社から刊行。
「日本では珍しかった叙述トリック(語りや構成でだます技法)の仕掛けにびっくりし
た」(東京創元社顧問の戸川安宣さん)と一部で評判になったが、その後は幻の名作的
扱いで「東西ミステリーベスト100」などのランキングに入ることはなかった。徳間
文庫を経て、2004年、雑誌掲載時の作品名に戻した“決定版”として創元推理文庫
に入り、4・5万部まで増刷後、売れ行きは止まっていた。
ところが、大手書店チェーンの文教堂が2012年末、この埋もれた名作に目をつ
け、店頭に平積みしてプッシュ。評判が他の書店にも広がり、この4か月で累計20・
5万部まで一気に増刷された。東京創元社では、「陥穽かんせいに落ちたような衝撃が
味わえる叙述トリックの分かりやすさも、一般の読者に受けているのでは」と語る。
中町さんはデビューから80年代中頃までの初期に、あの手この手のだましの技を披
露した叙述トリックの先駆的作家だが、地道な捜査を描く社会派推理全盛という時代性
もあってか、大きくブレークせず、その後は旅行ミステリーなどを手がけた。
翻って今世紀に入ってのミステリーを見てみると、東野さんの代表作も含め、伊坂さ
ん、道尾秀介さんらの叙述トリックの技巧に優れた作品が多く支持を得ている。中町さ
んの40年後のブレークは、「時代が追いついた」ということだろう。(文化部 佐藤
憲一)
――――――
名前に記憶があったので、何か読んだはずだとは思っていましたが、ノベルス版と文庫
版ではタイトルを変えてあるんですね。
図書館でまとめて借りたので、『なんとか殺人事件』はどれがどういう内容だったか、
うろおぼえです……。
東野圭吾の『魔球』から、類似作品をまとめ読みしたので、『高校野球殺人事件』はお
ぼえています。
警察の捜査がおざなりという点でありがちな、2時間ドラマ的ストーリーでした。
トリックも実際には成立しないだろうとツッコミたかったし、よくも悪くも普通のノベ
ルスの平均値に思えました。
文庫本は「改稿決定版」だそうですが、うーん???
期待してよいのでしょうか……。