AWC @コラムbQ43 COP6、ハーグ会議失敗の原因 ヨウジ


        
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★タイトル (CKG     )  00/11/28  14:07  ( 73)
@コラムbQ43 COP6、ハーグ会議失敗の原因 ヨウジ
★内容

残念ながらCOP6は合意できずに終わってしまった。
交渉が決裂した原因の一つは
日本が森林吸収による削減を3.7%とカウントする案を
強引に押し通そうとしたところにある。
日本の主張は科学的根拠に乏しく
EC側の反発を招いた。
確かに若い森林はCO2を吸収するが、
伐採してしまえば炭素固定化はなきものとなる。
燃料や紙や建築物や家具等の材料として使われ
やがて廃棄・焼却されまたCO2となって大気中に戻ってしまう。
伐採して植林した分も100%カウントすべきだという
日本の主張が受け入れられるわけがない。
それから自然林のCO2吸収も100%カウントすべきだという
主張も同様である。
自然林は全体的に見ればCO2の吸収と排出とが釣り合っている。
ところが自然林は開発等により減少傾向にあるので
むしろ排出源となってしまっている。
森林面積が増加しない限り自然林は吸収源とはなり得ないのだ。
だからこの面でも日本の主張が受け入れられるわけがない。
森林への吸収量も森林からの排出量も測定する手段がないことからしても
森林を吸収源と見なして数値としてカウントすることには元々無理がある。
プロンク議長の調停案は
森林吸収量の15%をカウントし、
上限を1990年レベルの3%とするというものであった。
根拠のないものに上限を設けるということで方向としては良かったが、
実際に計算すると相変わらず森林面積が広い国程圧倒的に有利となり、
狭い国は不利となってしまう。
これに当てはめると
日本が0.55%しかカウントできないのに
アメリカが3%、フランスが1.9%、カナダが1.7%もカウントできる
ことになってしまう。
つまり実質的な削減目標がアメリカが7%→4%、カナダが6%→4.3%、
日本が6%→5.45%と
省エネが最も進んでいて
しかも、一人当たりの排出量がアメリカの二分の一しかない日本が
最も厳しい削減目標を課せられるのはどう見てもおかしい。
前述したように森林吸収は植林についても自然林についても
吸収源となり得る科学的根拠がないので、
これを面積に応じて吸収源としてカウントすることにも根拠がない。
根拠のないものは面積が大きくても小さくても意味がないということだ。
森林吸収についての日本の主張には根拠がないが、
プロンク議長の調停案は不公平なものであった。
この問題についてはこうすべきだ。
根拠のない森林吸収の仕組みの導入を取り止めて
京都議定書の削減目標そのものを改訂すべきだ。
もっと合理的な根拠に基づき算定し直すべきだ。
日米加は森林吸収の仕組みの導入を前提に
京都議定書の削減目標に同意したのだから、
その仕組みをなくすのなら
削減目標はより低い方向に改訂すべきだ。
将来の第二第三の削減目標を設定して進めて行く上でも
これが矛盾の起こらない根本的な解決方法だ。
根拠のない森林吸収を導入して
合理性のない不公平な算定方法を持ち込もうとしたところに
今回のハーグ会議の失敗の原因がある。


                          ヨウジ

P.S.森林火災はCO2の吸収源の減少とCO2の排出源となる。
    大気汚染や温暖化による立ち枯れによっても森林は減少し
    CO2の排出源となる。これらは森林吸収から差し引く必要がある。

    日本はITには異常な程熱心で積極的だが、
    この問題については極めて消極的。
    政府が業界の自主的努力に期待している内は
    本腰で取り組んでいるとは言えない。
    経済を最優先に考えている内は我々の未来は暗い。
    この問題は自然エネルギーへの転換やエネルギー効率の改善だけでは
    到底解決できない。
    ライフスタイルを変え、消費エネルギーそのものを削減することが
    求められているからだ。




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