AWC 新リレーA>(祝)第10回 嵐の予感       COLOR


        
#710/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (BMD     )  88/ 1/25  23:31  ( 81)
新リレーA>(祝)第10回 嵐の予感       COLOR
★内容
−−−いつまでもつか一人称−−−

 いくらあたしが鈍い(んだって、まったく!)が直美の態度がいつもと違う事ぐらい
はわかるわ。
 大体、あたしより鋭い筈の祥子(本人談)が保身に専念しているせいか・・・あたし
の数倍は鈍くなっているみたいだし。まったく、ダメねぇ・・・もっと視野を拡げて世
間を知りなさいね。

 先生が「ガラっ」と鉄の扉を開いた。学校に勉強しに来ている(のつもり)あたしで
もびっくりした。誰かと思ったら数学科教師の山崎先生かぁ
 ………若くて、なかなかカッコいいんだよね。そーいえば祥子も以前アタックしたこ
ともあったっけ。確か結果は・・・まぁアタックする事に意義があるんでしょうね、あ
の娘の場合は。

 あの先生。あれ? あたしの方を見ているんじゃない? やだなぁ、あたしに気があ
るんじゃないの? ダメよ、気持ちはうれしいけどあたしには健作さんという立派な・
・・・(言いきるほどの自信がないらしい)がいるのに!!

そしてその山崎先生は熱っぽい表情で言った。
「斉藤っ あとで生徒指導部に来い」
 斉藤? このクラスで斉藤っていったらあたしじゃないの! あ、そーいえば山崎先
生って・・・生徒指導部の・・うわぁ・・・まずいなぁ〜〜〜先生、そんなににらまな
いでよっ!

 やっと授業が始まった。「「「あぁっ
肝心な事を忘れてた! 来週から期、期末テストじゃないの?
 先生は当たり前の顔をしてテスト範囲を発表していく。その瞬間にあたしの頭脳から
は「直美」という単語はデリートされ新たに「混乱」という文字化けが乱入してきた。
ちょ、ちょっと、そんなにテスト範囲って広かったっけ?
 あたしの胸中に何ともいいがたい予感がジワリジワリと広まりつつあった。

                 ☆
−−−所変わって三人称−−−

 一方、ここは図書館の第1会議室である。深雪ママと鈴木ママが相変わらずの口論を
断行していた。昨日の延長戦だ。もっともこの延長戦には時間という観念に乏しい。何
故なら先程から話している内容にほとんど変化がないことがそれを証明しているのでは
ないだろうか? もはや深雪と健作の事など口実に過ぎない。お互いの意地とプライド
を賭けた危険な戦いなのだ。
「はぁはぁはぁ・・・」
「ふぅふぅふぅ・・・」
 二人とも敵に弱みはみせまいと必死に疲れを隠していたが、ついにどちらからともな
く息をつきはじめた。
 そしてぬるくなったお茶(もちろん日本茶)をすすると今度は一転して黙り込んで相
手の出方をお互いにうかがっていた。

                 ☆

 義彦は自分の父をあまり好いていない。裏ではかなり汚いことをやっている事実を知
っているからかもしれない。しかし義彦自身はその権力を使っている自分を仕方がない
の一言で済ませようとしているのだからまったく恐れ入る。
 義彦は仕方ないついでにもう一つの事を父に頼むことにした。前回の政治献金の受け
渡しの時に影で大活躍しその功績を評価されて現在ではF級スタンバイを取っている特
別諜報部員No.007/コードネーム”コネリー”を5日間だけ父から借り受けたの
だ。佐藤財閥に特別諜報部員がいる事は裏の世界では誰もが一度は耳にする。しかし本
当に存在するのかと尋ねられたら誰も答える事が出来ないだろう。彼らは別の生活をも
ち別の職業をもっている。もちろんなんの不自然さもなく家族にすら気付かせない。そ
れほどまでに優秀な諜報部員なので佐藤財閥は重宝している。
 もっともF級スタンバイを取っていた彼は多いに渋ったが結局特別手当を倍額支給す
ることで話はついた。
 さっそく「彼」は厚ぼったい眼鏡をはめて学校へと向かった。
あれ、言い忘れたかな?「彼」のもう一つの生活とはつまり「中学生」なのである。
 そして「彼」は山下と名乗り鈴木をマークを始めた。義彦からの依頼、鈴木健作の素
行調査を始める下調べのために。

                  ☆
−−−話は再び一人称−−−

 嵐の予感は当たった! あたしは生徒指導部に入った時にそれを遺憾ながら確信して
しまった。冷たいパイプ椅子に座っている健作さんは力なく笑った。そして山崎先生と
「「「「! あの光を受け付けない妙に威厳のある光沢は………ま、まさか校長先生?
 そ、そんなににらまないでよぉ。そんなに一斉ににらまれたらあたし神経性の胃炎に
なりそ・・・

 そして健作&深雪にとって長い長い放課後が始まった。

−−−忘れかけてた三人称−−−

 緊張感が支配するここ図書館、第1会議室では現在動きはみられません。

            <つ・づ・く>




前のメッセージ 次のメッセージ 
「CFM「空中分解」」一覧 COLORの作品
修正・削除する コメントを書く 


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE